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外為マーケットコラム

ドル・円は上値重くレンジ相場か

 9月最終週は、欧州の債務問題への懸念はあるものの、米国での追加金融緩和観測によるドル売りの流れから、ユーロ・ドルは一時1ユーロ=1.38ドル台前半まで上昇しました。

 一方、ドル・円はもみ合いから動きにくい展開となりました。円売り介入への警戒感と米国の追加金融緩和観測の綱引きが続く中、83〜84円台で上値の重い動きが続きました。

【ユーロ・ドルは堅調な動きが継続か】
 ユーロ・ドルはネガティブな材料が出ても、下げは一時的なものにとどまり、堅調な流れを維持しています。

 30日にアイルランド中央銀行は、アイルランドで国有化されたアングロ・アイリッシュの救済に必要な政府負担額が、最悪のケースで340億ユーロ(463億1000万ドル)が必要との見方を示しました。また、格付け会社ムーディーズはスペインの信用格付けを一段階引き下げています。しかし、ユーロ売りの反応は一時的なものにとどまりました。

 28日の米コンファレンス・ボードの9月の消費者信頼感指数は2月以来の低水準となるなど、米国の一連の経済指標はさえないものが多く、米連邦準備理事会(FRB)が追加金融緩和に動くとの観測が高まりました。ただ、30日に発表された第2四半期の米国内総生産(GDP)・確報値が上方修正されるなど、一部の米経済指標に好転の兆しが見えているものの、ユーロの堅調な流れに変化はありません。

 また、欧州の銀行の欧州中央銀行(ECB)に対する資金需要の減少が金融市場正常化への動きと受け取られたこともユーロの支援材料となっています。

 ユーロ・ドルは堅調な流れが続いて、1ユーロ=1.38〜1.40ドルへ向けて上昇することとなりそうです。ただ、1.40ドル付近では買われ過ぎ感も台頭して、上昇の勢いも衰えそうです。

【介入警戒感の円高抑止効果は続きそう】
 ドル・円は、日銀による円売り介入への警戒感が急激な円高進行を食い止めています。米国での追加の金融緩和観測から円買いが進みやすい地合いにあるものの、日本の金融当局による円高牽制効果が続いています。

 今後も円売り介入への警戒感と米金融緩和観測の綱引きが続きそうです。介入警戒感から、82円台まで円高が進むとは想定しにくいですが、大幅な円安も見込みにくいことから、ドル・円は83〜85円台でのもみ合いが続きそうです。

 なお、10月第2週は注目度の高い統計の発表が目白押しとなります。日本、豪州、ECB、英国の政策金利発表に加え、豪州、カナダ、米国の雇用統計も発表されます。統計内容にサプライズがあると、想定しているレンジを大きく逸脱した動きを見せる可能性も出てきそうです。

【ユーロ圏の債務問題への懸念は消えたのか?】
 ユーロ・ドルが堅調な流れを続けてきたことで、ユーロ圏の債務問題はあまり注目されなくなっているようです。ただ、火種としてくすぶり続けており、いつまたクローズアップされないとも限りません。

 アイルランドの今年第2四半期の国内総生産(GDP)成長率がマイナス1.2%となりました。さらに国有化されたアングロ・アイリッシュ銀行の再建のための政府負担は一部の試算では340億ユーロ(463億1000万ドル)とも伝えられており、アイルランドが債務危機に陥るとの懸念も一時台頭しました。ただ、米国での経済指標の悪化により、米国の追加金融緩和観測によるドル売りの前にユーロ圏の材料がそれほど目立たなくなってしまったようです。

 グラフは、アイルランド、ポルトガルの10年債の利回りとドイツの利回りとの差を示したものです。利回り格差が大きいということはその国の信用力の低下につながっていると判断できます。利回りの格差は夏場以降、拡大を続けており、ユーロ圏の債務問題が外為市場で再びクローズアップされるようになると、ユーロには圧迫要因となりそうです。



2010年10月4日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

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