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外為マーケットコラム

ドル・円は上値重く推移する可能性が高い

 10月第2週は、米国の金融緩和観測の高まりから、ドルが売られてユーロ・ドルは一時1ユーロ=1.40ドル台まで上昇しました。一方、日銀の金融緩和措置の効果は一時的なものとなり、ドル・円は81〜83円台を中心に上値の重い動きが続いており、9月15日の日銀の円売り介入前の水準を更新する円高に振れています。

【ユーロ・ドルは高値警戒感から上昇一服か】
 ユーロ・ドルは堅実な上昇トレンドが続きました。米国ではさえない経済指標が多いことから、11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で米国は追加金融緩和に動くとの見方が広がっており、それがユーロ買い/ドル売りにつながりました。

 ユーロ・ドルは7日に一時1ユーロ=1.40ドルに乗せました。その後、節目達成感などから利益確定の売りに押されています。また、欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁が理事会後の記者会見で「強いドルが米国の利益とする米当局の見解を共有する」と発言したことも圧迫要因となりました。

 ユーロ・ドルは、9月13日以降、ほぼ一本調子での上げが続いたことで、100日移動平均線からのかい離率は6日に9%を超えてきました。このため、1.40ドル近辺では、利益確定の売りに押されて、しばらくもみ合いが続きそうです。

 なお、ワシントンで日本時間の9日に開催された7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)では各国が自国通貨を安値に誘導する通貨安競争を避けるために国際協調を模索するとみられました。ただ、各国の事情もあり、通貨安競争に対する具体的な対応策は出ませんでした。

【日銀の金融緩和策の効果は継続せず】
 ドル・円は、上値の重い動きが続いています。5日に開催された日銀の金融政策決定会合では、政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.0-0.10%に引き下げ、国債など5兆円規模の資産買い取り計画も発表しました。

 この決定はサプライズとなり、発表直後にドル・円は1ドル=84円に迫ったものの、円売りは一時的なものにとどまりました。米国の金融緩和の規模は日本を大きく上回ることが見込まれ、日銀が金融緩和に動いても、その効果が長続きしにくい構図となっています。

 日本の金融当局は、G7を前にして、円安誘導のための円売り介入に動きにくかったこともあり、円高基調は続きました。目先はドル・円は1ドル=81〜83円前後で上値の重い展開が続きそうです。前週末に開催されたG7や国際通貨基金(IMF)・世界銀行の年次総会(10日まで)では、通貨安競争に対する具体的な対応策などは特に出ませんでした。

 8日には米雇用統計が発表されました。失業率は9.6%(事前予想は9.7%)となりました。非農業部門雇用者数は前月比9.5人減と事前予想(同0.5人減)を大きく下回りました。民間部門の雇用者数は同6.4人増と事前予想(同7.5人増)を下回りました。非農業部門雇用者数が予想以上の減少となったことで、8日のニューヨーク市場では米国での追加金融緩和観測が一段と高まり、ドル売りの流れからドル・円は1ドル=81円台後半まで下落しました。さらに週明けの11日には81円台前半まで円高が進む場面もありました。

【為替取引でサヤ取りは可能か】
 サヤ取りとは、似たような動きをする2つの銘柄で、2つのサヤ(価格差)が大きく開いた場合に割高なものを売り、割安なものを買い、サヤが通常の範囲に収まったときに反対売買を行い利益を確定するものです。例えば、商品先物では東京ガソリンと東京灯油の組み合わせ、株式では三菱商事と三井物産の組み合わせなどが考えられます。

 為替の場合はどうでしょうか。個人投資家に人気のあるユーロ・円とポンド・円の場合、確かにその差を取るとサヤが開閉しているように見えますが、このサヤの動きはユーロ・ポンドの動きとほぼ同じです。

 グラフの上段は「ユーロ・円−ポンド・円」で下段はユーロ・ポンドです。いずれも日足です。ユーロ・円とポンド・円のサヤはユーロ・ポンドとほぼ一致していることが見て取れます。通貨の場合、サヤが大きく拡大したといっても、別の通貨が大きく動いているということになり、株や商品先物のような単純に値幅だけの判断によるサヤ取りは仕掛けにくいというのが実情ではないしょうか。



2010年10月12日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

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