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外為マーケットコラム

ドル・円は80円割れまで円高が進む可能性

 10月第3週は、14日にシンガポール金融通貨庁(MAS)が朝方、シンガポールドルの取引バンドを小幅拡大すると発表しました。これを受けてドル売りが強まり、ユーロ・ドルは一時1.41ドル台まで上昇しました。一方、ドル・円はドル売りの影響で一時1ドル=81円割れまで円高に振れました。

【ユーロ・ドルは堅調な見込みだが、高値警戒感も】
 ユーロ・ドルは、根強い米国の金融緩和観測から、7日に1ユーロ=1.40ドルに乗せた後、高値警戒感や節目達成感から利益確定の売りなどに押されて、1.40ドル付近でもみ合いが続きました。

 14日のシンガポールドルの取引バンド拡大(実質的な自国通貨切り上げ実施)で再びドル売り圧力が強まり、ユーロ・ドルは一段高となり、1.41ドル台に乗せました。ドル売りの背景にあるのが米国の金融緩和観測です。

 米国では、発表される経済指標にさえないものが多い上、12日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録で、金融追加緩和が「近く」必要となる可能性があるとの見方が示されたことで、ドルは売られやすい地合いとなっています。

 また、12日に欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーであるウェーバー・ドイツ連銀総裁が「ECBの債券買い入れプログラムは効果がなく、終了させるべきと」指摘しており、これはユーロ買いにつながる材料となりました。

 こうした状況から、ユーロ・ドルは1.42〜1.44ドルへ向けて、引き続き上昇基調で推移する可能性が高そうです。ただ、100日移動平均線からのかい離率は14日に9.5%前後まで上昇しています。この水準までかい離率が上昇することはあまりなく、高値警戒感から調整を迎える可能性もあります。

 また、米国では金融緩和観測がやや先走りしすぎている傾向があります。このため、金融緩和を見込んで買われた米長期国債が利益確定の売りに押されて下げに転じるようだと、米長期金利の上昇につながり、ドル安も一服して、ユーロ・ドルの上昇を抑える可能性も出てくるでしょう。

【ドル・円は80円割れまで円高進行か】
 ドル・円は、円売り介入への警戒感はあるものの、9月15日の円売り介入前の82.88円付近を超える水準まで円高が進んでも、再度の介入はないことから、介入警戒感がやや薄らいでいます。

 米国の金融緩和観測の根強さからドル売りの流れは続いており、ドル・円は円高に振れやすく、一段と円高が進む余地がありそうです。このため、ドル・円は上値重く、一時的に80円を割り込みそうです。その場合、1995年4月19日安値の79.75円を割り込む可能性も出てきそうです。

 ただ、80円割れまで円高が進むようなら、当局が円売り介入に動くことが見込まれ、そうなれば円高進行は食い止められることとなるでしょう。また、上述のように米国の長期金利低下が一服すると、円高進行も落ち着きを見せることとなりそうです。

【ボラティリティの低迷続くドル・円、クロス円】
 為替市場では、ドル・円やクロス円のマーケットのボラティリティ(変動率)が低下しています。ここではボラティリティを各通貨の日々の変動幅(高値−安値)と定義します。「デイトレード仕掛けにくい」「狙える値幅が小さくなった」といった声を耳にすることもあるかと思います。それは、実際に各通貨の1日の値幅が小さくなっていることが原因です。

 グラフは、ドル・円、ユーロ・円、ポンド・円のほかにポンド・ドルのボラティリティの推移です。グラフの数値は各通貨の1日の変動幅の20日間の移動平均です。これにより、各通貨のボラティリティの傾向を把握することができます。なお、変動幅の単位はティックで、1ティックはドル・円やクロス円は0.01円、ポンド・ドルは0.0001ドルです。

 グラフから、ドル・円とクロス円はボラティリティが低下していることを見て取ることができます。なお、ポンド・ドルは他通貨に比べてボラティリティが高いとは言えませんが、上限と下限の差が狭く、安定したボラティリティがあると判断できそうです。

 また、「高値−安値」のティック数を過去250日間で平均すると、ポンドは207(すなわち2.10円)、豪ドル・円は145、ドル・円は95、ポンド・ドルは166となっています。20日間ではポンド・円は122、豪ドル・円は88、ドル・円は71、ポンド・ドルは143に低下しています。1日の値幅が縮小していることで、デイトレードなどの短期売買を繰り返す投資家には値幅を狙いにくい状況となっています。



2010年10月18日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

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