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外為マーケットコラム

ドル・円はもみ合い、ユーロ・ドルは上昇基調が継続か

 11月第1週は、米連邦公開市場委員会(FOMC)での国債の追加買い入れの発表から、ユーロ・ドルは1ユーロ=1.42ドル台まで上昇しましたが、5日の米雇用統計が予想以上に良かったことでドルが買い戻されて1.40ドル台まで下落しました。ドル・円については、円高は一服したものの、依然として1ドル=80〜81円台での推移が続いています。

【ユーロ・ドルは上昇トレンド継続か】
 3日にFOMCの声明で2011年半ばまでに6,000億ドルの国債を追加で買い入れる方針を表明したことを受けて、ユーロ・ドルは、一時1ユーロ=1.42ドル台後半まで上昇しました。事前予想では5,000億ドルの国債買い入れを行うとの見方が広がっていました。

 米国債の買い入れ規模は月間で750億ドル、さらに保有国債の償還資金で月間350億ドルを買い入れる見通しです。今回の声明では、必要に応じて調整することを表明しており、景気動向を眺めつつ、機動的な金融政策の運営が実施されることとなりそうです。

 ユーロ・ドルは米雇用統計の良好な結果を受けて、一時的に上昇が足踏みしているものの、FOMCを受けての長期国債買い入れに伴う長期金利の低下により、これまでの堅調な流れを続けて1.43〜1.45ドルへ向けて上昇が見込まれます。

 ただ、米国の経済指標が好転する状況が続くようだと、金利低下が一服して、ドル買いが進むこともありそうです。また、10年物のアイルランド国債利回りとドイツ国債との利回り格差が、5日に一時553ベーシスポイントに達して、ユーロ導入以降で最大に拡大しており、ユーロ圏の財政問題に対する懸念が膨らむようだとユーロ・ドルの上昇に水を差すこととなるでしょう。

 5日に発表された米雇用統計では、失業率は9.6%で事前予想通りでしたが、非農業部門雇用者数は前月比15.1万人増と事前予想(6.0万人増)を大きく上回りました。また、民間部門雇用者数は同15.9万人増となり、こちらも事前予想(8.0万人増)を大きく上回りました。非農業部門雇用者数や民間部門雇用者数が予想を大きく上回ったことで、米長期金利の低下が一服して、ユーロの上昇ペースを鈍化させる可能性が出てきました。

【ドル・円はレンジ相場が続きそう】
 ドル・円は、1ドル=80〜81円台での推移が続いています。対ドルでは円買いの動きとなっても、ユーロ・円や豪ドル・円などのクロス円での円売りの動きに相殺されて動きにくくなっています。

 日銀は4〜5日の金融政策決定会合で政策金利を0〜0.1%に据え置きました。また、新型オペの供給額を現行の30兆円程度、資産買い入れ額を5兆円に据え置くことを決めました。市場の一部には追加金融緩和策を期待する向きもあり、失望感もあって発表後は小幅ながら円高に振れました。

 80円割れでは円売り介入への警戒感が高まり、82円超では輸出筋によるドル売りが見込まれることで、目先は80〜82円前後でのレンジ相場が続くこととなりそうです。ただ、一時的に円高が加速して80円を割り込み、1995年4月19日の79.75円を更新する可能性は残ります。

【ユーロ・ドルとユーロ圏長期金利の関係】
 通貨と金利差には密接な関係があることが多く、ドル・円は米国の10年物の長期金利との連動性が高くなっています。ユーロ・円はユーロ圏の10年物の金利や日本とユーロ圏の10年物の金利差や2年物の金利差などに影響を受けやすくなっています。

 ユーロ・ドルはユーロ圏と米国の金利差やユーロ圏の長期金利の動向に影響を受けやすくなっています。最近はユーロ・ドルはユーロ圏の2年物金利との連動性が極めて高くなっており、この2つについて見てみましょう。

 グラフはピンクがユーロ・ドル(右軸)、青がユーロ圏2年物金利(左軸)を表示しています。金利への反応の度合いが若干異なる時期もありますが、おおむね似たような動きを見せています。

 ほぼ同一歩調で推移していますが、金利が先行する場合もあれば、通貨が先行して動く時期もあります。ただ、「景気回復への期待→金利上昇(あるいは金利上昇期待)→通貨上昇」という連想が通貨高につながりやすくなります。

 現在、ユーロ圏の2年物金利は足踏み状態でやや頭打ちですが、ユーロ圏の景気回復の足取りが確固としたものとなり、一段と金利が上昇するようなら、ユーロ・ドルはさらに上昇する可能性が高まります。なお、ユーロ・ドルは年末に向けて上昇しやすい季節的傾向があることも念頭に置いておきたいものです。



2010年11月8日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

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