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外為マーケットコラム

ドル・円は85円へ向けて緩やかな円安か

 11月第4週は、ユーロ・ドルはアイルランドやポルトガルなどの財政懸念を背景に1ユーロ=1.32ドル台まで下落しています。ドル・円は、おおむね1ドル=83円台での推移となった後に84円台に乗せています。

【ユーロ圏の債務問題が引き続き圧迫要因】
 ユーロ・ドルはユーロ圏の債務問題が引き続き圧迫要因となりそうです。アイルランドは24日に債務危機への対応へ向けて、財政再建4カ年計画を発表しました。ただ、同国の経済成長見通しが楽観的過ぎるとの見方が広がり、市場へのインパクトは薄いものとなりました。

 また、28日には欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)は、アイルランドに対して850億ユーロ(1,150億ドル)の緊急支援を行うことで合意しました。ただ、市場の関心はポルトガルやスペインの動向へ移っています。ポルトガルだけでなく、ユーロ圏で第4位の国内総生産(GDP)となるスペインまで問題が波及すると、ユーロへ与える打撃は深刻なものとなりそうです。

 10年債の利回りはアイルランドが9%超、ポルトガルは7%近辺、スペインも5.1%まで上昇しています。これら3カ国とドイツ債との利回り格差は拡大傾向にあります。なお、救済が必要となる国が増えた場合、ドイツに対する負担増加への懸念もあり、ドイツ国債の利回りもじり高傾向にあります。

 米国の経済指標は強弱まちまちではあるものの、景気や個人消費の先行きに明るさを感じさせるものもあります。このため、米10年債利回りは2.80〜2.90%付近で推移しており、今後の経済指標次第では3.00%に乗せる可能性も出てきそうです。

 ユーロ圏の債務問題が尾を引き、米長期金利がじり高で推移することになれば、ユーロ・ドルは1ユーロ=1.30ドルへ向けて下落が続く可能性が高いとみられます。

【ドル・円は緩やかに上昇か】
 ドル・円は、83円台を中心に推移していましたが、26日には84円台に乗せてきました。ユーロ圏の債務問題に加えて、北朝鮮の砲撃による朝鮮半島情勢の緊迫化がドル買いにつながっており、ドル・円も緩やかに円安に傾いています。

 また、対ユーロでドル買いが進むと、ドル・円も円安に振れやすくなっています。今後は米国の経済指標の動向、ユーロ圏の債務問題、朝鮮半島情勢に左右されやすくなりそうです。また、円高が半年近くも続いてきたことから、これまでの反動から年末に向けて円安基調で推移する可能性が高いとみられ、85円へ向けて緩やかに円安が進むこととなりそうです。

 なお、12月第1週は週の後半に注目度の高い統計の発表が相次ぎます。ISM製造業景況指数(1日)、ADP雇用統計(1日)、欧州中央銀行(ECB)政策金利(2日)、ISM非製造業景況指数(3日)、米雇用統計(3日)などの発表があります。

 米経済指標に良好なものが相次ぐと、米長期金利の上昇から85円に乗せる可能性が高まりそうです。逆にさえない結果なら、82〜84円前後でのもみ合いが続くこととなるでしょう。

【円高局面は終了して、年末に向けて円安で推移か?】
 ドル・円は11月に入り、5月より始まった円高局面は一服しています。過去の季節性からすると、12月に入ると、一段と円安方向に振れそうです。ドル・円の季節的な動きを確認してみましょう。青は過去10年間、ピンクは過去5年間のドル・円の季節的な動きを指数化したグラフです(左軸)。緑は今年のドル・円の値動きです(右軸)。

 今年の値動きは7月や11月のように、過去の季節性とは異なる動きを見せる月もありました。ただ、年末にかけてドル・円は上昇しやすい傾向があり、最近の動きは過去のパターンを先取りして動いているようにも見えます。

 過去半年くらい円高局面が続いてきたこともあり、ひとたび逆の動きを始めると、値動きも大きなものとなるかもしれません。1995年4月の79.75円を更新するまで円高が進むとの見方も依然として残されていますが、年内は円安が進みやすいと判断されることから、85〜90円へ向けて円安が進行する可能性が高そうです。



2010年11月29日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

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