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外為マーケットコラム

ドル・円は緩やかな円安基調で推移か

【欧州の国債入札に注目】
 5日に米ADP雇用統計は民間部門の雇用者数が前月比29.7万人増となり、事前予想の同10万人増を大きく上回る結果となりました。また、同日に発表されたチャレンジャー人員削減数は前年比29.0%減と、2000年6月以来の低水準となりました。

 これらを受けて、米雇用情勢改善への期待感が高まり、株高、債券安(金利は上昇)、さらにはドル買いの動きが進みました。この結果、戻り歩調にあったユーロ・ドルは一転して下げに転じました。

 米ADP雇用統計以外の最近の米経済指標は良好なものが多くみられました。3日の米ISM製造業景況指数、4日の米製造業受注、5日の米ISM非製造業景況指数など、事前予想を上回る良好な統計が相次ぎました。このため、景気回復への期待感が広がり、株価もNYダウが5日に2年5カ月ぶりの水準まで上昇しました。良好な経済指標や堅調な米国株はドルの支援材料となっています。

 欧州に目を向けると、1月第2週にはポルトガル、イタリア、スペインの国債入札が相次ぎます。これらの国とのドイツ国債との利回り格差が拡大しており、欧州の債務不安が懸念材料として再び意識されています。欧州の財政不安は米国の良好な経済指標と合わせて、ユーロ・ドルには圧迫要因となりそうです。

 なお、7日の米雇用統計では、失業率は前月の9.8%から9.4%に改善しました。非農業部門雇用者数は前月比10.3万人増となり、事前予想の15万人増には届きませんでした。また、民間部門雇用者数も同11.3万人増となり、事前予想の17.5万人増を下回りました。

 米雇用統計の発表直後にはユーロ・ドルは乱高下しました。非農業部門雇用者数が事前予想に比べて少なかったことでドル売りが先行したものの、一方的にドル売りが続く動きとはならず、ユーロは1ユーロ=1.30ドル付近では上値が重くなりました。週明けの10日には、欧州の財政問題への懸念から、ユーロ・ドルは一時1.29ドル割れまで下落しました。今後は堅調な米経済指標が続くと1.30ドル割れが定着することとなり、ポルトガルやスペインの国債入札の結果次第では、1.25ドルへ向けて下落の可能性も出てきそうです。

【ドル・円はジリ高の展開か】
 ドル・円は、昨年末にかけて米長期金利の低下やリパトリエーション(輸出企業などが海外資産を売却し自国に資金を戻すこと)などを受けてジリ安で推移して、12月30日には81円割れの水準まで円高が進みました。

 ただ、年明け後は米国の経済指標に良好なものが相次いだことから、ドル買いの動きから83円台まで上昇しました。その後は、82〜83円台で推移しています。

 米雇用統計がややネガティブ・サプライズとなり、統計の発表直後にドル売りの動きから円高が進んだものの、それほど極端なものではありませんでした。ドル・円は、米国の経済指標や株価動向を眺めて、84〜85円へ向けて緩やかに上昇する展開となりそうです。ただ、欧州の財政問題の影響でユーロ・円がユーロ売り/円買いの動きから上値重く推移するようだと、ドル・円の上値を抑える一因となりそうです。

【円高・円安、今年はどっちだ?】
 2001〜2010年の10年間で、1年を通して円安で終わった年は、2001年、2005年、2006年、2009年の4回、円高で終わったのは2002〜2004年、2007〜2008年、2010年の6回あります。

 グラフでは過去の値動きを指数化したもので、2001〜2010年の平均が青、上記の円安の年だけを平均したものが赤、円高の年だけを平均したものが茶色となっています。いずれも0〜100の指数で表示しています。なお、2011年(緑)は実際の価格となり、右軸で表示しています(まだ年初から数日なので見にくいですが)。

 円高年と円安年では、9月中旬以降の年の後半の食い違いが顕著です。年の前半を見ると、円安で終わる年でも1月は円高に振れる局面を経た後に1月の下旬から3月下旬にかけて円安トレンドを描いています。円高で終わる年は1月は上値が重いながらもみ合いが続き、2月は後半にかけて円安に振れるものの、その後は高下を繰り返しながら円高に振れる傾向があります。

 今年は始まったばかりで、どちらの動きに近いかを判断するのは難しく、今後の値動き次第となります。2月は円高年・円安年のいずれのパターンでも円安に傾きやすいですが、3月に入っても円安傾向が続いているようなら、円安で終わる可能性が高まります。ただ、その場合も、年末まで一本調子で円安が続くようなことはありません。



2011年1月11日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

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