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外為マーケットコラム

ドル・円は緩やかな上昇か

 1月第3週は、欧州の債務問題への懸念後退でユーロ・ドルは1ユーロ=1.36ドル台に乗せました。一方、ドル・円は一時1ドル=82円を割り込みましたが、その後は82〜83円台での推移が続いています。

【欧州の財政問題に左右されやすい展開か】
 ユーロ・ドルは、欧州の財政不安が後退したこともあり、1ユーロ=1.36ドル台まで上昇してきました。19日のポルトガルの1年物国債の入札では、平均落札利回りが4.029%となり、前回(12月1日)の5.281%から大きく低下して、ユーロのセンチメントが大きく改善しました。

 また、ユーロ圏諸国が欧州金融安定ファシリティー(EFSF)を通じ、財政難に陥った加盟国の国債を買い取ることを検討していると報じられたことなどから、欧州の財政問題への懸念が後退しています。ただ、欧州の財政問題への対応で、ユーロ圏諸国の足並みが揃うかは不透明で、改善へ向けた具体策が打ち出されないようだと、ユーロは再び売り圧力に押されそうです。

 ユーロ・ドルは、目先は最近の堅調な流れを維持して、一段高となりそうです。1.37ドル前後までの上げの可能性がありますが、欧州の財政問題が蒸し返される可能性が高く、戻してもその水準がやっとで、その後は1.30ドルへ向けて再び下げに転じることとなりそうです。

【豪ドルは上値重く推移か】
 豪ドルは経済的な結びつきの強い中国株の動向や豪州の経済指標の動向を眺めながらの展開となりそうです。20日に中国国家統計局が発表した2010年第4四半期の国内総生産(GDP)伸び率は、前年比+9.8%(大方の事前予想は+9.4%)となりました。経済の過熱感から金融引き締めが警戒される内容となっています。

 上海株がインフレ懸念による追加金融引き締めへの警戒感などから一時4カ月ぶりの安値圏へ値を沈めました。豪ドルは上海株の動きに影響を受けやすく、豪ドル・円、豪ドル・米ドルともに上値を抑えられそうです。

 また、24日に発表された2010年第4四半期の生産者物価指数は、前期比0.1%上昇、前年同期比2.7%上昇となり、大方の事前予想の前期比0.5%上昇、前年同期比3.2%上昇を下回るなど、豪ドルには圧迫要因となっています。目先は豪ドルは上値重く推移して、豪ドル・円は80円、豪ドル・米ドルは0.9700ドルを試す展開となりそうです。

【ドル・円は緩やかな上昇か】
 ドル・円は82〜83円台を中心に一進一退の動きからやや軟化して、19日に一時82円を割り込みました。ただ、20日には良好な米経済指標や米長期金利の上昇からドル買いの動きとなり、ドル・円は83円台を回復しました。

 米国市場では、25日に米11月S&Pケースシラー住宅価格指数、26日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、27日に米12月耐久財受注、28日に米第4四半期国内総生産(GDP)・速報値が発表されます。米国の景気回復の堅調さを示すようなら、米国金利の上昇につながり、ドル・円は83円を固めて、84円前後まで上昇しそうです。

 なお、25日には日銀が政策金利を発表しますが、0.00〜0.10%に据え置く可能性が高く、予想通りなら目立ったインパクトはなさそうです。

【米大統領選挙サイクル3年目のNYダウの値動き】
 米国では来年、大統領選挙を迎えます。今年は前回の選挙から3年目にあたります。ここでは、米大統領選の前年のNYダウの動きを見てみましょう。青のグラフは、1983〜2007年の過去7回の大統領選前年の動きを0〜100で指数化したものです。ピンクは1980〜2010年の31年間の動きを指数化したものです(いずれも左軸)。緑は今年のNYダウの動きです(右軸)。

 このグラフによると、米大統領選の前年はNYダウは堅調な動きを見せる傾向があり、特に前半は上昇基調で推移しやすくなっています。今年は年初から堅調な動きを見せていますが、目先はどこかでいったん調整を迎える可能性があります。ただ、順調な景気回復が意識されて、その後は順調に上昇を見せることとなりそうです。過去のパターンからすると特に2月から7月にかけては上昇基調が顕著なものとなりそうです。

 裏を返すと、それだけ順調に景気回復が進むことなり、そうなれば米長期金利も上昇して、ドルには支援材料となりそうです。欧州の財政問題や米国の経済指標や長期金利とともにNYダウの動向も注目されます。



2011年01月24日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

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