FX・為替比較はALL外為比較

  • FX会社を探す
  • FXの基礎知識
  • Q&A
  • 外国為替マーケット予想

ALL外為比較 > 外為マーケットコラム > ドル・円はもみ合い、ユーロ・ドルは上値重く推移か

外為マーケットコラム

ドル・円はもみ合い、ユーロ・ドルは上値重く推移か

【ECBによる早期の利上げ観測が後退】
 ユーロ圏の1月の消費者物価指数(CPI)の上昇などを背景に欧州中央銀行(ECB)がインフレ警戒姿勢を強め、ECBによる利上げ観測が台頭しました。その結果、ユーロ・ドルは2日には一時1ユーロ=1.38ドル台後半まで上昇しました。その後、ECBによる早期の利上げ観測の後退や良好な米経済指標の影響でユーロ・ドルは下げに転じています。

 また、エジプト情勢の緊迫化がユーロの圧迫要因となりました。1月28日にエジプトで起きた大規模な反政府デモの影響で、リスク回避の動きから米国株が急落、ドル買いの動きからユーロ・ドルは大幅安、米長期債が買われて金利は低下、金は資金の逃避先(セーフヘイブン)として買われて急伸しました。

 1日にはエジプトのムバラク大統領は9月の大統領選に不出馬を表明しました。ただ、その後も市民は抗議デモで大統領の即時辞職を求めて激しく反発しており、大統領派と反体制派の衝突が起きています。エジプト情勢は懸念されるものの、金融市場に与える影響は低下しつつあり、パニック的なリスク回避の動きを呼び起こすことはなさそうです。

 3日のECB理事会後の記者会見でトリシェ総裁がインフレ期待は引き続き「しっかりと抑制されている」との見方を示したことを受け、早期の利上げ観測が後退して、ユーロは下落しました。これまでユーロの上昇を牽引してきた利上げ観測が後退したことで、ユーロは上値の重い展開を強いられそうです。

 なお、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)はユーロ圏の金融市場安定のため各国政府から直接、国債を買い入れることを可能にするとの観測が出ています。ユーロ圏諸国では、3月までに包括的な危機対応策の合意を目指しており、何らかの進展があれば、欧州の財政懸念は一段と後退することとなりそうで、今後の動向が注目されます。

 ユーロ・ドルは、ECBによる早期の利上げ観測の後退、米経済指標の好調による米長期金利の上昇から、1ユーロ=1.35ドルを割り込み、軟調な推移となりそうです。欧州の財政不安が再燃するようだとさらに下落の可能性もありますが、EFSFの役割を強化する見通しが立てば、1.30ドルまで下げることはないでしょう。

【豪ドルはセンチメントが好転、堅調に推移か】
 エジプト情勢への懸念がやや和らぎ、リスク回避の動きが後退したことや、オーストラリア準備銀行(RBA)は1日に政策金利を4.75%に据え置いたものの、年半ばに利上げを再開するとの見方から豪ドルは下げ止まり、上昇に転じています。

 また、3日に発表された豪貿易収支や住宅着工許可件数も予想を上回っており、4日にはRBAが2011年の豪州の国内総生産(GDP)伸び率の予想を3.75%から4.25%に上方修正したことなども豪ドルの支援材料となっています。

 エジプト情勢の緊迫化によって、スエズ運河を航行する原油タンカーへの影響が懸念され、ニューヨーク原油は90ドル近辺で推移しています。エジプト情勢の金融市場への影響は薄らぎつつあるものの、商品市場にはまだ影響を及ぼしそうです。

 商品市場が上昇した場合、資源国である豪州にはプラスに働くため、豪ドルには支援材料となる可能性が高いとみられます。1日に豪ドル・米ドルは1豪ドル=1.0000ドルを突破するなど急伸しました。その後の上昇でセンチメントが好転したことや、経済指標も良好なことで豪ドル・米ドル、豪ドル・円ともに一段高となりそうな状況です。

【為替の1月効果】
 前週はNYダウやS&P500、日経、ドル・円について1月の月足が陽線だった場合、年足も陽線になりやすいか、1月の月足が陰線だった場合は、年足は陰線になりやすいかといったことを銘柄別に確認しました。今回はドル・円以外の通貨について確認していきます。

 まず、グラフをご覧下さい。グラフは1990〜2010年の21年間で、1月が陽線だった場合、年足でも陽線になる確率と、1月が陰線だった場合、年足でも陰線となる確率を示したものです。なお、ユーロ・円とユーロ・ドルは1999〜2010年の12年間となります。

 1月が陰線で引けたのは、豪ドル・円、豪ドル・米ドル、ドル建て金となります。年足が陰線となる確率は豪ドル・円が77.8%、豪ドル・米ドルが66.7%と高めです。ただ、金は30.0%と逆に陽線になりやすくなります。

 これらから判断すると、豪ドル・円、豪ドル・米ドルは統計上、年足では上値は重くなるものの、他銘柄は年足は陽線で引ける可能性が高くなります。年足での陽線確率が高い銘柄は、一時的に崩れても年始の寄り付き価格を回復する可能性が高く、その水準では押し目買いのチャンスになると言えそうです。



2011年02月7日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

 オーバルネクストは、国内外の先物取引や為替情報に関する各種のニュースやデータを配信、またこれらの情報に伴うシステム開発を行っております。スピードと正確性に富むニュースやデータの配信に加え、オーバルネクスト独自の情報分析を含む各種コンテンツを一般投資家や各種ブローカーの皆様へ幅広く提供しています。
詳しくはこちらをご覧ください

コラム一覧へ戻る

当社は「ALL外為比較」に掲載される情報(以下「掲載情報」といいます。)の完全性および正確性を保証いたしません。

また掲載情報は、将来における結果を示唆するものではありません。

したがいまして、お客様において掲載情報に基づいて行動を起こされた場合でも、当社はその行動結果について何らの責任も負担いたしません。

掲載情報に基づく行動は、お客様の責任と判断によりお願いいたします。掲載情報は、金融商品の売買等の勧誘を意図したり、推奨するものではありません。

お客様において掲載情報に含まれる金融商品の売買等の申込等をご希望される場合には、その掲載情報に記載の金融機関までお客様ご自身でお問い合わせください。

当社はお問い合わせに関し対応いたしかねます。

掲載情報のうち「外為マーケットコラム」等に関しましては、著作権法等の法律により保護されており、

個人の方の私的使用目的以外での使用や権利者に無断での他人への譲渡、販売コピーは認められていません。