FX・為替比較はALL外為比較

  • FX会社を探す
  • FXの基礎知識
  • Q&A
  • 外国為替マーケット予想

ALL外為比較 > 外為マーケットコラム > ドル・円はレンジ相場、ユーロ・ドルは上値重く推移か

外為マーケットコラム

ドル・円はレンジ相場、ユーロ・ドルは上値重く推移か

【欧州の財政懸念が再燃か】
 欧州中央銀行(ECB)による利上げ観測は後退したものの、エジプト情勢がやや落ち着きを見せたことで、米国を中心とする世界的な景気回復への期待感から、一時市場のリスク志向は高まりました。このため、ユーロ・ドルは7日に一時1ユーロ=1.35ドル前後まで売られたものの、その後は上昇に転じました。

 ただ、ポルトガルの国債利回りが過去最高水準まで上昇して高止まりするなど、欧州の財政問題への懸念が再燃する兆しが出てきました。米国の景気回復や株高を受けて、米長期金利が上昇傾向にあることもユーロには圧迫要因となっています。このため、ユーロの戻り歩調は腰砕けとなり、下値を探る展開となっています。

 ポルトガルの問題が再燃するまで、米国の株高や長期金利が上昇しても、ドル買いに動くよりも、リスク志向の高まりでユーロや高金利通貨が買われやすい地合いとなっていましたが、ここへ来てユーロの戻り歩調は失速しました。

 14日に開催されるユーロ圏財務相会合では、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の強化策が議論される見通しです。ただ、どこまで具体策が出てくるかは不透明で、今後の動向が注目されます。

 エジプトのムバラク大統領の辞任発表で、エジプト情勢が落ち着くと投資家のリスク志向が高まる可能性があるものの、欧州の財政懸念が再び中心的な材料となるようだと、ユーロ・ドルは1.35ドル割れが定着して下値を探る展開となりそうです。

【豪ドルは堅調に推移か】
 豪ドルはこのところ上昇が一服しています。上昇が続いたことで利益確定の売りが出やすかったことや、中国の利上げなどが圧迫要因となっています。また、10日に発表された豪雇用統計では、雇用者数は前月比2.4万人増と事前予想(1.5万人増)を上回ったものの、常勤雇用者数が同0.8万人減となったことも圧迫要因となりました。

 中国は8日に昨年10月以降、3回目となる利上げを実施しました。良好な経済成長は続くものの、景気の過熱感やインフレを抑制するために今後も利上げが実施される見通しであり、上海株など中国株には圧迫要因となりそうです。

 中国と経済的結びつきの強い豪州では、中国の株価が上値重く推移すれば豪ドルには圧迫要因となる可能性も出てきます。ただ、現時点では銅やアルミなど非鉄金属は依然として高値圏にあり、コモディティの代表的な指数であるCRB指数も上昇基調にあります。過去の中国の利上げでもこれらの価格はあまり大きな影響を受けておらず、今後も資源価格の上昇が続けば、豪ドルには支援材料となるでしょう。

 豪ドル・米ドル、豪ドル・円ともに上げ一服となって、やや足踏みしているものの、同国の景気回復や金利の先高観から、一時的に下げても再び上昇に転じる可能性が高そうです。

【ドル・円は引き続き82〜84円台での推移か】
 エジプト情勢が落ち着きつつあることや、米国の経済指標は良好なものが多いことから、米10年債利回りは一時3.70%を超えました。米長期金利の上昇もあり、ドル・円は緩やかに上昇しつつあります。

 今後注目される米経済指標には、15日に米1月小売売上高、16日に米1月住宅着工件数・建設許可件数、米1月生産者物価指数、米1月鉱工業生産・設備稼働率、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨、17日に米1月消費者物価指数などがあります。

 米経済指標は引き続き好調が見込まれ、米長期金利もじり高で推移するとみられますが、引き続き対円でのドル買いは緩やかなものとなりそうです。このため、ドル・円は82〜84円台を中心とした動きとなりそうです。

【ユーロ・ドルの大口投機玉の買い越しが減少】
 米商品先物取引委員会(CFTC)は現地時間の毎週金曜日にその週の火曜日時点での建玉明細を発表しています。この中で、大口投機家の売り越し幅、買い越し幅の変動は特に注目されています。

 銘柄にもよりますが、大口投機玉と相場の方向は連動性が高いケースが多くみられます。グラフはユーロ・ドルの大口投機玉の建玉明細のグラフで、水色はユーロ・ドルの終値(これのみ左軸)、緑は買い玉、ピンクは売り玉、赤は買い玉から売り玉を差し引いたネットポジションです。赤のグラフがゼロより下にあるときは大口投機玉は売り越し、赤がゼロより上なら買い越しとなります。

 水色の価格と赤のネットポジションは連動性が高いことが見て取れます。1月中旬以降のユーロ・ドルの上昇局面では、買い玉が増加する一方で、売り玉が減少しており、ネットでは買い越しが大きく増加しました。それだけ投機筋による先高期待が根強かったことを示しています。

 買い越し枚数は2月8日時点では34,734枚となり、前週(2月1日時点)の39,934枚と比べて減少しました。過去の例では買い越し幅が5万枚付近に達すると過熱感から相場が調整するケースが見受けられます。今回は5万枚には達していませんが、1月の買い越し枚数の増加ペースがあまりに急であり、過熱感が台頭しつつありました。最近のユーロ・ドルは調整局面に入ったことで、先高期待がやや後退して買い越しが減少に転じたようです。



2011年02月14日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

 オーバルネクストは、国内外の先物取引や為替情報に関する各種のニュースやデータを配信、またこれらの情報に伴うシステム開発を行っております。スピードと正確性に富むニュースやデータの配信に加え、オーバルネクスト独自の情報分析を含む各種コンテンツを一般投資家や各種ブローカーの皆様へ幅広く提供しています。
詳しくはこちらをご覧ください

コラム一覧へ戻る

当社は「ALL外為比較」に掲載される情報(以下「掲載情報」といいます。)の完全性および正確性を保証いたしません。

また掲載情報は、将来における結果を示唆するものではありません。

したがいまして、お客様において掲載情報に基づいて行動を起こされた場合でも、当社はその行動結果について何らの責任も負担いたしません。

掲載情報に基づく行動は、お客様の責任と判断によりお願いいたします。掲載情報は、金融商品の売買等の勧誘を意図したり、推奨するものではありません。

お客様において掲載情報に含まれる金融商品の売買等の申込等をご希望される場合には、その掲載情報に記載の金融機関までお客様ご自身でお問い合わせください。

当社はお問い合わせに関し対応いたしかねます。

掲載情報のうち「外為マーケットコラム」等に関しましては、著作権法等の法律により保護されており、

個人の方の私的使用目的以外での使用や権利者に無断での他人への譲渡、販売コピーは認められていません。