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外為マーケットコラム

ドル・円は80円割れも、ユーロ・ドルは1.40ドル乗せを視野

【リビアの混迷で原油が急伸】
 リビア情勢の緊迫化など中東・北アフリカ情勢の悪化を背景に金融やコモディティ市場などへ大きな影響が出ています。ドル建ての金は1,400ドル台まで上昇、ニューヨーク原油は急伸しており、24日には一時103ドル台に乗せました。

 日米欧の各国では原油高が景気回復に与える影響を懸念して、株価が高値から調整しています。為替市場では、安全資産へ資金が向かう動きから、スイスフランや円が買われています。また、米国債も買われており、米長期金利の低下から「有事のドル買い」につながりにくくなっています。

 22日に欧州中央銀行(ECB)理事会のメンバーであるメルシュ・ルクセンブルク中銀総裁が、ECBはインフレに関する文言を強める可能性があるとの見解を示しました。このところ、ECBの当局者よりインフレ警戒と利上げに関する発言が相次いでおり、利上げ期待が膨らみつつあります。

 また、23日に公表された2月9〜10日の英金融政策委員会の議事録では、センタンス委員とウィール委員に加え、デール委員も利上げを主張に加わりました。8名のうち3名が利上げ主張に回っており、英国でも早期利上げ観測が台頭しつつあります。

 欧州ではポルトガルの10年債利回りが7.3〜7.5%の高水準に高止まりするなど欧州の財政懸念は払しょくされたわけではありませんが、ECBによる利上げ期待を背景にユーロ・ドルは堅調な流れを続けています。

 リビア情勢の混迷が続くようだと、安全資産とされる米国債へ資金がシフトして米長期金利が低下、ユーロ・ドルは1ユーロ=1.40ドルへ向けて上昇を続けることとなりそうです。なお、3日には欧州中央銀行(ECB)政策金利発表があり、その後のトリシェECB総裁記者会見で強気な発言が出るようだと、ユーロ高をサポートすることとなるでしょう。

【リスク回避の円買い続くと80円割れも】
 リビア情勢の緊迫化や中東での混乱を背景に、安全資産としてスイスフランとともに円は買われやすくなっています。米長期金利が低下していることも円買いにつながる一因となっています。

 リビアでの混乱が続くと、原油が一段高となり、これが各国の景気回復へ悪影響を与える可能性が高まり、各国で株が売られやすくなります。特に順調に上昇を続けてきた米国株が調整が続けば、資金は米国債に向かいやすくなり、米長期金利は一段と低下して、ドル・円が円高に振れる要因となります。このため、混乱が長引くようだと、ドル・円は1ドル=80円割れへ向けて一段と下落する展開となりそうです。

 ただ、中東での混乱が収束に向かえば、米経済指標を中心に景気動向に左右される展開に戻りそうです。なお、目先は米国で注目度の高い経済指標の発表が相次ぎます。28日には米個人所得・個人支出、米シカゴ購買部協会景気指数、1日は米ISM製造業景況指数、2日は米ADP雇用統計、ベージュブック(米地区連銀経済報告)、3日は米ISM非製造業景況指数、4日は米雇用統計の発表があります。

 リビアでの混乱が収束に向かうといった条件付きですが、米経済指標が良好なら米長期金利は再び上昇に向かい、ドル・円は切り返して84〜85円へ向けて円安に傾くこととなるでしょう。ただ、短期的にはこの可能性は低いです。

【ポルトガルの利回りと国債償還に注目】
 ポルトガルの10年債利回りは、ユーロ導入後の最高水準に達しており、18日には7.5%台まで上昇しました。その後も7.5%前後に高止まりしており、これを見る限り、市場のポルトガルの財政状況に対する懸念が後退したわけではありません。

 同国は4月と6月に合計で約95億ユーロの国債償還を控えており、このための資金調達ができるかどうかが懸念されており、欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)に対して金融支援を要請するとの見方も根強いです。なお、ポルトガルのドスサントス財務相は4月と6月の国債償還のうち「3分の2は資金の手当てができた」と述べており、本当に市場からの資金調達が問題なくできれば、同国の債務問題への懸念も後退することとなりそうです。

 グラフはアイルランド、ポルトガル、スペインの10年債の利回りとドイツ債の利回りの差を時系列に表示したものです。利回りの差はリスク・プレミアムと見ることができ、いずれも高止まりした状況が続いてます。利回り格差を見る限り、市場のポルトガルへの懸念は後退したとは言えないようです。

 ユーロ・ドルは欧州中央銀行(ECB)による利上げ期待や米長期金利の低下によるドル売りの動きから上昇基調で推移してきました。リビア情勢の緊迫化で、欧州の財政懸念はあまり材料視されない状況が続いていますが、ポルトガルの国債償還やユーロ圏での財政問題は再びユーロ・ドルの上値を抑える要因として意識される可能性が出てきます。



2011年02月28日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

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