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外為マーケットコラム

ドル・円は荒れた動き、ユーロ・ドルは方向性を探る動き

【欧州の債務問題再燃か】
 3日の欧州中央銀行(ECB)理事会後の記者会見で、トリシェ総裁はインフレ率の上昇へ「強い警戒」を示したことで、4月にも利上げされるとの観測が高まりました。

 ECBによる利上げ観測から、ユーロ・ドルは1ユーロ=1.40ドル超まで上昇してきたものの、7日以降、欧州の債務問題が再燃して下げに転じました。格付け会社ムーディーズは、7日にギリシャの格付けを3段階引き下げ、9日にはギリシャの6銀行の格付けを引き下げました。

 この影響でギリシャの10年債利回りは13.0%前後まで上昇しています。また、ムーディーズは10日にスペインを格下げしており、ユーロ・ドルは一時1.38ドル割れまで下落しました。ただ、11日にユーロ圏首脳会議で財政赤字の削減や財政・経済政策の新たな協調策について合意したと報じられたことや、ポルトガルが財政赤字削減に向けて追加の歳出削減措置を発表から下げ止まっています。

 なお、ポルトガルの10年債利回りは8日に7.6%台まで上昇して、ユーロ導入後の最高水準に達しました。その後も7.5%近辺の高水準で推移しています。市場関係者の間では、ポルトガルは欧州連合(EU)へ支援要請は避けられないとの見方が高まっています。

 24〜25日に欧州連合(EU)首脳会議が開催されます。この会議で財政危機に対応するための包括的対応策の合意を目指していると伝えられています。そこでは欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の規模の拡充や機能強化、銀行のストレステスト(健全性審査)、2013年創設予定の「欧州安定メカニズム」などについて検討される見通しです。財政懸念払しょくにつながる対策がまとまるかが注目されます。

 ユーロ・ドルは、EFSFの機能強化策などが打ち出されるかどうかといった点が注目され、欧州の財政懸念が払拭されるかどうかを眺めながらの推移となり、1ユーロ=1.37〜1.40ドルで方向性を探る展開が続きそうです。

【ドル・円は一段の円高懸念も】
 前週は、ニューヨーク原油の上昇が一服したことなどから、リスク回避姿勢が後退して、ドル・円は緩やかに上昇して、1ドル=83円台まで上昇しました。

 ただ、11日に発生した東北・関東大震災の影響で様相が一変しました。日本の機関投資家などが外貨建て海外資産の本国への送金(リパトリエーション)を進めるとの思惑から円買い・ドル売りが進みました。その流れを引き継ぎ、週明けの14日には一時1ドル=80.62円まで円高が進みました。その後、政府・日銀による円売り介入への警戒感や日銀による過去最大となる7兆円の即日資金供給を受けて、82円台まで上昇しています。

 ドル・円は大震災の影響などにより、1ドル=80〜84円前後での荒れた動きが見込まれます。なお、日銀は上記の7兆円に加えて、5兆円の資金を即日市場に追加供給すると発表しており、金融市場安定化へ向けた日銀の姿勢を示しています。また、円高が進行するようであれば、政府・日銀が円売り介入に動くと見込まれ、80円を割り込むような円高はなさそうです。

【雇用情勢改善なら米国株の調整は一時的なものに】
 米国では雇用関連指標が改善に向かっています。4日の2月の米雇用統計では、失業率は8.9%と、前月の9.0%から低下(事前予想は9.1%)。また、非農業部門雇用者数は19.2万人の増加(事前予想は19.6万人の増加)、民間部門雇用者数は22.2万人の増加(事前予想は20.0万人の増加)となりました。また、米新規失業保険申請件数は、このところ40万件を割り込む水準まで低下しています。

 グラフは、米新規失業保険申請件数とNYダウの関係を示したものです。ピンクが米新規失業保険申請件数(左軸)で上下を逆にしてあります。青がNYダウを示しています(右軸)。このグラフを見る限り、両者は非常に関連性が強いと言えます。サブプライム危機やリーマンショックでの株価下落と失業保険申請者数の増加はほぼ同一歩調で推移して、その後の景気の持ち直しと株価回復局面では失業保険申請者数は減少傾向にあります。

 10日に発表された米新規失業保険申請件数は、3週連続で40万件を割り込んだものの、前週比2.6万件増の39.7万件と増加しました。これに加えて、サウジアラビアでのデモ隊と警官隊の衝突、中国の貿易収支の赤字、スペインの格下げなども圧迫要因となり、10日のNYダウは200ドル超の大幅安となり、1万2,000ドルの節目を割り込みました。中東・北アフリカ情勢は予断を許さないものの、米国での雇用情勢の改善が続けば、米国株の調整は一時的なものにとどまりそうです。



2011年3月14日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

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