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外為マーケットコラム

ドル・円は協調介入を受けてじり高か

【ドル・円は介入警戒感で緩やかな円安か】
 11日に発生した東日本大震災は、死者・行方不明者が2万人を超える大惨事となりました。日本経済への深刻な影響が懸念されることから一時株価が急落して、15日に日経平均は一時8,200円台まで下落して、さらにリスク回避の動きから円が買われることとなりました。

 また、福島第一原子力発電所では、原子炉でのトラブルが発生しており、これも株安に拍車をかけました。原発でのトラブルは日本だけでなく、各国の株式市場にとっても圧迫要因となりました。ただ、17日以降の欧米株式市場は上昇に転じており、やや落ち着きを取り戻しています。

 ドル・円は、17日の早朝には1ドル=76.25円まで円高が進んで、1995年4月19日の安値79.95円を割り込み、史上最安値を更新しました。その後は急速なリバウンドで79円台まで値を戻した。さらに18日は午前9時より主要7カ国(G7)が協調介入を実施して、一気に1ドル=81円台まで上昇しました。その後は戻り売り圧力と介入警戒感が交錯して一進一退の動きを続けています。

 1995年1月の阪神・淡路大震災のときは、ドル・円は1ドル=100円付近から4月には80円割れまで円高が進みましたが、その後、9月には100円を回復するまで円安に振れています。さらにその後は長期の円安トレンドが続いて、1998年8月には140円台まで円安が進むこととなりました。今回は日本経済への支援のため、断続的に円売り介入が実施される可能性が高く、80円を割り込むような円高が長期間続くことはないとみられます。

 目先は、円売り介入もあり、円安方向に動きやすくなりそうです。このため、ドル・円は1ドル=80〜85円前後で緩やかに円安が進みそうです。ただ、原発事故の報道に一喜一憂して、乱高下する可能性もあります。ユーロ・円も円安方向に進みやすく、1ユーロ=112〜120円前後での推移しそうです。

【ユーロ・ドルは堅調な推移か】
 円売り介入により、ドル・円、ユーロ・円を含むクロス円はやや円安方向へ動きやすくなりそうです。野田財務相は協調介入について、「介入対象通貨は基本的にドル/円だが、欧州中央銀行(ECB)はユーロで実施の可能性もある」と述べており、ユーロも堅調に推移することが見込まれます。

 また、ECBのトリシェ総裁は、21日の議会証言で4月の利上げを示唆しており、ユーロ・ドルは上昇基調が続いており、ユーロ・ドルは1ユーロ=1.38〜1.44ドルで徐々に上値を追う展開となりそうです。

 なお、欧州の財政懸念は完全に払拭されたわけではありません。ポルトガルの10年国債の利回りは7.5%前後と高水準で推移しており、ポルトガル、ギリシャ、アイルランド、スペインなどの財政問題がクローズアップされるようなら、ユーロ・ドルには圧迫要因となりそうです。

 24〜25日に欧州連合(EU)首脳会議が開催されます。ここで財政危機への包括的な対応策が協議される予定であり、何らかの具体策や解決への道筋が示されれば、ユーロ・ドルの堅調な推移は続くこととなるでしょう。

【ポルトガルなどの利回りに注目】
 欧州の財政不安に対する懸念はあまり目立って材料視されていません。日本の東日本大震災や福島第一原子力発電所での原子炉のトラブルなどの大事件があり、陰に隠れてしまった感があります。また、ECBによる利上げ期待がユーロの支援材料となっています。

 グラフは、ギリシャ、アイルランド、ポルトガル、スペイン、イタリア、ドイツの10年債利回りを示しています。ポルトガルの10年債利回りは、2月の中旬に7.4%付近へ上昇した後、7.3〜7.6%近辺で高止まりしています。7日に格付け会社ムーディーズはギリシャの格付けを3段階引き下げたこともあり、同国の10年債利回りは12%台で推移しています。また、アイルランドの利回りは9.5%前後まで上昇しています。

 いずれも高止まりして、下げに転じる気配がありません。市場であまり材料視はされていないものの、財政上の懸念が去ったわけではないと考えておくべきでしょう。

 24〜25日に欧州連合(EU)首脳会議が開催されます。この会議で財政危機に対応するための包括的対応策の合意を目指していると伝えられています。欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の規模の拡充や機能強化など、財政危機への具体策が出てくるようなら、財政危機への懸念は払しょくされ、ユーロには支援材料となりそうです。ただ、具体策への合意ができなければ、財政懸念はユーロにとって、事あるごとに圧迫要因となりそうです。



2011年3月22日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

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