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外為マーケットコラム

ドル・円はこう着状態が続きそう

【ドル・円はこう着、動きにくい展開】
 ドル・円は、17日の早朝には1ドル=76.25円まで円高が進んだものの、18日は午前9時より主要7カ国(G7)が協調介入を実施して、一気に1ドル=81円台まで上昇しました。

 その後は80〜81円台でのこう着状態が続いています。円売り介入への警戒感もあって、80円割れまでの円高は進みにくいとみられます。ただ、福島の原発や中東・北アフリカ情勢への懸念もあって、リスクへの警戒感から円安も進みにくい状況にあります。

 こうした状況からドル・円は80〜82円前後で動きにくい展開が続きそうです。仮に円高に振れても、80円割れでは円売り介入が見込まれ、円高が一方的に進行することはないでしょう。原発への懸念もあり、大きく円安に振れることも考えにくい状況です。

 3月の最終週は、注目度の高い統計が発表されます。30日は米3月ADP雇用統計、31日はユーロ圏3月消費者物価指数(CPI)、1日は米3月雇用統計、米3月ISM製造業景況指数。米国の経済統計が良好なら、景気回復が順調なことが確認でき、ドル買いの動きにつながりそうです。ただ、日本の原発が落ち着きを見せない限り、ドル・円の上げ幅は限定的でしょう。

【ユーロ・ドルは利上げ期待と財政懸念のせめぎ合い】
 ユーロ・ドルは、欧州中央銀行(ECB)が4月にも利上げとの見方から、一時1ユーロ=1.42ドル台半ばまで上昇しました。ポルトガルやアイルランドの財政懸念や米国の利上げ観測を背景に上値を抑えられましたが、大きく崩れるには至っていません。

 ポルトガルでは、23日に同国が国際的な救済を回避する目的で策定された緊縮財政策が否決され、ソクラテス首相は辞表を提出しました。同国の10年債利回りは7.8%超まで推移しており、今後の大量の国債償還のための資金調達が難しくなる可能性が高まっています。

 こうした動きを受けて、格付け会社フィッチ・レーティングスは24日にポルトガルの格付けを2段階引き下げました。なお、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズもポルトガルのソブリン格付けを引き下げています。

 ポルトガルは4月と6月に合計で約90億ユーロの国債償還を迎えますが、4月の国債償還前に欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)へ支援要請をせざるを得ない状況に追い込まれそうです。同国の財政問題に一応のめどが立つまでは欧州の債務問題がユーロ・ドルには圧迫要因となるでしょう。

 なお、トリシェ総裁はECBによる早期の利上げを示唆していますが、他のECB当局者からも利上げを示唆する発言が相次いでいます。ビニ・スマギECB専務理事やECB理事会メンバーであるマクチ・スロバキア中銀総裁、リプストク・エストニア中銀総裁が利上げ示唆のコメントを出しています。

 これはECBによる「4月利上げ」の一種のリークとみられ、ユーロ高を演出したいECBの意向がうかがえます。背景には原油、食料などの上昇によるインフレ圧力の高まりがあり、特に原油高による一段のインフレ進行を懸念しています。利上げ観測によるユーロ高のへの誘導で、インフレ圧力を和らげたいとの思惑がありそうです。

 ユーロ・ドルはECBによる利上げ観測が支援材料となるものの、ポルトガルなどの財政問題や米国の利上げ観測が圧迫要因となり、強弱材料が交錯する中、じり高で推移しそうです。上値のメドは昨年11月4日の1ユーロ=1.4282ドル前後、あるいは1.43ドル付近でしょう。財政問題の解決への道筋が見えれば、さらに上昇する可能性もありますが、そうでなければ、1.43ドル前後まで上げると、目標達成感もあり、上げ一服となりそうです。

【英国でも利上げ観測高まる】
 インフレ懸念を受けて、欧州中央銀行(ECB)は4月にでも利上げするとの観測が高まっていますが、英国でも消費者物価指数(CPI)の上昇を背景に早期の利上げ観測が高まっています。

 英国の消費者物価指数は1月が前年比+4.0%、2月は同+4.4%となっています。2月の水準は2008年10月以来、2年4カ月ぶりの高い水準です。最近の消費者物価指数の水準は英中銀の目標(2.0%)の2倍以上の水準に達しており、これが利上げ観測の根拠となっています。

 いずれも高止まりして、下げに転じる気配がありません。市場であまり材料視はされていないものの、財政上の懸念が去ったわけではないと考えておくべきでしょう。

 2月の英中銀金融政策委員会の議事録によると、6対3で利上げが見送られたものの、センタンス、ウィール委員に加えて、デール委員も利上げを主張しました。前月には2名だった利上げ主張の委員が増えたわけです。ただ、3月23日に発表された3月の金融政策委員会の議事録でも利上げ主張は3名で、前月から変化がみられなかったこともあり、失望感もあってポンド・ドルは下げに転じました。

 4月27日には今年第1四半期のGDPが発表されます。ここで英国の景気動向がしっかりしたものであることが確認できれば、5月4〜5日で利上げを決定する可能性が高まりそうです。ただ、景気の伸び悩みが続くようなら利上げは先送りされることとなるでしょう。



2011年3月28日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

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