FX・為替比較はALL外為比較

  • FX会社を探す
  • FXの基礎知識
  • Q&A
  • 外国為替マーケット予想

ALL外為比較 > 外為マーケットコラム > ドル・円は緩やかな円安基調で推移か

外為マーケットコラム

ドル・円は緩やかな円安基調で推移か

【ドル・円は米金融緩和正常化への思惑からやや円安に傾きそう】
 複数の米連邦準備理事会(FRB)当局者による量的緩和策の早期終了による金融緩和正常化へ向けた発言から、米長期金利が上昇しており、ドル・円は上昇しています。1日には良好な米雇用統計を受けて、一時1ドル=84円台後半まで上昇しました。

 米フィラデルフィア地区連銀のプロッサー総裁はインフレを防ぐために早期の利上げに言及しており、米セントルイス地区連銀のブラード総裁は6,000億ドルの国債買い入れは、1,000億ドル程度縮小が可能との見解を示しました。米カンザスシティー地区連銀のホーニグ総裁は政策金利の引き上げやバランスシートを縮小するべきとの見解を示しています。

 さらに米リッチモンド連銀のラッカー総裁が講演で、FRBの米国債購入の見直しについて言及、米ミネアポリス連銀のコチャラコタ総裁は米ウォール・ストリート・ジャーナル紙とのインタビューで「2011年後半に0.75%の利上げが必要になりそう」と述べています。景気回復が見込まれる中での金融緩和策から「出口戦略」への具体的なコメントだっただけに市場では、米国金利の上昇やドル高につながりました。

 ただ、必ずしも米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーの中では、金融緩和打ち切り、および金融引き締めへの転換のコンセンサスができているわけではありません。米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキFRB議長、イエレン副議長は量的緩和策の打ち切りに関しての発言はありません。また、1日にニューヨーク連銀のダドリー総裁は、国債買い入れプログラムを完全に実施しなかった場合は驚きに値すると述べており、早期の金融緩和正常化に対して否定的な見解を示しています。

 このため、量的緩和策は6月まで継続するかどうかはともかく、当面は継続され、目先は10年債利回りが4%に達するような極端な利回りの上昇はないでしょう。

 なお、欧州中央銀行(ECB)では4月の利上げが確実視されており、米国でも利上げを主張するタカ派発言に反応しやすくなっているようです。また、日本の原発への懸念でリスク回避の動きから米国債が買われて(利回りは低下)、16日には10年債利回りが3.20%割れまで低下しました。その後の米国株の上昇もあって、米国債は買われ過ぎ感から売られやすい地合いにありました。

 今後の米経済指標の結果によるものの、目先の米10年債利回りは3.40〜3.60%前後での推移が続くと見込まれます。このため、ドル・円は日本の原発が一段と深刻な事態に陥らない限り、85〜87円へ向けて緩やかな円安に傾くこととなりそうです。

【ユーロ・ドルは利上げ後に反落も】
 欧州中央銀行(ECB)が4月の利上げがほぼ確実な情勢です。ただ、ユーロ・ドルは堅調な足取りを続けているものの、米国での金融緩和正常化への思惑などから一本調子での上昇ではなく、緩やかな上昇となっています。31日のユーロ圏消費者物価指数が前年比+2.6%となり、事前予想(同+2.4%)を上回ったことで一時1ユーロ=1.42ドル台を回復しました。1日には堅調な米雇用統計を受けて1.40ドル台まで売られた後に、ECBによる利上げ期待やニューヨーク連銀のダドリー総裁の発言を受けて買われて、1.42ドル台を回復しました。

 トリシェ総裁をはじめ、ECBの当局者はインフレを強く警戒しており、4月7日のECB理事会では政策金利を1.00%から1.25%へ引き上げることとなりそうです。ユーロ・ドルは利上げを先取りして上昇してきたこともあり、利上げが発表されると利益確定の売りに押されて、1.40ドル前後まで反落する可能性も出てきます。ただ、大きな崩れはなく、売り一巡後は1.40〜1.43ドル前後でのもみ合いとなりそうです。

 もし理事会後の記者会見でトリシェ総裁が追加引き締めに言及するようなことになれば、ユーロ・ドルの先高期待が一段と高まり、1.45ドル乗せを視野に上昇を続けることとなるでしょう。

 なお、ポルトガルやアイルランドの債務問題や格付け会社による格下げ織り込み済みとみられ、あまり材料視されていません。欧州の債務問題は、米国の金融緩和正常化への思惑やECBの利上げなどの材料に隠れて、ユーロ・ドルを大きく押し下げる材料とはなりにくそうです。

【ドル・円の季節性 4月中旬までは円安傾向か】
 ドル・円は、東日本大震災の影響で3月17日に1ドル=76.25円まで円高が進みました。その後、各国の協調介入や米国の金融緩和正常化への思惑などから上昇に転じています。ここでは、過去の季節性をもとに今後の方向性を予測してみます。

 2001〜2010年の10年間では、1年を通して円安で終わった年は、2001年、2005年、2006年、2009年の4回、円高で終わったのは2002〜2004年、2007〜2008年、2010年の6回あります。

 グラフは過去の値動きを指数化したものです。2001〜2010年の平均が青、上記の円安の年だけを平均したものが赤、円高の年だけを平均したものが茶色となっています。いずれも0〜100の指数で表示しています。なお、2011年(緑)は実際の価格となります(2011年のみ右軸)。

 年初からの動きを見る限り、円安年、円高年のいずれのグラフともきれいな一致は見せていませんが、3月以降の動きは過去10年間の平均(青)が参考となりそうです。3月中旬の谷のタイミングがほぼ一致しています。長期的な予測はしずらいものの、このグラフを見る限り、ドル・円は4月中旬に向けて一段と円安傾向が続きそうです。



2011年4月4日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

 オーバルネクストは、国内外の先物取引や為替情報に関する各種のニュースやデータを配信、またこれらの情報に伴うシステム開発を行っております。スピードと正確性に富むニュースやデータの配信に加え、オーバルネクスト独自の情報分析を含む各種コンテンツを一般投資家や各種ブローカーの皆様へ幅広く提供しています。
詳しくはこちらをご覧ください

コラム一覧へ戻る

当社は「ALL外為比較」に掲載される情報(以下「掲載情報」といいます。)の完全性および正確性を保証いたしません。

また掲載情報は、将来における結果を示唆するものではありません。

したがいまして、お客様において掲載情報に基づいて行動を起こされた場合でも、当社はその行動結果について何らの責任も負担いたしません。

掲載情報に基づく行動は、お客様の責任と判断によりお願いいたします。掲載情報は、金融商品の売買等の勧誘を意図したり、推奨するものではありません。

お客様において掲載情報に含まれる金融商品の売買等の申込等をご希望される場合には、その掲載情報に記載の金融機関までお客様ご自身でお問い合わせください。

当社はお問い合わせに関し対応いたしかねます。

掲載情報のうち「外為マーケットコラム」等に関しましては、著作権法等の法律により保護されており、

個人の方の私的使用目的以外での使用や権利者に無断での他人への譲渡、販売コピーは認められていません。