FX・為替比較はALL外為比較

  • FX会社を探す
  • FXの基礎知識
  • Q&A
  • 外国為替マーケット予想

ALL外為比較 > 外為マーケットコラム > ドル・円は緩やかな円安が継続か

外為マーケットコラム

ドル・円は緩やかな円安が継続か

【ドル・円は円安基調で推移か】
 米金融緩和正常化への思惑による米長期金利の上昇により、6日にはドル・円は一時1ドル=85円台半ばまで上昇しました。7日には宮城県沖での地震の影響でリスク回避の動きから円が買われて、ドル・円の上昇は一服したものの、その後は85円近辺で推移しています。

 また、ユーロ・円は欧州中央銀行(ECB)による利上げ期待から1ユーロ=123円台まで上昇しました。7日に大方の予想通りECBは利上げに踏み切ったものの、その後のトリシェ総裁の記者会見で今後の連続利上げに消極的な発言をしたことから、軟化したものの、一時的なものにとどまり堅調な動きを続けています。

 5日に発表された3月15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録では、現在の緩和的な金融政策の転換について、委員間での意見の相違が明らかになりました。一部の委員が緩和的な政策の維持を主張する一方で、複数の委員が年内に金融引き締め開始を主張するなど意見が交錯しています。

 米国の量的緩和は予定通り6月まで実施される可能性が高いとみられます。ただ、米国の経済指標はおおむね良好で、雇用情勢もここ数カ月は改善に向かっており、米連邦準備理事会(FRB)による米国債の買い入れが続いても、米長期金利はじり高で推移することとなるでしょう。

 このため、ドル・円は若干の調整を挟みつつ、1ドル=86〜88円へ向けて引き続き円安基調での推移が続きそうです。ユーロ・円も円安トレンドが続いて、125円へ向けて上昇するとみられます。

【ユーロ・ドルは追加利上げへの期待で堅調か】
 欧州中央銀行(ECB)による利上げ期待を背景にユーロ・ドルは前週に1ユーロ=1.44ドル台後半まで上昇しました。ECBは7日の理事会で政策金利を0.25%引き上げ、1.25%としました。理事会後の記者会見でトリシェ総裁は、必要があれば追加引き締めを行うことを示唆したものの、今回の利上げを一連の措置の始まりとはとらえていないと強調ています。

 ECBによる一段の利上げは、今後のユーロ圏の消費者物価指数などインフレ指標の動向に左右されることとなります。市場関係者の間では年内に0.25%の利上げがあと2回実施されるとの見方も根強く、一段の利上げ期待によりユーロ・ドルは堅調な動きを続けそうです。

 なお、米国でも金融緩和正常化への思惑から長期金利が上昇しており、この傾向が続くようなら、ドル買いの動きにつながり、ユーロ・ドルの上昇ペースを鈍化させる一因となりそうです。

 ユーロ・ドルは今回の利上げ後に売られて、上げ一服となる場面も見られたものの、調整は一時的なものにとどまっています。今後は、追加利上げへの思惑から堅調な推移を見せて1.45〜1.48ドルへ向けて上昇する展開となりそうです。

 ポルトガルが欧州連合(EU)に財政支援を依頼しており、欧州の債務問題が再びユーロの上値を抑える要因ともなりかねません。ただ、最近のユーロ・ドルの上昇過程では、欧州の債務問題はあまり材料視されておらず、ユーロの極端な圧迫要因とはなりにくいでしょう。

【意外に連動性が高いNYダウとNY原油】
 中東・北アフリカ情勢の緊迫化で2月の下旬以降、ニューヨーク原油が86ドル前後から100ドル超まで上昇した際に、インフレ懸念や原油高が景気へ与える悪影響を懸念して、NYダウは値を崩しました。また、前週末の8日にも原油高によるインフレ懸念からNYダウは下落しています。

 こうした状況からすると「原油高=株安」というイメージを持ちそうですが、原油相場とNYダウは連動性が高く、あまり急激な原油高でない限りは「原油高=株高」に結びやすい傾向があります。原油高により、石油関連株が上昇するほか、素材関連株にも支援材料となるためです。

 グラフの期間の両者の相関係数は0.87で極めて高い相関があります。相関係数の高さを見る限りは、原油高は株価にとってプラス材料となります。ただ、2008年7月に原油価格が150ドルへ接近した際には原油高は株価にとって圧迫要因となりました。極端な原油高はインフレ懸念につながり、株価にはマイナスとなるため、このまま原油高が続くと原油と株価の関係も変化することとなりそうです。

 なお、相関係数とは、2つのデータ間の関連性の度合いを示す指標です。−1から1の間の数値で示され、1に近いほど似たような動きをして、−1に近いほど逆の動きをします。0に近いときは相関は低く、データ間の関連性はあまりないとみなされます。



2011年4月11日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

 オーバルネクストは、国内外の先物取引や為替情報に関する各種のニュースやデータを配信、またこれらの情報に伴うシステム開発を行っております。スピードと正確性に富むニュースやデータの配信に加え、オーバルネクスト独自の情報分析を含む各種コンテンツを一般投資家や各種ブローカーの皆様へ幅広く提供しています。
詳しくはこちらをご覧ください

コラム一覧へ戻る

当社は「ALL外為比較」に掲載される情報(以下「掲載情報」といいます。)の完全性および正確性を保証いたしません。

また掲載情報は、将来における結果を示唆するものではありません。

したがいまして、お客様において掲載情報に基づいて行動を起こされた場合でも、当社はその行動結果について何らの責任も負担いたしません。

掲載情報に基づく行動は、お客様の責任と判断によりお願いいたします。掲載情報は、金融商品の売買等の勧誘を意図したり、推奨するものではありません。

お客様において掲載情報に含まれる金融商品の売買等の申込等をご希望される場合には、その掲載情報に記載の金融機関までお客様ご自身でお問い合わせください。

当社はお問い合わせに関し対応いたしかねます。

掲載情報のうち「外為マーケットコラム」等に関しましては、著作権法等の法律により保護されており、

個人の方の私的使用目的以外での使用や権利者に無断での他人への譲渡、販売コピーは認められていません。