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外為マーケットコラム

ドル・円はやや円高基調で推移か

【福島第1原発の動向に注目】
 ドル・円は、日本で余震が続いていることや、福島第1原発の事故の深刻度を示す国際評価尺度がチェルノブイリ事故と同じ「レベル7」に引き上げられたことなどから、リスク回避の円買いの動きとなり、1ドル=85円台前半から下落しています。

 原発の深刻度が増していることや、震災の企業業績への影響が不透明なことから日本の株価は不安定な状況が続いており、リスク回避の円買いにつながりやすい状況は続きそうです。また、リスク回避の動きとなれば米国債が買われやすく米長期金利が低下するため、日米金利差の縮小で円高に傾きやすくなります。

 米国では14日に発表された米新規失業保険申請件数が予想を上回るなど雇用情勢の回復が足踏みしています。また、15日に発表された米消費者物価指数(CPI)は前月比0.5%上昇、エネルギーと食品を除いたコア指数は0.1%上昇となり、市場予想の範囲内となり、インフレ圧力が落ち着いていることから、米長期金利が上昇しにくくなっています。

 こうした点から、ドル・円は81〜84円台のレンジで上値の重い展開となり、緩やかに円高に振れる展開となりそうです。ただ、介入警戒感もあり、81円を割り込むような急激な円高はないでしょう。

【原油価格が下げに転じればインフレ懸念も沈静化か】
 これまで高騰を続けて、各国でインフレ懸念の主な要因となっていた原油価格が高値から一時値を崩しました。国際通貨基金(IMF)が今年の日米の経済成長率を下方修正したことや、国際エネルギー機関(IEA)が、価格上昇が原油需要の拡大を阻み始め、世界的な経済紙成長を損なう可能性があるとの懸念を表明したことなどが下げの要因となりました。

 また、ゴールドマン・サックスが、原油や銅などで構成される商品バスケットの買い推奨を打ち切ったことや、顧客向けのレポートで原油価格が大幅に下落して、ブレント原油は今後数カ月でバレル当たり105ドル前後に値下がりするとの見通しを示したことなどから、11〜12日にかけて手じまい売りが広がりました。

 ニューヨーク原油は113ドル台から一時105ドル台まで下落して修正安局面に入るかと思われましたが、13日以降は再び上昇に転じています。戻り歩調が続くようなら、引き続きインフレ圧力となりそうです。ただ、今後、昨年後半から今年初めにかけての90ドル近辺まで下落するようなら、各国でのインフレ懸念も徐々に後退することとなりそうです。

【根強いECBの追加利上げ観測】
 欧州中央銀行(ECB)は7日に政策金利を1.00%から1.25%に引き上げました。理事会後の記者会見で、トリシェ総裁は今回の利上げを一連の措置の始まりとはとらえていないと強調したものの、市場では追加利上げ観測が根強く、ユーロ・ドルは堅調な推移を続けています。

 一方、米国では米連邦準備理事会(FRB)のイエレン副議長は、失業率が高止まりする一方、インフレ期待がしっかり抑制され、緩和的な金融政策は依然として適切との見解を示すなど、FRBが引き締めに動くには時間がかかるとみられます。日本の原発懸念もあり、リスク回避の動きから米国債は買われやすく、米10年債利回りは3.50%台で頭打ちとなりそうです。

 これに対して、ベルギー中銀のクーン総裁、イタリア中銀のドラーギ総裁、ルクセンブルク中銀のメルシュ総裁といった複数のECB理事会メンバーが追加利上げを示唆する発言をしています。

 ただ、ユーロ圏ではギリシャを巡る債務再編の話題が圧迫要因となる可能性が出てきています。ドイツのショイブレ財務相がギリシャの財政が持続不可能であることが示された場合、追加措置を講じる必要があるとの見解を示しており、ギリシャの債務への懸念が再燃しています。

 ユーロ圏は金利の先高観が根強いのに対して、米国では長期金利の上昇は頭打ちとなりそうなことから、ユーロ・ドルは上昇基調で推移しそうです。ただ、ギリシャやポルトガルの債務問題が圧迫要因となるようなら、1.43〜1.45ドル台で足踏みが続くでしょう。債務問題への懸念が後退すれば、1.46〜1.48ドルを目指して一段高となりそうです。

【豪ドル・ドルとNYダウは相関が高い
 豪ドル・円は個人投資家に非常に人気のある通貨です。豪ドル・ドルは豪ドル・円ほどではありませんが、ユーロ・ドルやポンド・ドルよりもなじみやすい通貨なのではないでしょうか。

 その豪ドル・ドルですが、NYダウとの相関が非常に高く、この通貨を取引するならNYダウの動向にも注意を払っておくと良いでしょう。グラフは青がNYダウ(左軸)、ピンクが豪ドル・ドル(右軸)で似たような動きを見せています。グラフに表示されている期間の両者の相関係数は0.93と極めて高くなっています。

 相関係数とは、-1.0〜1.0の範囲で動き、1.0で完全に同じ動き、-1.0で全く逆の動き(逆相関)、ゼロなら相関なしと判断されます。この数字が1.0に近いほど値動きが似ていると言え、0.8〜0.9なら極めて相関が高いと判断できます。

 両者のグラフを良く見ると、相場の山や谷は一致しているケースも多く、同じタイミングで方向転換をする傾向が強いと言えます。昨年12月から今年2月にかけてはやや異なる動きとなりましたが、それ以外の期間ではほぼ同じような動きをしており、豪ドル・ドルを取引する上でNYダウの動きは参考材料となりそうです。



2011年4月18日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

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