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外為マーケットコラム

ドル・円はレンジ相場か、米長期金利低下で上値は重い

ドル・円はレンジ相場か、米長期金利低下で上値は重い
 米国の経済指標はさえないものが多く、さらにギリシャの財政問題などの影響で安全資産として米国債は買いが入りやすく、米10年債利回りは3.10%を中心に推移して、26日には3.10%を割り込んでいます。ドル・円は米長期金利の低下もあって、上値の重い展開となっています。

 日本の不透明な景気動向は円売り要因ですが、米長期金利の低下もあって円安は進みにくくなっています。また、ユーロ圏の債務問題が懸念されるとリスク回避の動きから、ドルとともに円は買われやすくなるなど、強弱材料が交錯して、上下に大きく動きにくいという状況となりそうです。

 このため、ドル・円は1ドル=80〜82円台を軸としたレンジ相場が見込まれます。米経済指標の好転による米長期金利の上昇やユーロ圏周辺国の債務問題への懸念後退といった事態にならなければ、小幅な値動きにとどまる可能性が高そうです。なお、今後も米経済指標の悪化が続いて米長期金利が3.0%を割り込むようだと、一時的に80円を割り込む可能性も否定できません。

 今週は1日に米5月ISM製造業景況指数、米5月ADP雇用統計、2日に米新規失業保険申請件数、3日に米5月雇用統計、米5月ISM非製造業景況指数が発表されます。こうした統計の数値が改善されればドル高につながりそうですが、最近の経済指標を見る限り、あまり大幅な改善は期待しにくいと言えそうです。

【ユーロ・ドルはギリシャ問題が圧迫要因に】
 ギリシャの債務問題が深刻化しており、この問題がユーロの上値を抑えています。ギリシャ債務も元本削減や返済期間延長などの債務再編については、欧州中央銀行(ECB)の当局者などからはこれを警戒する発言が相次いでいます。

 ユーログループのユンケル議長は、ギリシャが財政健全化の目標を達成すれば、返済期間延長などが可能になると指摘ていますが、こうした意見は少数派です。ギリシャ問題に関しては様々な思惑が交錯しています。

 ユーロ圏については悪いニュースばかりではありません。欧州金融安定ファシリティー(EFSF)がポルトガル救済のために債券を発行した場合は、中国政府などアジアの投資家が購入に動くと報じられたことは、ユーロの支援材料となっています。

 ただ、その後ユンケル議長が国際通貨基金(IMF)が6月に予定されているギリシャ向け融資を実行しない可能性があるとの見解を示したことが、一時的に上値を抑える要因となりました。また、27日にはギリシャ中央銀行のプロポボラス総裁が、緊縮財政策を順守すればギリシャは債務再編をせずに国債を償還できると発言したことで、ユーロ・ドルは一時1.43ドルを回復しています。引き続き、ギリシャ問題については関係当局者の発言に振り回されやすい状況が続きそうです。

 ユーロ・ドルはギリシャを含むユーロ圏周辺国の債務問題が重くのしかかるものの、1.40ドル近辺では底堅く、大きくは崩れにくくなっています。このため、目先は1ユーロ=1.40〜1.43ドル台で推移しそうです。

 ユーロ圏のインフレ懸念やそれに伴う追加利上げ観測が再びマーケットの主要なテーマとなるようなら、1.45ドルへ向けて上昇することとなるでしょう。逆にこれまで比較的良好だったユーロ圏の景気動向が変調を来たすようなこととなれば、1.40ドルを割り込んで、1.35ドルへ向けて下落する可能性も出てきそうです。

【豪ドル・円の季節性 6月中旬まで上昇か】
 グラフをご覧下さい。青いグラフは、豪ドル・円の2001〜2010年の過去10年間の値動きを指数化したもので、赤は今年の豪ドル・円の相場です(青が左軸、赤が右軸)。3月中旬以降は青と赤のグラフが似たような推移を見せています。

 4月の下旬にこの季節性グラフを用いて、その後の値動きの予測をしました。「1豪ドル=90円付近では上値を抑えられ、5月下旬にかけて82〜83円前後まで下落する」としました。82〜83円までは下落していませんが、グラフを見る限りは、おおむね過去の季節性と似たような動きを見せています。

 今後も、過去の季節性グラフに沿った動きが続くとは限りませんが、先行きの参考材料とはなりそうです。青いグラフでは、5月の下旬から6月の中旬にかけて上昇に転じています。この流れに沿った動きになると仮定すると、そろそろ上昇に転じて、6月中旬には90円超まで上昇することになりそうです。

 なお、青のグラフからすると、6月に上げ一服となった後は下げに転じて、7月はもみ合いで推移する傾向があります。そして8月は大きく値を崩した後に、9月から年末にかけて上昇基調で推移します。



2011年5月30日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

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