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外為マーケットコラム

ドル・円は80円近辺を軸とするレンジ相場か

【米長期金利の低水準での推移続く】
 米国では5月の雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を大きく下回るなど、経済指標はさえないものが多く見られます。7日のバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の講演では、景気減速を認める発言をするなど、米国の景気には先行き不透明感が広がっています。なお、バーナンキ議長は「緩和的な金融政策は依然として必要」と述べたものの、追加緩和への言及はありませんでした。

 米国債は、米国の景気の先行き不透明感やギリシャ問題への懸念から安全資産として買われやすく、米10年債利回りは3%を下回る水準での推移が続いています。米国の景気回復ペースが鈍化している現状では、米長期金利は上昇しにくいと言えそうです。

 米長期金利は低水準で推移しており、ドル・円の上値を抑えています。また、世界的な景気減速への懸念やギリシャ問題から円は買われやすくなっており、ドル・円は6日以降、1ドル=80円割れの場面もみられました。

 日本の金融当局による介入警戒感はあまりないものの、「リスク回避」以外の理由で積極的に円を買う理由も見当たらず、80円からさらに円高トレンドが加速するような状況ではなさそうです。

 米長期金利が3%を下回る水準で推移している状況では、大きく円安に傾くことも想定しにくく、ドル・円は80円近辺での推移が続きそうです。5月5日の安値79.57円を割り込むと一時的に78円前後まで円高が進む可能性はあります。

 ただ、78〜79円台では実需筋によるドル買い/円売りも入りやすいとみられ、3月17日の安値76.25円に迫るようなことはないでしょう。目先のレンジは80円を軸として、79〜82円前後での推移が見込まれます。

【足並み揃わぬギリシャ支援】
 ユーロ・ドルは7〜8日に一時1ユーロ=1.47ドル近くまで上昇しました。ギリシャの債務問題については、情報が錯綜する中、欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)による支援がまとまるとの観測が台頭したことや米国の景気減速への懸念がユーロ上昇の背景にありました。

 ただ、ギリシャの債務問題への懸念はいったん後退したかに見えても再び材料視される状況が繰り返されています。各国の足並みが揃わず、ギリシャ問題は依然として波乱要因となり、ユーロ売りの材料となっています。

 8日に欧州中央銀行(ECB)は政策金利を現行の1.25%に据え置きました。理事会後の記者会見でECBのトリシェ総裁は、物価上昇へ「強い警戒」を示したことで、7月の追加利上げは確実との観測が高まっています。ただ、それ以降の利上げについての言及はなく、従来予想されていたように継続的に利上げを実施していくとの観測が後退したことがユーロの利益確定の売りにつながりました

 目先はギリシャ問題への対応がどのように展開するかに左右されそうです。解決へのメドが立たずに混乱が続くようなら、リスク回避の動きから、ユーロ・ドルは1ユーロ=1.40ドルへ向けて下落する可能性が出てきます。

 逆にギリシャ支援がまとまり、同国の債務問題への懸念が後退すれば、ECBは7月に利上げが予想される中、米長期金利が上昇しにくいこともあって、ユーロ・ドルは1.45ドルを回復して、再び堅調に推移することとなるでしょう。

【歴史は繰り返す? ギリシャ株とバブル期前後の日経】
 古今東西、バブルというのは様々な国で発生しました。徐々に記憶が薄れつつあるものの、日本でも1980年代後半に不動産と株式のバブルで金余りの状況が発生しました。当時は株や不動産価格は上がるのが当たり前で、大きく下がることなど多くの人が予想だにしていませんでした。

 1989年12月に日経平均は38,915円まで上昇しました。1990年の年明けの証券会社のレポートでは「日経平均は7万円を目指す」などと先高期待を煽っていました。ところが1990年以降は日本株は長期低迷の時代に入り、現在に至っています。

 グラフは最近のギリシャ株の月足のグラフにバブル期前後の日経平均を重ね合わせたものです。時間軸は実際のギリシャ株のものです(2003年1月〜2011年5月)。ここに1985年2月以降の日経平均を重ねています。ギリシャ株は2011年5月までですが、日経は先行きの判断の参考に半年分ほど延長しています。

 下落過程は一致しない部分もみられますが、上昇過程では見事なほどに一致しています。今後のギリシャ株は同国の景気動向や債務問題に左右されそうですが、日経平均の値動きと照らし合わせる限り、株式市場の低迷は長引くことが予想されます。やはり「歴史は繰り返す」ということなのでしょうか。



2011年6月13日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

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