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外為マーケットコラム

ドル・円は引き続き80〜81円台を中心に推移か

【ドル・円はレンジ相場か】
 米国の経済指標は強弱まちまちだが、全般にさえないものが多く、景気の先行き不透明感が広がっています。米10年債利回りは一時3%を回復する場面も見られましたが、米国の景気の先行きが懸念され、一進一退の動きとなっています。

 米長期金利は低水準で推移していたものの、ギリシャの債務問題の影響で対ユーロや対資源国通貨での一時ドル高が進行したことから、対円でもドル高に振れて、ドル・円も1ドル=81円台に乗せる場面も見られました。ただ、81円付近では上値は重く、円安が進行しにくい地合いとなっています。

 17日にドイツのメルケル首相とフランスのサルコジ大統領の独仏首脳による協議で、ギリシャの債務問題解決に向けて欧州中央銀行(ECB)に譲歩する姿勢を示しました。目先の懸念は若干後退したものの、今後のギリシャ問題の動向が注目されます。

 ドル・円は米国の景気動向やギリシャの債務問題を眺めつつ、1ドル=80〜81円台を中心に推移しそうです。円を積極的に買い進む理由も見当たらず、80円を割り込む場面があっても一時的にとどまるでしょう。目先は79〜82円前後のレンジでの推移が見込まれます。

 なお、今週は21日に米中古住宅販売件数(5月)、22日に英金融政策委員会(MPC)議事録、米連邦公開市場委員会(FOMC)、23日に米新築住宅販売件数(5月)、24日に米耐久財受注(5月)などの発表があります。これらの内容次第ではマーケットが大きく動く可能性があります。特にFOMCでは総額6,000億ドルの国債買い入れプログラムの終了が見込まれます。米経済指標がさえない中、どのような格好で金融緩和策の継続が打ち出されるかが注目されます。

【ギリシャ支援は一歩前進】
 ドイツでは、ギリシャ債を保有する銀行など金融機関が、保有債券を満期が7年以上の新たな債券と交換すべきだと主張していました。ただ、欧州中央銀行(ECB)やフランスは、それは格付け機関からギリシャ債のデフォルトとみなされるとして、これに反対しています。

 17日にドイツのメルケル首相とフランスのサルコジ大統領との協議で、ドイツがECBに対して譲歩する姿勢を見せ、ギリシャの債務問題解決へ向けて事態は一歩前進しました。金融機関など民間部門の関与を強く求めていたドイツの態度が軟化して、歩み寄りの姿勢を見せたことで、ギリシャ問題への懸念が若干後退しています。

 14日のユーロ圏財務相会合では、ギリシャの追加支援策を協議しものの、結論は出ませんでした。ただ、17日の独仏首脳による協議で一歩前進したことで、20日の欧州連合(EU)財務相理事会、23〜24日のEU首脳会合で追加支援策がまとまるかどうかが注目されます。

 国際通貨基金(IMF)は、ギリシャの緊縮財政策が同国内で支持を得られれば支援する用意があると表明しています。ただ、ギリシャ国内では緊縮財政に反対してアテネで大規模なデモが起きるなど、追加支援を受けるための条件である財政緊縮への支持の獲得が難航しています。仮にEUやIMFが緊急融資を実行しても、ギリシャ国内で財政立て直しが進まなければ緊急融資はその場しのぎの対応策にとどまり、根本的な解決策にはなりません。

 6月7日ころまでのユーロ・ドルの上昇過程では、ユーロ圏の金利の先高観が材料視されて、ギリシャやポルトガルなどユーロ圏周辺国の債務問題は重要視されませんでした。ここへ来て、債務問題がクローズアップされてマーケットを大きく動かす要因となっています。

 17日に独仏首脳による協議で、ギリシャの債務問題に希望の光が差したものの、事態はまだ予断を許さない状況で、当局者の動きや発言に一喜一憂する状況が続きそうです。具体的に解決への道筋が定まらない限り、ユーロ・ドルは一時的に上昇しても、再び下げに転じる可能性があります。一時的に戻しても1ユーロ=1.45ドル前後で頭打ちとなり、1.40ドルへ向けて下げに転じるとみられます。

【ユーロ圏周辺国の国債利回りの上昇は続く】
 ギリシャの債務問題への懸念からユーロ・ドルは値を崩した後に、追加支援策がまとまるとの観測から値を戻すなど、荒れた動きを見せています。

 ギリシャ、ポルトガル、アイルランドなどのユーロ圏周辺国の利回りは上昇傾向にあります。10年債利回りはギリシャが18%近辺、アイルランドが11%超、ポルトガルが10%超の水準まで上昇しています。元本削減などの債務再編が避けられないとの見方が広がっているギリシャの2年債利回りは一時30%台まで上昇しました。

 グラフは国名の頭文字をとって「PIIGS」と呼ばれるユーロ圏周辺国のポルトガル、アイルランド、イタリア、ギリシャ、スペインの10年債の利回りとドイツ債の利回りの差を表示したものです。利回りの差はリスク・プレミアムと見ることができ、この差が大きいほど、その国への財政状況への懸念が高いと言えます。

 ギリシャ、ポルトガル、アイルランドの利回り格差は拡大傾向にあり、市場関係者はそれだけ懸念を募らせていることが見て取れます。ギリシャの債務問題への解決の道筋が見えるまでは、引き続き利回り格差は拡大は続きそうです。利回り格差が大きく縮小するにはまだ時間がかかりそうです。



2011年6月20日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

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