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外為マーケットコラム

ドル・円はレンジ相場、ユーロ・ドルは堅調か

【ドル・円は大きく動きにくい展開か】
 米10年債利回りが3%台を回復して、じり高で推移しています。ギリシャで中期財政再建法案とその関連法案が成立したことで、当面のギリシャの債務危機への懸念が後退したことや、米国債の入札の不調、さらにはシカゴ購買部協会景気指数やISM製造業景況指数が良好な内容だったことが背景にあります。

 米長期金利の上昇はドル・円には支援材料となるものの、これまでのところあまり目立った反応はありません。ドル・円は一時1ドル=81円超まで上昇したものの、輸出筋の売りなどにより上値を抑えられています。逆に下げても80円台前半までの下げにとどまっており、狭いレンジでの推移が続いています。

 ギリシャの債務危機によるリスク回避の動きも一服して落ち着きを見せることが予想されるため、今後のドル・円は米長期金利の動向に追随しやすくなることが見込まれます。

 米10年債利回りは3%を回復してきましたが、米6月ISM非製造業景況指数(6日)、米6月ADP雇用統計(7日)、米6月雇用統計(8日)などの経済指標が上向いていれば、一段と上昇する可能性が高まります。その場合は、ドル・円は82円へ向けて上昇しそうです。

 逆に米経済指標がさえないようなら、再び3%を割り込み、ドル・円は80〜81円台でのレンジ相場が続くこととなりそうです。80円を割り込むような円高はあっても一時的なものとなるでしょう。いずれにしても、ドル・円はあまり大きくは動きにくい展開となりそうです。

【ギリシャで中期財政再建法案が可決】
 ギリシャでは、29日に中期財政再建法案が賛成多数で可決されました。翌30日には関連法案も可決されて、債務危機への懸念が後退しました。

 ユーロ圏財務相会合では、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)による次回融資120億ユーロを実行するために、早期の法案成立を求めていました。当初、3日に予定されていたユーロ圏財務相会合は2日の電話会議に変更となり、ここで追加融資が承認されました。8日のIMF理事会の承認を経て、15日までに融資が実行される予定です。これで、目先のギリシャのデフォルト(債務不履行)は回避されそうです。

 これで今後は銀行や保険会社など民間部門を交えた第2次救済策に焦点が移ります。ユーロ圏財務相会合では数週間以内にまとめる予定で、民間部門の保有するギリシャ国債の自発的なロールオーバー(借り換え)などが協議されるものと思われます。

 なお、ギリシャは目先の債務危機を何とか乗り越えそうですが、緊縮財政、増税、資産売却などにより財政を健全化していく必要があります。ギリシャ国内では今回の財政再建法案に反対して大規模なデモや混乱が発生しており、実際に財政の健全化が実行に移せるかが注目されます。

 融資が実行されて目先の危機を乗り切っても、ギリシャ自身による財政の健全化が実行できないと、再び債務危機に見舞われることとなるでしょう。なお、市場関係者の間では、今回の一連の措置は問題を先送りするだけで、いずれギリシャはデフォルトするとの見方も根強く残っています。

 短期的にはユーロ・ドルはギリシャの債務危機脱却で、一段高となりそうです。欧州中央銀行(ECB)からは、トリシェ総裁をはじめとしてインフレを警戒する発言が相次いでおり、7月7日に追加利上げを行うことがほぼ確実となっています。ギリシャ懸念が後退したことで、利上げ観測が材料視されて、ユーロ・ドルは1ユーロ=1.47〜1.48ドル前後まで上昇することとなりそうです。

【豪ドル・ドルの季節性 7月中旬に向け上昇か】
 5月、6月と調整気味に推移した豪ドル・ドルですが、季節的には7月は中旬に向けて上昇して、その後は上げ一服となりそうです。ここでは過去の季節的なパターンを用いて、今後の予測をしてみます。

 青いグラフは2001〜2010年の過去10年間の値動きを指数化したもので、ピンクは今年の豪ドル・ドルの相場です(青が左軸、ピンクが右軸)。これをみると、3月以降、半月程度のズレているところもみられますが、おおむね過去の季節性の通りに推移しています。

 最近の推移は過去の値動きと比べて当てはまりがよく、今後も過去のパターンと似たような動きとなるとすれば、7月中旬ころまで上昇して、その後は8月中に軟調な推移となりそうです。そして9月に入ると12月にかけて上昇トレンドを描くことが見込まれます。

 青のグラフはあくまでも過去のデータであり、今後も同様の動きになるとは限りません。ただ、季節的な動きは似たような動きが再現されることも多く、今後の動向を予想する一助となりそうです。



2011年7月4日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

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