FX・為替比較はALL外為比較

  • FX会社を探す
  • FXの基礎知識
  • Q&A
  • 外国為替マーケット予想

ALL外為比較 > 外為マーケットコラム > ドル・円は77〜80円台のレンジで推移か

外為マーケットコラム

ドル・円は77〜80円台のレンジで推移か

【円は買われやすい展開に】
 ユーロ圏の債務危機の影響で、ユーロが売られる一方で、安全資産として円が買われやすくなっています。また、米国では6月の米雇用統計が失望を誘うような結果となったことや米連邦政府の債務上限引き上げに対する政府と議会の協議が難航しており、ドルよりも円の方が買われやすい状況です。

 13日の議会証言で米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長が、景気が悪化すれば追加緩和に踏み切る用意があると発言したことで、ドルは売られました。また、格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスが米国の連邦債務上限が数週間以内に引き上げられない場合、米国債を格下げする可能性があると報じられたことも、ドル売りに拍車をかけました。

 ところが、翌14日のバーナンキ議長の議会証言では、現時点では一段の緩和措置を講じる考えはないと明らかにしたことで、ドルは上昇に転じるなど、ドル・円もユーロ・ドルも格付け会社の報道や当局者の発言に振り回される展開を見せています。

 こうした状況を受けて、ドル・円は14日に一時1ドル=78.47円まで円高が進みました。その後はドルが持ち直して、安値からは戻していますが、ドル・円は1ドル=80円を割り込んだ水準で推移しています。

 円はドルに比べて相対的に買われやすい状況にあり、一段の円高懸念が根強く残ります。目先は77〜80円前後のレンジでの推移が見込まれますが、1ドル=78円前後まで円高が進むと金融当局による円売り介入への警戒感も高まりそうです。ただ、米政府と議会による米連邦債務上限の引き上げの協議が難航して暗礁に乗り上げるようなら、ドル売りの動きから、一時的に3月17日の1ドル=76.25円を割り込む水準まで円高が進む可能性も出てきそうです。

【ユーロ圏の債務危機と米国債格下げ懸念】
 ユーロ圏の債務問題は、ギリシャやポルトガルだけでなく、スペインやイタリアへ波及するとの懸念が台頭しています。ギリシャの第2次支援策はまとまるメドが立たず、格付け会社ムーディーズがアイルランドを格下げ、フィッチ・レーティングスがギリシャを格下げするなど、ユーロ圏の信用不安は改善するどころか、深刻となる一方です。18日にはイタリアとスペインの10年債利回りはともに6%超まで上昇して、債務問題への懸念は広がっています。

 ユーロ・ドルは12日に1ユーロ=1.3837ドルまで下落、このままだと1.35ドルへ向けて一段と下落する可能性も高まりました。ところが、13日のバーナンキFRB議長が追加緩和に踏み切る用意があると発言したことやムーディーズによる米国債の格下げ懸念からドルが対主要通貨で全面安となり、ユーロ・ドルは1ユーロ=1.42ドル台後半まで戻しました。

 14日に「現時点では一段の緩和措置を講じる考えはない」とのバーナンキ議長の発言で再びユーロ安/ドル高に振れるなど、金融当局者の発言やユーロ圏の債務問題に関する報道に振り回されています。 。

 15日には欧州銀行監督機構(EBA)より欧州の銀行90行のストレステスト(健全性審査)の結果が公表されました。不合格となったのは8行です。大方の市場予想では不合格は10行前後と見られていたため、予想をやや下回りました。ただ、審査の基準が甘いとの見方も一部にあり、欧州の金融システムへの不安は払しょくできていません。また、21日に開催されるユーロ圏首脳会合でもギリシャへの第2次支援や広がりを見せるユーロ圏の債務危機への有効な打開策は見出せないとの見方が広がっています。

 ユーロ圏の債務問題と米国の債務上限の引き上げ問題などの状況に振り回されつつ、ユーロ・ドルは1ユーロ=1.37〜1.43ドル前後のレンジで荒れた動きが見込まれます。米国債は仮に格下げのリスクが高まっても安全資産として買われやすいことに変わりはありません。このため、ユーロ・ドルはユーロ圏の債務危機の影響で下げる可能性の方が高いとみられます。ユーロ・ドルは戻しても1.43ドル台までで、再び1.40ドル割れへ向けて下げることとなりそうです。

【米雇用統計後の円高、復活か】
 2008年9月〜2010年10月にかけて、米雇用統計の発表後はドル・円が円高に振れやすい傾向が続きました。この期間は米雇用統計の発表後は一時的であるにせよ、しばらく続くにせよ円高となりやすい傾向にありました。

 チャートは、ドル・円の日足で、緑の十字のマークは米雇用統計の発表日を示しています。今年に入ってからは、米雇用統計発表グループの動きはまちまちですが、6月以降は円高に振れています。来月以降にこのパターンが続くかどうかが注目されます。ちなみに8月は過去10年間で8回が円高に振れています。

 今回の円高は8日に発表された6月の米雇用統計が市場の失望を誘う内容だったことで、ドル売りの動きから円高が進みました。また、ユーロ圏の債務危機への警戒感が根強く、安全資産として円が買われやすくなりました。

 ユーロ圏の債務危機や米国の連邦債務の上限引き上げ交渉の難航を踏まえると、大きく円安に振れる可能性は低いとみられ、ドル・円は大きく上昇しにくいでしょう。ドル・円の上昇場面があれば、売り圧力に押されそうです。ただ、介入警戒感もあり、1ドル=78円台から一段の円高は値幅が限られそうです。



2011年7月19日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

 オーバルネクストは、国内外の先物取引や為替情報に関する各種のニュースやデータを配信、またこれらの情報に伴うシステム開発を行っております。スピードと正確性に富むニュースやデータの配信に加え、オーバルネクスト独自の情報分析を含む各種コンテンツを一般投資家や各種ブローカーの皆様へ幅広く提供しています。
詳しくはこちらをご覧ください

コラム一覧へ戻る

当社は「ALL外為比較」に掲載される情報(以下「掲載情報」といいます。)の完全性および正確性を保証いたしません。

また掲載情報は、将来における結果を示唆するものではありません。

したがいまして、お客様において掲載情報に基づいて行動を起こされた場合でも、当社はその行動結果について何らの責任も負担いたしません。

掲載情報に基づく行動は、お客様の責任と判断によりお願いいたします。掲載情報は、金融商品の売買等の勧誘を意図したり、推奨するものではありません。

お客様において掲載情報に含まれる金融商品の売買等の申込等をご希望される場合には、その掲載情報に記載の金融機関までお客様ご自身でお問い合わせください。

当社はお問い合わせに関し対応いたしかねます。

掲載情報のうち「外為マーケットコラム」等に関しましては、著作権法等の法律により保護されており、

個人の方の私的使用目的以外での使用や権利者に無断での他人への譲渡、販売コピーは認められていません。