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外為マーケットコラム

ドル・円は米連邦債務問題に左右されそう

【米連邦債務上限引き上げ合意ならドル高か】
 米連邦債務の上限引き上げが合意していないことやユーロ圏の債務危機の影響で、安全資産として円はスイスフランとともに買われやすくなっていました。ただ、一段の円高局面では当局による介入警戒感もあり、1ドル=78〜79円台でこう着状態に陥っています。

 米連邦政府の債務上限引き上げに関する政府と議会の協議が進められており、合意には至っていないものの、19日以降は合意に向けて徐々に前進しているようです。

 協議が順調に進展して、8月2日の期限までに合意が成立するようなら、ドル買いの動きにつながり、ドル・円は1ドル=80円回復へ向けて上昇する可能性が高まりそうです。もし合意が成立しなければ、1ドル=77円付近まで円高が進むことも想定されます。

 なお、今後の最大の焦点は債務上限引き上げ問題ですが、経済統計の動向にも左右されます。目先の予定は、26日に米S&Pケースシラー住宅価格指数(5月)、米新築住宅販売件数(6月)、27日に米耐久財受注(6月)、29日にユーロ圏消費者物価指数・速報値(7月)、米第2四半期国内総生産(GDP)・速報値の発表があり、注目しておきたいところです。

【ユーロ圏の債務懸念が後退】
 ユーロ圏の債務問題への懸念から、ユーロ・ドルは18日に1ユーロ=1.40ドル台前半まで下落しました。その後、21日のユーロ圏首脳会議でギリシャ支援について合意するとの期待感から、19日以降はユーロ・ドルは緩やかに上昇しました。

 21日に開催されたユーロ圏首脳会議では、ギリシャに対する総額で約1,090億ユーロの支援で合意しました。欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の機能を拡充することでも合意するなど、債務危機の沈静化に向けた動きが見られました。

 ギリシャへの第2次支援の合意や周辺国への危機の波及に対する不安が後退したことから、21日にユーロ・ドルは1ユーロ=1.44ドル台まで急伸しました。また、ギリシャだけでなく、イタリア、スペインなどの国債利回りも低下しています。 。

 なお、22日に格付け会社フィッチ・レーティングスは、ギリシャの支援合意を受けて、同国を制限的デフォルトとする方針を表明しました。ただ、ギリシャの債務交換が適切に処理されれば、ギリシャが制限的デフォルトに陥る期間は数日にとどまる可能性があるとしています。このため、ユーロ・ドルは高値からは軟化したものの、大きな崩れには至っていません。

 7月上旬までは「21日のユーロ圏首脳会議で、ギリシャ支援の明確な解決策を提示するのは難しい」との見方が広がっていましたが、支援策で合意に至ったことで、ユーロのセンチメントは大幅に好転しています。ユーロ・ドルは、目先は1.43〜1.44ドル台で足場を固めて、1.45〜1.47ドルへ向けて一段高となる展開とみられます。

 経済統計では、27日にドイツの消費者物価指数・速報値(7月)、28日にドイツの雇用統計(7月)、29日にユーロ圏消費者物価指数・速報値(7月)が発表されます。消費者物価指数が予想を上回り、インフレが警戒される水準となったり、雇用統計が予想を上回るようなら、ユーロには支援材料となりそうです。逆に消費者物価指数や独雇用統計が予想を下回るようなら、ユーロ・ドルの堅調な流れに水を差す可能性もあります。

【ユーロ・ドルの買い越しは減少から増加に転換か CFTC建玉明細】
 米商品先物取引委員会(CFTC)は現地時間の毎週金曜日にその週の火曜日時点での建玉明細を発表しています。この中で、大口投機家の売り越し幅、買い越し幅の変動は、相場の方向と連動性が高いケースが多く、特に注目されています。

 グラフはユーロ・ドルの大口投機玉の建玉明細のグラフで、水色はユーロ・ドルの終値(これのみ左軸)、緑は買い玉、ピンクは売り玉、赤は買い玉から売り玉を差し引いたネットポジションです。赤のグラフがゼロより下にあるときは大口投機玉は売り越し、赤がゼロより上なら買い越しとなります。

 グラフによると、水色の価格と赤のネットポジションは連動性が高いことが見て取れます。6月以降は、買い越し幅の減少と価格の下落がおおむね連動しています。買い越し枚数は、7月19日時点で9,246枚となり、6月7日時点の51,836枚と比べて大きく減少しています。

 ユーロ圏の債務危機の影響で、ユーロ・ドルの先高期待が後退したことが買い越し枚数の減少につながりました。ただ、21日のユーロ圏首脳会議でギリシャ支援で合意したことでユーロ・ドルが上昇に転じており、再び買い越し枚数が増加に転じていると見込まれます。



2011年7月25日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

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