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外為マーケットコラム

ドル・円での円高基調は継続か

【米国債の格下げの可能性】
 米連邦債務上限引き上げ問題がようやく決着しました。これを受けて、マーケットは円売りの反応を示しています。ただ暫定合意の中身をみると、赤字削減幅が10年間で1兆ドルとやや少ないとみられます。また今回の決定で危機を回避できるのは8〜12カ月間とみられており、来年の大統領選を前にもうひと悶着ありそうです。マーケットもそれをわかっていますから、そう遠くないうちに同問題は再燃しそうです。

 また米国が2006年前後からM3の発表の停止などドル安政策とみられる動きを取っていることを考えると、ドル安という構図には変化はないと考えています。今回の債務上限問題の一応の決着は、ドルショートにとっても買い戻しのきっかけになるでしょうが、戻りは再び売られそうです。ドル円でみれば、79円、80円前後までの戻りがいいところでではないでしょうか。

 8月第1週は重要な統計の発表が相次ぎます。1日に米ISM製造業景況指数(7月)、2日に米個人所得・個人支出(6月)、3日に米ADP雇用統計(7月)、米ISM非製造業景況指数(7月)、4日に欧州中央銀行(ECB)政策金利、5日に米雇用統計(7月)が発表されます。米債務問題と合わせて注目しておきましょう。

【ユーロ圏の債務懸念はいったん後退したが】
 ユーロ・ドルは、7月21日のユーロ圏首脳会議でギリシャ向け第2次支援で合意したことで、債務危機への懸念が後退しました。欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)による追加融資1,090億ユーロが軸となりますが、民間投資家のギリシャ国債への再投資、ギリシャ政府によるギリシャ国債の買い戻しなども盛り込まれました。

 欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の規模拡大は見送られたものの、危機に陥っていない周辺国の予防的な対策まで講じました。依然として債務懸念を指摘する声はあるものの、最大の危機は脱したと判断できそうで、ユーロ・ドルは大きく崩れることもなく、もみ合いで推移しています。目先は、ユーロ・ドルは1ユーロ=1.41〜1.45ドルのレンジ内での動きとなりそうです。

 4日に欧州中央銀行(ECB)の政策金利の発表がありますが、前月に利上げしたこともあり、1.50%で据え置かれる可能性が高いです。その後のトリシェ総裁の記者会見で引き続きインフレ警戒、将来的な利上げを示唆するようなコメントがあればユーロを支援する材料となりそうです。ただ、現時点で追加利上げの必要性はそれほど高まってはいないとみられます。

【ドル・円、クロス円は8月は円高傾向が強い】
 ドル・円やクロス円は8月は下落しやすい(すなわち円高に振れやすい)月となります。グラフは8月が陽線になりやすいかどうかについて、主要通貨と金や原油などについて2001年〜2010年の10年間について月足の統計を取ったものです。

 これによるとドル・円、豪ドル・円、ポンド・円、ユーロ・円はいずれも過去10年間で2回しか陽線になっていません(陽線とは始値よりも終値の方が高いことを言います)。ドル・円やクロス円はそれだけ下落しやすく、円高に振れやすいということを意味しています。これらの通貨は一時的に円安に振れても8月中は円買い圧力にさらされやすくなりそうです。

 過去10年間で、豪ドル・ドルは4回、ポンド・ドルは3回陽線になっており、ややドル高に振れやすいという傾向があります。ユーロ・ドルは6回なのでややユーロ高/ドル安に振れやすいと言えます。ただ、ドル・円やクロス円ほどの偏ったバイアスはありません。

 ニューヨーク原油(WTI原油)は過去10年で5回とバイアスがなく、ドル建て金現物は7回と上昇しやすい傾向があります。NYダウは6回でやや上げやすいものの、極端な偏りはありません。



2011年8月1日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

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