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外為マーケットコラム

ドル・円は76〜78円台でのレンジ相場で推移か

【円高進行は一服】
 24日には米耐久財受注が予想を上回る結果となった上、26日に行われる米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長の講演を前のポジション調整から米長期債が売られて、米長期金利が上昇しました。米国の金利上昇や株高を背景にリスク指向が後退して、ドル・円は一時1ドル=77円台後半まで上昇しました。円高進行が一服した格好となり、円高への懸念が根強かった市場のセンチメントも変化しつつあります。

 24日に格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスが、日本国債の格付けをAa2からAa3に1段階引き下げました。ただ、格付け見通しを「安定的」としたことから、市場の反応は限定的でした。市場関係者の間では、他の格付け会社も格下げに動くのではないかと懸念する向きもあり、今後の格付け会社の発表内容によっては、市場が大きく影響を受けることもありそうです。

 また、政府は24日に円高対策をまとめました。1,000億ドル(約7.6兆円)のドル資金の供給枠を設定、企業の海外のM&A(買収・合併)を促すための低利融資の仕組みや金融機関に為替のポジションを報告させるといった内容が中心となっています。円高対策として即効性には乏しく、市場関係者からは効果を疑問視する声も出ています。ただ、中長期的には企業の活用の仕方次第でメリットを享受できそうです。

 米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長はワイオミング州ジャクソンホールで26日に講演を行いました。ここで量的緩和第3弾(QE3)をめぐる発言があるかどうかが注目されて、講演前の数日はQE3への期待感が盛り上がったり後退したりで、株価も荒れた動きを見せました。ここでは追加緩和策への言及はなかったものの、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)が当初の1日だけから、2日間に延長されることで、追加緩和策が検討されるとの期待感から、ドル売りにつながりました。

 米国では経済指標の悪化が相次いでいますが、24日に発表された7月の米耐久財受注は予想を上回り、株高、債券安(金利は上昇)につながりました。これで一時2.0%付近まで低下した米10年債利回りも、2.2〜2.3%前後まで上昇しています。米長期金利の下げ止まりは円高一服に寄与しています。

 ドル・円は1ドル=76〜77円台での推移が中心となっており、米国を中心とする各国の景気動向に左右される展開が続きそうです。19日に一時1ドル=76円を割り込んだ時点と比べると、円高バイアスは低下しています。介入警戒感も下値を支えています。目先は各国の景気動向を眺めつつ、76〜78円台でのレンジ相場が続きそうです。

【ユーロ・ドルは安定して推移か】
 ユーロ・ドルはあまり大きく崩れはせず、堅調な推移を続けています。ギリシャの利回りが再び上昇傾向を見せているものの、イタリア、スペインなどの10年債利回りは5%付近で落ち着きを見せています。ユーロ圏の債務問題は根本的に解決したわけではないものの、あまり目立って材料視されていません。

 25日に中国の胡錦濤国家主席がフランスのサルコジ大統領と首脳会談を行い、欧州への投資継続の意向を表明しました。また、欧州が中国の対欧州投資の安全を守ることを希望するとの見解表明しています。中国が欧州投資を継続する意向を示したことは、ユーロの安定につながる材料となりそうです。

 8月最終週から9月の初めにかけて、注目度の高い経済統計の発表が目白押しです。29日には独消費者物価指数(8月)、米個人所得・個人支出(7月)、30日には米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録、31日にはユーロ圏消費者物価指数(8月)、ユーロ圏雇用統計(7月)、米ADP雇用統計(8月)、1日には独第2四半期国内総生産(GDP)・改定値、米ISM製造業景況指数(8月)、2日には、ユーロ圏7月生産者物価指数(7月)、米雇用統計(8月)が発表されます。

 なお、26日のバーナンキFRB議長の講演では、9月のFOMCでの追加緩和策への期待感から米国株が上昇、リスク回避の動きが後退してドル売りの動きとなり、ユーロ・ドルは1ユーロ=1.45ドル台を回復する場面も見られました。

 ユーロ・ドルは、目先は1ユーロ=1.43〜1.45ドル台で安定した推移が見込まれます。米国の経済指標が好転して、欧米市場の株高となれば、リスク指向が高まって、1ユーロ=1.45ドルを固めて一段高となりそうです。ただ、経済指標がさえないようなら、1.43〜1.44ドルを中心とするレンジ相場が続きそうです。重要な経済指標の発表が相次ぐため、指標の結果によって一喜一憂しやすい展開となるでしょう。

【米国債と同一歩調で推移する金価格】
 欧州の債務危機や米国債の格下げ、それに伴う世界的な株価の乱高下でドル建て金価格は一時1,900ドルの大台に乗せました。リスク回避の動きから資金が現物資産である金に向かいました。また、米国債は格下げされたものの、リスク回避の動きから巨額の資金が向かうのは結局米国債ということになり、米国債は買われて米長期金利は低下することとなりました(債券価格の上昇=金利の低下となります)。

 グラフはドル建て金価格と米10年債利回りを示しています(利回りは逆目盛)。最近は見事に連動しています。グラフ全体の期間では、両者の相関はマイナス0.79となりますが、7月1日以降に限るとマイナス0.96となっています。

 相関係数とは、-1.0〜1.0の範囲で動き、1.0で完全に同じ動き、-1.0で全く逆の動き(逆相関)、ゼロなら相関なしと判断されます。この数字が1.0に近いほど値動きが似ていると言え、0.8〜0.9なら極めて相関が高いと判断できます。上記のように-1.0に近ければ逆に動きやすいということを示しています。

 米10年債利回りと金が強い逆相関ということは、米10年債と金価格が連動しているという意味です。特に7月以降は米10年債と金価格はほぼ同じ動きをしていると判断できます。金価格はCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)による証拠金の引き上げや買われ過ぎ感から23日以降、高値から値を崩しましたが、米国債も下落して米金利は上昇に転じました。両者はよく似た動きをすることもあり、金価格と見る上では、米国債や米長期金利の動きにも注目しておきたいところです。



2011年8月29日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

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