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外為マーケットコラム

ドル・円は76〜78円台での推移、ユーロ・ドルは上値の重い展開か

【ドル・円はレンジ相場ながらやや水準が切り上がる】
 6日にスイス国立銀行(中央銀行)は、スイスフラン高に対応するため、対ユーロで1ユーロ=1.20スイスフランの目標値を設定する通貨政策を導入しました。スイスフラン高を阻止するため、無制限での為替介入を打ち出しています。

 この発表を受けて、ユーロ・スイスフランやドル・スイスフランは急騰しました(いずれもスイスフランが急落)。対スイスフランでのドルの急騰を受けて、対円でのドル高が進んでドル・円も一時1ドル=77円台後半まで円安に振れました。ドル・円はそれまで76円台を中心にもみ合いを続けていましたが、日本の金融当局が何もせずに円安へ振れる結果となりました。

8日にオバマ米大統領が議会で、約4,470億ドル(約35兆円)規模の雇用対策を提案しました。内容は給与税の減税や失業給付金の援助措置、インフラ整備などが含まれています。実現すれば米経済にとってプラスになるとの見方が広がっているものの、実現に向けて民主・共和両党がどう折り合いをつけるかが注目されます。実現の可能性が高まると株高、ドル高につながりそうです。

 米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は8日に講演を行い、成長を支援して失業率を低下させるための努力を惜しまないとの見解を示しました。ただ、具体性に乏しく市場の失望を誘う内容となっています。なお、議長は次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)で引き続き協議する意向を示しています。

  9月20〜21日に開催されるFOMCで、追加金融緩和策が打ち出されるとの期待が高まっています。市場ではFRBが保有している米国債など保有債券の残存期間を長期のものに延ばすツイストオペなどが実施されるとの見方が広がっています。これが実施されると、より長期の金利が低下することとなります。

ドル・円は各国の経済情勢などを眺めつつ、1ドル=76〜77円台での推移を続けています。今後も米国を中心とする経済統計やユーロ圏の債務問題、要人の発言などに左右されながらも、1ドル=76〜78円台での動きとなりそうです。対スイスフランでのドルの急騰を受けて、ドル・円の水準が76円台から77円台に切り上がっており、78円台も目前に迫ってきました。

【ユーロ・ドルは上値の重い流れか】
   ギリシャの債務危機への懸念が広がっています。ギリシャの10年債利回りは20%を超えている上、2年債利回りは実に56%を超える水準まで上昇しています。ギリシャの危機的な財政状況がより深刻度を増していると言えます。ギリシャはユーロ圏の離脱もうわさされていますが、ドイツのメルケル首相は「その可能性は全くない」と否定しています。

 ドイツのショイブレ財務相は、9月中の実施予定のギリシャ向けの次回融資の80億ユーロ(110億ドル)について、国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行(ECB)、欧州連合(EU)で構成する調査団の報告が前向きな内容とならなければ、実施されないとの見解を示しました。ギリシャ経済の落ち込みが深刻で、財政赤字削減が遅れているためです。

 ギリシャと調査団は、ギリシャが財政健全化の遅れを取り戻す方法などに対する意見の対立から次回融資に関する協議を中断しており、調査団は今月中旬より再びギリシャと協議を行う予定です。ギリシャが追加の財政赤字削減策を受け入れなければ、次回融資が実行されず、デフォルト(債務不履行)への懸念が高まります。

 また、ECBはスペイン、イタリアの買い入れを行っているもようです。スペインの10年債利回りは5%前後まで低下しています。ただ、ECBの買い入れにも関わらず、イタリアの利回りは5.3〜5.4%付近で下げ渋っており、これは同国の債務問題への懸念が背景にあるようです。

 8日には欧州中央銀行(ECB)の理事会で政策金利を1.5%に据え置きました。その後のトリシェ総裁の記者会見で、ユーロ圏のインフレリスクは「おおむね均衡している」と前月までのインフレを警戒する判断を修正しています。また、ユーロ圏の景気は下方リスクが高まっているとして、利上げ休止を示唆しました。

9日には、ECBのシュタルク専務理事は、ECBによる国債買い入れに抗議する格好で辞任を表明しました。これでユーロ圏への債務危機への懸念が一段と高まり、ユーロには圧迫要因となっています。

こうした中、ユーロ・ドルは1ユーロ=1.36ドル割れまで下落するなど、下値を探る動きとなっています。ECBは景気動向次第で利下げに動く可能性も出ており、ギリシャを中心とするユーロ圏の債務問題への懸念、さらにECBのシュタルク専務理事の辞任表明などを受けて、上値の重い展開を続けそうです。ギリシャへの次回融資が凍結されるような事態となれば、1ユーロ=1.30ドルまでの下げも視野に入ってきます。

【豪ドル・円は季節的に上昇へ転じる展開か】
 グラフは豪ドル・円の過去の季節性データと今年の価格の推移を示しています。青の線は過去のデータを指数化したものです。1年間の安値をゼロ、高値を100として、それを2001〜2010年(過去10年分)を平均したのが青の線です。これでおおよその過去の季節的な値動きを把握することができます。赤の線は今年の値動きで、指数でなく価格そのものです(右軸)。

 両者のグラフを比べると、異なる動きをしている部分もありますが、おおむね似たような動きとなっています。過去のパターンでは9月と10月は上昇傾向で推移しやすくなっており、この時期は1年で最も顕著に上昇トレンドが出る時期でもあります。

 このパターンを踏襲するとすれば、今後は上昇トレンドで推移することが見込まれます。この先、押し目があれば秋口の一段高へ向けて、買い場となるかもしれません。過去のパターンはあくまでも過去データの平均であり、必ずしも今年も同様の値動きをするとは限りません(当たり前ですが)。ただ、見通しの立てにくい先行きを予測する判断材料のひとつとなりそうです。



2011年9月12日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

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