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外為マーケットコラム

ドル・円は76〜78円台での推移か、ユーロ・ドルは上値重い

【円は欧州債務危機の影響で堅調】
 ギリシャのデフォルト(債務不履行)が懸念されており、債務危機がイタリアやスペインへ波及するとの警戒感もあって、リスク回避の動きから円は買われやすくなっています。ドル・円は1ドル=77円台でのもみ合いからじり安となり、76円台まで下落しています。

 ただ、一方で欧州債務危機の影響でドルも買われやすくなりました。ユーロ、円、ポンド、スイスフランなどから構成されるドル・インデックスは、8月29日の73.525から9月12日には77.784まで上昇しており、約7カ月ぶりの水準まで上昇しました。その後、上昇一服となる場面もみられましたが、格付け会社スタンダード&プアーズによるイタリアの格下げなどから、ドル・インデックスは再び上昇しています。リスク回避の動きとなった場合、円とともにドルも買われやすくなったことから、ドル・円は一方的な円高が進みにくくなっています。

ギリシャをはじめとする欧州債務問題に関して、今後、欧州の各国がどのような対応をするかが焦点となります。また、9月21〜22日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)で、どのような追加緩和策が打ち出されるかも注目されます。市場では、ツイストオペが導入されるとの見方が強まっています。

 ツイストオペとは、米連邦準備理事会(FRB)がバランスシート上に占める長期国債の比率を高め、より長期の金利を低下させるオペレーションです。ツイストオペが導入されても償還を迎えた債券を長期国債の購入に振り向けるといった内容にとどまれば、長期国債の利回りは低下するものの、株式市場などへ与えるインパクトは限られそうです。

 短期国債を売って、長期国債に入れ替えを行う積極的なオペとなった場合、長期金利は低下するものの、短期金利は上昇に向かう可能性が出てきます。その場合、日米の2年債の利回りの差に連動しやすいドル・円にはドル高/円安に振れる要因となります。

ただ、ドル・円は極端に一方向へ動く可能性は低く、引き続きレンジ相場が続くとみられ、1ドル=76〜78円台での推移が見込まれます。FRBがツイストオペで短期債を売却に動くこととなれば、78円を超えて円安が進む可能性もありますが、80円に乗せるのは難しいでしょう。なお、逆に円高が進んでも76円に接近すれば、当局による介入警戒感から、円高進行は食い止められそうです。

【ユーロ・ドルは上値の重い動き】
   ユーロ・ドルは、ギリシャを中心とする債務危機の影響に振り回されています。一時1ユーロ=1.35ドルを割り込んだものの、その後は安値から値を戻しました。ただ、ギリシャのデフォルト(債務不履行)懸念は根強く、格付け会社スタンダード&プアーズによるイタリアの格下げなどもあって、ユーロ・ドルは再び下げに転じています。

 市場関係者や当局者からも「ギリシャのデフォルトは時間の問題」「秩序ある国家破綻の道を用意すべき」といった声も出ています。ギリシャが追加の財政再建策により、国際通貨基金(IMF)や欧州連合(EU)から次回の融資を受けられれば、当座の危機はしのぐことができそうです。ただ、それは一時しのぎの対応にとどまる可能性もあります。実際問題、ギリシャは過去に何度も融資を受けつつ危機をしのいできたものの、緊縮財政策が計画通りの結果を出しておらず、今回は改善に向かうと考えるのは楽観的過ぎるとの見方も出ています。

 また、欧州最大の経済国であるドイツでは、ギリシャなど財政規律を満たせない南欧諸国への支援に対する抵抗が根強くあります。ドイツのメルケル首相が、外部の支援に対するドイツ国内での抵抗を抑えて、国内の意見統一をできるかどうかも懸念材料となってきそうです。それができないと債務問題の解決への道が遠のくこととなるでしょう。

 格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、14日にフランスの大手銀行のソシエテ・ジェネラル、クレディ・アグリコルを格下げしました。BNPパリバについては、結論を持ち越し、見直しの期間を延長します。ギリシャ向けの投融資を多く抱えることが格下げの要因となっています。なお、フランスの銀行の格下げ懸念を背景に欧州の銀行のドルの調達金利が上昇を続けていました。ただ、日米欧の主要中央銀行によるドル資金供給を発表したことで、欧州銀行のドル資金調達への懸念はやや後退しています。

 前週末に開催されたEU財務相非公式会合では、従来のギリシャ支援を確認するにとどまり、具体的な支援策が出ずに市場には失望が広がりました。また、19日に格付け会社スタンダード&プアーズはイタリアの格付けを1段階引き下げ、見通しを「ネガティブ」とするなど、ユーロには次々と圧迫要因が出てきます。

ギリシャと、EU、IMF、欧州中央銀行(ECB)による次回融資への協議は継続しており、これが合意に達すれば融資が実行されて、目先の懸念は後退するでしょう。ただ、それは一時しのぎにすぎず、時間の経過とともに再びギリシャの債務問題はユーロの圧迫要因となりそうです。

ギリシャの破綻は回避されるとみられますが、デフォルトへの懸念は根強く残ります。ユーロ・ドルは一時的に戻すことはあっても、売り圧力は根強く、1ユーロ=1.35ドル割れへ向けて下落しそうです。ギリシャへの次回融資が実行されないか、交渉が難航して融資の実行に時間を要するようだと、さらに下落することとなるでしょう。

【ギリシャの利回りは高水準】
 ユーロ圏では、ギリシャのデフォルト(債務不履行)を回避するために様々な努力が続けられています。ただ、市場では「ギリシャの5年以内のデフォルト確率は98%」とか「ユーロ圏を脱退して通貨を以前のドラクマに戻す」といったうわさが毎日のように流れています。

 欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)からの次回融資が実行されれば、とりあえずは落ち着きを見せるかもしれません。ただ、市場の見方は懐疑的です。ギリシャ国債の利回りは10年物が一時26%を突破、2年物に至っては一時84%超に達しました。その後若干低下したものの、高水準にとどまっています。

 グラフはドイツを除くと、債務問題が懸念されるユーロ圏の国の10年債の利回りです。イタリア、スペインが5%台で推移して、イタリアの利回りがじりじり上昇していて、やや懸念されています。ギリシャは過去に度重なる支援策により、その都度、危機を乗り越えてきました。ただ、現在のギリシャ国債の利回りの水準からすると、過去と比べて現在はデフォルトへの懸念が一段と強いと言えそうです。



2011年9月20日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

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