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外為マーケットコラム

ドル・円は依然としてレンジ相場、ユーロ・ドルは軟調に推移か

【ドル・円は大きく動きにくい】
 21〜22日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、ツイストオペの導入を決定しました。米連邦準備理事会(FRB)のポートフォリオ上で短期債の保有を減らして、長期債の保有を増やすというもので、長期金利の利回りを低下させる効果が見込まれます。

 2012年6月末までに残存期間が6〜30年の米国債を4,000億ドル買い入れ、残存期間3年以下の米国債を同額売却するというものです。これで米長期金利は一段の低下が見込まれる一方で、米短期金利は上昇が見込まれます。

 米短期金利がじり高で推移した場合は、日米の2年債の利回りの差に連動しやすいドル・円にはドル高/円安に振れる可能性が高まります。市場ではツイストオペの導入を見越して、すでに米長期国債の利回りは低下して、10年債利回りは1.90%を割り込んでいます。

 なお、欧州の債務危機の影響、世界的な景気減速懸念から、ドルが買われやすくなっています。ユーロ、円、ポンド、スイスフランなどから構成されるドル・インデックスは9月に入り上昇傾向にあり、9月12日に77.784まで上昇して、7カ月ぶりの高値をつけました。その後、一時下げたものの、22日には78.798まで上昇して、12日の高値を上抜いています。

 欧州の債務危機の影響や世界的な景気減速懸念から、円は買われやすくなっています。ただ、上記のようにドルも買われやすく、ドル・円は一方向に極端な動きとなりにくい状況が続きそうで、レンジ相場が見込まれます。ツイストオペの影響で日米の短期金利差が拡大して、ドル買い/円売りにつながっても、1ドル=78円台まで円安に振れるのがやっとで、80円乗せは難しいでしょう。

【ユーロ・ドルは債務問題で上値重い】
   ユーロ・ドルは、ギリシャの債務問題が引き続き焦点となりそうです。ギリシャ政府は、欧州連合(EU)、国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行(ECB)から支援を受けるため、公務員給与と年金を削減すると発表しました。EU、IMF、ECBによる3者合同調査団は今週にギリシャ入りして、次回融資の80億ユーロを実行する条件が整ったかを確認する予定となっています。

 次回融資の実行が決まれば、目先の債務危機への懸念は後退することとなりそうです。ただ、ギリシャ国債の利回りは、ピーク時に2年債利回りが84%超、10年債利回りが26%超まで上昇しました。その水準からは低下しているものの、依然として高水準であり、ギリシャの債務問題に対する懸念は依然として残りそうです。融資の実行で問題を先延ばしにしても、デフォルト(債務不履行)は避けられないとの見方も根強く、根本的な解決策が見出せない中、ユーロには圧迫要因としてのしかかりそうです。

 20日に格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)はイタリアの格付けを1段階引き下げ、見通しを「ネガティブ」としました。イタリアの10年債利回りは5.6〜5.7%近辺まで上昇しています。また、S&Pはイタリア国債の格下げを受けて、イタリアの銀行7行を格下げ、見通しを「ネガティブ」としました。債務問題がギリシャから他国へも徐々に波及しつつあることは不安材料です。

 ユーロ・ドルはギリシャの債務問題への懸念が根強く、下げ止まりません。次々と懸念材料が出てくることもあり、ユーロへの売り圧力は続きそうです。リスク回避の動きからドルは買われやすいこともあり、1ユーロ=1.32〜1.33ドル付近まで下落しそうです。ユーロが買い戻されて上昇に転じた場合でも、戻りは限られ、上昇は長続きしないとみられます。

【9月下旬は円高・円安の分かれ道】
 ドル・円は1ドル=76〜78円台付近での推移が続いています。米国で長期金利が低下していることや欧州債務危機の影響で、リスク回避の動きから円は買われやすい状況にあります。ただ、日本の金融当局による介入警戒感もあり、一段の円高の進行は食い止められています。

 2001〜2010年の10年間で、1年を通して円安で終わった年は、2001年、2005年、2006年、2009年の4回、円高で終わったのは2002〜2004年、2007〜2008年、2010年の6回あります。

 グラフでは過去の値動きを指数化したもので、2001〜2010年の平均が青、上記の円安の年だけを平均したものが赤、円高の年だけを平均したものが茶色となっています。いずれも0〜100の指数で表示しています。なお、2011年(緑)は実際の価格となり、右軸で表示しています。

 円高年と円安年では、9月下旬以降の年後半の食い違いが顕著です。ちょうどその時期に差し掛かっており、もし今年が円安で終わる年となるなら、今の時期から年末にかけて大きく円安が進行することとなりそうです。今年が円高で終わる場合、11月下旬にかけてじりじりと円高が進みそうです。

 今年のグラフはどちらかというと円高年の形に近くなっています。ただ、今年は過去のパターンと比べて円高の進行が早い時期から大きく進んでいます。このため、現在の水準からさらに大幅な円高が進む可能性は低く、円高余地は限られそうです。



2011年9月26日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

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