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外為マーケットコラム

ギリシャの債務問題に左右されやすい展開続く

【ドル・円は大きく動きにくい展開か】
 欧州債務危機の影響で、日米欧の株価は不安定な状況が続いています。外国為替市場でも、ギリシャ関連のニュースや材料に一喜一憂する状況となっています。そうした中、リスク回避の動きから円はドルとともに買われやすい展開です。円が買われやすい局面では、ドルも買われやすくなっており、ドル・円は1ドル=76〜77円台でこう着状態となっています。

 これまで資金の逃避先(セーフヘイブン)として買われてきた金が、換金売りに押されて一時1,600ドル割れまで急落するなど、安全資産としての輝きが失われつつあります。株価の乱高下が続くようなら、リスク回避の動きから買われるよりも、換金売りに押されやすい流れとなりそうです。そうなると、金融市場の混乱が深刻化した場合、円が一段と買われやすくなる可能性が高まりそうです。

 米連邦準備理事会(FRB)が保有する残存期間3年以下の米国債を売却して、残存期間が6〜30年の米国債を購入するツイストオペの導入で、米10年債利回りは一時1.70%を割り込んだものの、その後は1.90〜2.00%近辺まで上昇しています(債券価格は下落)。ただ、ギリシャの債務懸念は根強く、世界的な景気減速への懸念もあり、米国債は引き続き資金の逃避先となりそうです。

 欧州の債務危機への懸念が後退すれば、リスク回避の動きが後退して、円は売られやすくなりそうですが、ドルも売られやすくなり、ドル・円は大きく動きにくい展開が見込まれます。ただ、米経済指標の好転などからリスク志向が高まり、米国債が売られて米国の金利が上昇するようだと、やや円安に進みやすくなりそうです。ただ、ドル・円は上昇しても1ドル=78円台までで、それ以上の円安とはなりにくいでしょう。

 逆にギリシャの債務問題が一段と深刻化すると、円もドルも買われやすくなる中、円はじり高での推移が見込まれます。ただ、介入警戒感もあり、仮に1ドル=75円台まで円高に振れても、一時的な動きにとどまりそうです。

 最近の外為市場では、ギリシャの債務問題が中心的なテーマとなっていますが、今週は重要な経済指標の発表が相次ぎます。3日に米ISM製造業景況指数、5日に米ADP雇用統計、米ISM非製造業景況指数、6日に英中銀(BOE)政策金利、欧州中央銀行(ECB)政策金利、7日に米雇用統計など注目度の高い経済指標の発表があるため、ギリシャ問題と合わせて注目しておきたいところです。

【ユーロ・ドルはギリシャ問題への対応次第か】
   欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の機能拡充案は各国の議会で審議されています。これはEFSFが銀行へ資本注入したり、国債を購入できるようにするもので、債務問題解決への対策として期待されています。ユーロ圏加盟17カ国による承認が順次進んでおり、29日にドイツでも議会で承認されました。ドイツの承認により、債務問題への対策が一歩前進したと言えそうです。なお、ユーログループのユンケル議長は10月中旬までに各国での批准が完了する見通しとの見解を示しています。

 レバレッジの活用などEFSFの一段の拡充策については、現在検討が重ねられている段階であり、3日のユーロ圏財務相会合で議論はされるものの、何らかの結論が出るには至らない見込みとなっています。

 EU、国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行(ECB)による調査団がギリシャ入りして、次回融資の是非を判断します。融資が実行される方向に進めば、ギリシャ問題への懸念は一時後退しそうですが、状況は不透明です。また、29日のイタリア国債入札で、10年債利回りはユーロ導入後の最高水準となる5.86%となり、ギリシャ以外の国への懸念が広がっていることが意識される結果となっています。

 ユーロ・ドルはギリシャの債務危機に対する当局者の発言や対応などに振り回される状況が続きそうです。10月3日のユーロ圏財務相会合、4日のEU財務相理事会、17日のEU首脳会議で債務問題の解決へ向けて具体的な進展が見られるかどうかが注目されます。

 明るい見通しが立てば、ユーロ・ドルは1ユーロ=1.38〜1.39ドルへ向けて上昇する可能性が出てきます。ただ、ギリシャの債務問題は根本的に解決するわけではなく、1.40ドル乗せは難しいでしょう。逆にギリシャへの次回融資が見送られるか、融資の実施時期が先送りされるようなら1.30ドルへ向けて下落することとなるでしょう。

【豪政策金利発表後は豪ドルが下げやすい展開に】
 過去数カ月を振り返ると、オーストラリア準備銀行(RBA)による豪政策金利の発表後は豪ドル・ドルが下げやすい傾向にあります。グラフは豪ドル・ドルの日足チャートです。緑の印はRBAによる政策金利の発表日となっています。

 これによると、下げ幅や期間は月によって異なっていますが、今年の5月以降は政策金利の発表後は豪ドル・ドルが下げに転じる傾向が見て取れます。これは金利引き上げ期待により事前に買われていたものの、利上げが見送られたり、利上げ期待が後退したりといったケースが多くみられます。また、事前の買われていたものの、政策金利発表後は利益確定の売りに押されることもあったようです。

 ただ、最近のケースは政策金利発表前に豪ドル・ドルが事前に上昇していたことがほとんどです。次回(10月4日)の発表前には豪ドル・ドルは大きく崩れた後でもあり、過去のような「政策金利発表後に豪ドル安」のパターンとなるかが注目されます。



2011年10月03日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

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