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外為マーケットコラム

欧州債務危機への対応に注目

【ドル・円はもみ合い継続か】
 21日には円が買われて、一時戦後最高値となる1ドル=75.82円付近まで円高が進みました。ただ、75円台での推移は短時間にとどまり、その後は76円台で推移しています。23日の欧州連合(EU)首脳会議では、銀行支援などで若干の進展はみられたものの、結論は26日に再度開催されるEU首脳会議に持ち越されました。

 米経済指標は強弱入り混じっているものの、予想を上回るケースも散見され、また、企業決算もまちまちながら好決算の企業も多く、景気の先行きは悲観一色というほどではありません。米国の景気の2番底懸念は行き過ぎとみられます。このため、ツイストオペで米長期債が買われているものの、米10年債利回りは2.20%近辺となり、2%割れで推移していた一時期と比べて、高めで推移しています。米長期金利がじり高で推移すればドル・円には下支え要因となりそうです。

 ドル・円は欧州債務危機の克服への明確な道筋が示され、米国を中心に景気に楽観的な見通しが広がれば、現在のこう着状態を上に抜けて、1ドル=78円以上へ上昇することとなりそうです。ただ、そうならなければ1ドル=76〜77円台でのもみ合いが継続しそうです。75円台まで円高が進むことはあっても、一時的なものにとどまりそうです。

【EU首脳会議に注目】
 23日にEU首脳会議では、債務危機の影響を受ける銀行への資本増強などで合意に近づき、欧州債務危機の克服へ向けて若干の前進がみられました。なお、銀行の資本増強に必要な金額は1,000〜1,100億ユーロの規模となりそうです。EU首脳会議は26日に再度開催され、そこでどこまで債務危機への対応策が具体化するかが注目されています。

 サルコジ仏大統領は、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)を銀行へ転換して、欧州中央銀行(ECB)からの資金提供を受けることもできるようにするという案をドイツの反対で取り下げました。この結果、EFSFの強化については、発行される国債にEFSFは保証をつけることで、実質的な強化につなげるといった案が出ています。

 ギリシャ国債の民間部門(金融機関)の負担については、元本の減免率を7月に合意した21%から50〜60%に引き上げる案が有力となっています。これにより損失を被る金融機関への資本増強額が1,000億ユーロ前後と見込まれていますが、市場の一部では不十分との見方も出ています。

 26日に開催されるEU首脳会議で、市場の不安を払しょくできるような合意がどの程度まとまるかが注目されています。ユーロ・ドルは、EU首脳会議で欧州債務危機への明確な対応策が示されるようなら、1ユーロ=1.40ドルへ向けて上昇することが見込まれます。ただ、危機克服へ向けての対応策がまとまらないようだと、失望売りに押されて、1.35ドルへ向けて下落することとなりそうです。

【国によって格差の目立つユーロ圏利回り】
 グラフは国名の頭文字をとって「PIIGS」と呼ばれるユーロ圏周辺国のポルトガル、アイルランド、イタリア、ギリシャ、スペインの5カ国に加えてドイツの10年債利回りを表示したものです。

 リスク回避の動きが強まると、ドイツ国債が買われる傾向にあり、ドイツの利回りは低下に向かいます。逆にその他の国の国債は売られて、利回りが上昇する傾向にありました。ただ、最近ではその状況に一部変化が生じています。

 ギリシャの利回りは25%近辺で高い状況が続いています。イタリアは財政問題が懸念されて利回りは緩やかに上昇しています。ただ、アイルランド(青)はピーク時の14%台から、8%近辺まで低下しています。アイルランドは銀行の不良債権問題で苦しんでいましたが、他国に先駆けて公的資金による主要銀行への思い切った資本注入により、市場の信頼を回復しつつあります。

アイルランドは金融機関の再建に一定のメドが立ったこともあり、財政再建策を加速する方針を打ち出したことも、利回りの低下につながりました。債務問題で苦しむユーロ圏やその他の国にとっては、迅速で大規模な政策により、市場の信頼を取り戻すことのできる好例と言えるでしょう。



2011年10月24日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

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