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外為マーケットコラム

欧州債務危機への懸念根強く、ユーロ・ドルは一段安か

【ドルは堅調な動き】
 欧州債務危機の影響で、ドルが買われやすくなっています。同様に円も買われやすいことで、ドル・円はもみ合いで方向感なく推移しています。ドル・円は1ドル=77〜78円台での狭い範囲での動きとなっており、動意を欠いた展開です。

 債務危機を背景に主要国の株価が不安定な動きを見せる中、安全資産として米国債が買われており、10年債の利回りは再び2%を割り込んでいます。以前は資金の逃避先(セーフヘイブン)として金にも資金が流入しましたが、ドル建て金現物は一時1,600ドル割れまで下落するなど、不安定な金融市場で換金売りに押されています。債務危機が長引くと、金は従来の輝きを失い、金価格は一段と下値を探る展開となりそうです。

 13日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利は据え置かれ、金融政策は現状維持となりました。市場の一部では量的緩和第3弾(QE3)へ言及することを期待する向きもあったようですが、それがなかったことで、この日の米国株は失望売りから下落しました。米国の経済指標は堅調なものが多いことから、一段と金融市場が混乱しない限り、目先はQE3が現実のものとはなることはないでしょう。

 ユーロ、円、ポンド、スイスフランなどから構成されるドル・インデックスは、12月14日に80.73まで上昇して年初来高値を更新して、その後も高値圏で推移しています。ユーロが売られやすい地合いが続く中、ドルの堅調な動きは続くこととなりそうです。

 ドルが堅調な推移が見込まれる中、円も買われやすく、ドル・円は引き続き、1ドル=77〜78円台でのレンジ相場が見込まれます。78円に乗せると輸出筋などによるドル売りに押されやすくなっており、79円まで上昇するのは難しそうです。

【ユーロ圏の国債の格下げに警戒】
 欧州債務危機への対策はやや手詰まり感があります。危機対策について、これまでに何度も会議を重ねてきたものの、市場が納得するような実効性のある対策が実施されていないためです。ユーロ共同債についてはドイツの強硬な反対で実現せず、また、欧州中央銀行(ECB)は国債の買い入れ拡大については否定的です。

 また、恒久的な安全網として期待される欧州安定メカニズム(ESM)は発足時期を2012年7月と、当初の予定よりも前倒しにしたものの、規模は最大で5000億ユーロに限定されており、債務危機克服のためには不十分との見方も広がっています。

 格付け会社フィッチ・レーティングスは15日に欧州債務危機の影響を受ける可能性が高いとして、米バンク・オブ・アメリカ、米ゴールドマン・サックス、ドイツ銀行、英バークレイズ、仏BNPパリバ、クレディ・スイスの金融大手6社の格付けを引き下げました。また、格付け会社スタンダード&プアーズはスペインの銀行10行の格付けを引き下げています。

 8〜9日に開催された欧州連合(EU)首脳会議での合意事項について、格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスやフィッチ・レーティングスは厳しい評価を下しており、ユーロ圏の国債が格下げされる可能性が現実味を帯びています。

 16日にフィッチは、フランスの「トリプルA」格付けを確認したものの、格付け見通しを従来の「安定的」から「ネガティブ」に変更しています。また、スペインとイタリアを含むユーロ加盟6カ国の格付け見通しを「ネガティブ」に引き下げています。

 欧州債務危機への懸念が根強い中、14日にユーロ・ドルは一時1ユーロ=1.30ドルを割り込む水準まで下落しました。その後、15日のスペイン国債の入札が堅調だったことで、ユーロ・ドルは安値からは戻しています。

 ただ、戻りは一時的な動きとみられ、債務危機打開へ具体策が打ち出されない限り、ユーロ・ドルは一段安となり、年初来安値である1月10日の安値1.2867ドルを更新する可能性が高まりそうです。ここを割り込むと1ユーロ=1.26〜1.27ドル前後まで下落することとなるでしょう。

【日経平均は年末に向けて上昇か?】
 欧州債務危機の影響で、各国の株価は乱高下する状況が続いています。NYダウは1万2000ドル付近でもみ合いとなっていますが、ドイツのDAX指数は直近の高値から軟調な動きを見せています。中国の上海総合指数は同国の景気減速の懸念もあり、下げトレンドが続いています。

 こうした中、日経平均は11月に9000円の大台を割り込み、一時8100円台まで下げた後に安値からはやや持ち直しています。グラフは日経平均の推移で、青は過去10年、ピンクは過去5年の値動きを指数にしたもので、0〜100で示しています(左軸)。これで毎年の季節的な傾向を知ることができます。緑は今年の価格で、右軸で表示しています。

 これによると、今年の前半は過去の季節パターンとは異なる動きをしていましたが、後半になるとかこの季節的な動きをなぞっています。11月下旬の下げ止まりから反発も過去のパターンとおおむね一致しています。このパターンを見る限りは、日経平均は今後、年末にかけて上昇基調で推移する可能性があると見ることができそうです。



2011年12月19日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

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