FX・為替比較はALL外為比較

  • FX会社を探す
  • FXの基礎知識
  • Q&A
  • 外国為替マーケット予想

ALL外為比較 > 外為マーケットコラム > ユーロ・ドルは債務問題次第で再び下落か

外為マーケットコラム

ユーロ・ドルは債務問題次第で再び下落か

【年始のドル・円は動きにくい展開か】
 年末の最後の週は、クリスマス休暇や年末年始の影響で、市場参加者が休みに入ったことから、低調な商いとなり、主要通貨の値動きも小幅なものとなりました。経済指標も目立ったものは少なく、模様眺めムードの続く1週間でした。年末の12月30日にドル売りの動きから、ドル・円は1ドル=76円台まで下落したものの、あまり目立った動きの見られない月となりました。

 12月30日の時点で今年12月の値幅は1.33円にとどまり、12月としては1990〜2010年の21年間の平均である5.34円を大きく下回っています。また、1980年以降で最も値幅の小さかった1994年12月の2.00円を下回るなど、値動きの乏しい月となりました。

 今後の為替市場は、欧州債務危機に左右されやすい展開が見込まれるものの、リスク志向が高まると円とドルは両方売られて、リスク志向が後退すると円とドルが両方買われて、ドル・円は引き続き動きにくくなりそうです。

 年始は、米国では米ADP雇用統計(5日)、ISM非製造業景況指数(5日)、雇用統計(6日)などの注目度の高い統計の発表が相次ぎます。最近の米経済指標は良好なものが多く、これらの統計が予想を、上回るようならリスク志向の高まりで、円もドルも売られやすくなりそうです。こうした中、ドル・円は1ドル=76〜78円台で狭いレンジでの値動きが見込まれます。

【欧州債務危機への懸念は根強い】
 クリスマス休暇や年末年始を控えて、ユーロ・ドルは小幅な値動きが続いていましたが、欧州債務危機への懸念から、12月29〜30日にユーロ売りの動きとなり、一時1ユーロ=1.2855ドルまで下落して、年初来安値(1月10日安値1.2867ドル)を更新しました。

 12月21日に欧州中央銀行(ECB)が実施した3年物の資金供給オペで、523の金融機関に4892億ユーロを供給しました。ECBによる供給額が市場予想の1.5倍程度と大きかった上、調達に動いた金融機関が500を超えたことで、欧州金融機関の資金繰り懸念が広がることとなりました。

 また、ここで調達された資金は一部が欧州の国債購入へ向かうと期待されたものの、資金の大半が手元流動性を確保することが目的となっているとの観測が広がりました。ECBの12月28日の発表によると、翌日物預金残高が4520億ユーロと過去最高となりました。これは銀行が資金を溜め込んでいることを示しています。

 12月29日のイタリア国債入札では、10年債の平均落札利回りが6.98%となり、11月末の前回の入札時の7.56%からは低下したものの、危険水域と言われる7%付近で高止まりしました。ECBのオペによる資金供給が国債購入に向かわず、金利低下につながっていないことが示されています。また、イタリアは来年1〜3月に530億ユーロもの国債償還を迎えると伝えられており、イタリアの財政問題への懸念は根強く残るものとみられます。

 年が明けてから、米ISM製造業景況指数、ドイツの雇用統計、中国の購買担当者景気指数(PMI)などの経済指標が良好で、リスク回避の動きが後退して、ユーロ・ドルは1ユーロ=1.30ドル台まで値を戻しました。

 経済指標の好転はユーロにはプラス材料となるものの、欧州債務問題への懸念は根強く、今後のユーロ・ドルは上値の重い展開が見込まれます。もし、格付け会社によるユーロ圏の格下げなどが出てくれば、1ユーロ=1.25〜1.26ドルへ向けて下落する可能性も出てきます。ユーロ・ドルは売りが積み上がっており、買い戻しの動きから一時的に戻しても、戻りは売られやすい展開となりそうです。

【明確なバイアスの出にくい1月の動き】
 グラフは、2002年〜2011年の過去10年間の1月の陽線確率を示しています。陽線とは終値の方が始値よりも高いということ(ここでは月足ベース)であり、陽線確率が高いとは、ドル・円とクロス円は円安になりやすく、ユーロ・ドルはユーロ高/ドル安になりやすいということを示しています。

 1月の陽線確率は、ポンド・ドルは70.0%と陽線になりやすく(すなわちポンド高/ドル安になりやすい)、数値が目立っています。ドル・円、豪ドル・円、ポンド・円は50.0%とバイアス(偏り)がありません。豪ドル・ドル、ユーロ・円、ユーロ・ドルは40.0%とやや陰線になりやすいものの、それほど極端な偏りはみられません。

 ポンド・ドルは1月に上昇しやすく、買い優位と言えそうです。ユーロ・円やユーロ・ドルはやや売り優位ですが、それほど明確なものではありません。通貨以外では、原油は50.0%とバイアスがなく、ドル建て金は60.0%、NYダウは40.0%となっています。例えば、8月だと円高に偏りやすいといった月ですが、1月は通貨も金や原油も極端な偏りの出にくい月と言えそうです。



2012年1月4日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

 オーバルネクストは、国内外の先物取引や為替情報に関する各種のニュースやデータを配信、またこれらの情報に伴うシステム開発を行っております。スピードと正確性に富むニュースやデータの配信に加え、オーバルネクスト独自の情報分析を含む各種コンテンツを一般投資家や各種ブローカーの皆様へ幅広く提供しています。
詳しくはこちらをご覧ください

コラム一覧へ戻る

当社は「ALL外為比較」に掲載される情報(以下「掲載情報」といいます。)の完全性および正確性を保証いたしません。

また掲載情報は、将来における結果を示唆するものではありません。

したがいまして、お客様において掲載情報に基づいて行動を起こされた場合でも、当社はその行動結果について何らの責任も負担いたしません。

掲載情報に基づく行動は、お客様の責任と判断によりお願いいたします。掲載情報は、金融商品の売買等の勧誘を意図したり、推奨するものではありません。

お客様において掲載情報に含まれる金融商品の売買等の申込等をご希望される場合には、その掲載情報に記載の金融機関までお客様ご自身でお問い合わせください。

当社はお問い合わせに関し対応いたしかねます。

掲載情報のうち「外為マーケットコラム」等に関しましては、著作権法等の法律により保護されており、

個人の方の私的使用目的以外での使用や権利者に無断での他人への譲渡、販売コピーは認められていません。