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外為マーケットコラム

欧州債務問題に振り回される展開が続く

【ドル・円は動きにくい展開が続きそう】
 ドル・円は昨年12月に1ドル=77〜78円台でのもみ合いが続いたものの、昨年末にやや弱含んで、1ドル=76円台まで下落しました。その後は76〜77円台で一進一退の動きが続いています。また、欧州債務危機への懸念を背景にユーロ・円は1ユーロ=100円を割り込み、一時97円台前半まで下落しました。

 米経済指標は比較的良好なものが多くみられます。本来ならそれを好感して、米国債が売られて米長期金利がもっと上昇してもいいはずです。ただ、欧州債務危機による安全資産への逃避需要は根強く、米国債が買われて米長期金利は上昇しにくい構図となっています。

 良好な米経済指標は米株高、ドル高につながりやすく、本来ならドル・円はもっと上昇してもおかしくないはずですが、欧州債務危機への警戒感から円も買われやすく、対ドル、対ユーロともにあまり大きく円安には振れないでしょう。

 ドル・円は昨年末に1ドル=76円台に下落したものの、それほど大きな動きを見せておらず、引き続きレンジ相場が続く可能性が高そうです。今後は1ドル=76〜78円台での推移が見込まれます。ユーロ・円は債務危機の克服へ向けて明るい材料が出てこない限り、上値は重く、1ユーロ=95円前後まで下げる可能性も出てきそうです。

【欧州債務危機への警戒感が続く】
 ユーロ・ドルは良好な各国の経済指標などを背景に年初に一時1ユーロ=1.30ドル台後半まで上昇したものの、欧州債務危機への警戒感から、再び下げに転じました。ユーロ圏の銀行が増資で苦戦するとの思惑やフランス国債の入札での利回り上昇、イタリア国債の利回りの高止まりなどが圧迫要因となっています。

 イタリアの大手銀行ウニクレディトが、資本増強のために大幅な割引価格で株主割当増資を実施することが明らかになったことで、ユーロ圏の金融機関の増資では同様の事態が広がることが懸念されています。

 欧州中央銀行(ECB)によると、6日の翌日物預金残高が4635億6500万ユーロと過去最高となりました。昨年12月下旬から高水準で推移しています。これは、銀行が潤沢な資金を抱えているものの、債務危機への警戒感から銀行間での貸し渋りにより、銀行間市場の機能が低下していることを示しています。ECBは昨年12月21日に3年物のオペで銀行へ低利で潤沢な資金供給を実施したものの、銀行間市場やユーロ圏の国債購入には向かわずに銀行の手元流動性の確保に向けられています。

 5日に実施されたフランス国債の入札では、10年債の平均落札利回りは3.29%となり、前回入札時(12月)の3.18%を上回りました。応札倍率は1.64倍となり、前回の3.05倍から低下しています。市場では、おおむね堅調な入札となったとの見方があるものの、トリプルA格付けが引き下げられる可能性を警戒して、利回りは上昇しました。フランスの格下げへの警戒感はユーロの圧迫要因となっています。

 目先は今週実施されるスペインやイタリアの国債の入札が注目されます。イタリアの10年債利回りは危険水域といわれる7%付近で高止まりしており、このまま金利水準が高止まりすると、今後のイタリアの資金調達が危惧されます。なお、12日にはECBの理事会が開催されます。政策金利は据え置きとの見方が優勢ですが、一部には利下げに動くとの見方もあります。また、債務危機への対応のため、ECBが新たな手段を講じるかどうかも注目されます。

 9日にドイツのメルケル首相とフランスのサルコジ大統領による首脳会談が行われました。内容は新鮮味に乏しく、インパクトには乏しいものとなりました。ドイツのメルケル首相がギリシャへの第2次支援について、民間債権者との債務再編についての交渉で大きな進展がなければ次回融資を実施できないとの表明したことで、ギリシャの債務問題が改めて意識されました。

 ユーロ・ドルは欧州債務問題を背景に上値の重い展開となりそうです。割引価格での銀行の資本増強や格付け会社によるユーロ域内の国の国債の格下げ、各国の国債入札による利回りの上昇などにより、一段と下落する可能性が高まります。悪材料が出てくると、1ユーロ=1.25ドルへ向けて下落しそうです。買い戻しの動きから一時的に上昇しても、戻りは売られやすい展開が見込まれます。

【方向感の出にくい米大統領選の年のNYダウ】
 グラフは過去のNYダウの値動きを指数化したものです。ピンクのグラフは1990〜2011年のデータを元に作成した季節性です。1年の値動きを0〜100で示しています。青は1984〜2008年の過去7回の米大統領選の年のデータで値動きを指数化しています。

 1月の陽線確率は、ポンド・ドルは70.0%と陽線になりやすく(すなわちポンド高/ドル安になりやすい)、数値が目立っています。ドル・円、豪ドル・円、ポンド・円は50.0%とバイアス(偏り)がありません。豪ドル・ドル、ユーロ・円、ユーロ・ドルは40.0%とやや陰線になりやすいものの、それほど極端な偏りはみられません。

 例年のパターンでは、年初から年の前半はおおむね上昇して、その後は秋口にかけて調整局面となり、年の後半に再び上昇するといった季節性を描きます。ただ、大統領選の年に限ると、年後半の上昇だけは例年と似たパターンとなるものの、それまでは明確な方向感に乏しい展開となります。

 2008年の前回の米大統領線の年のNYダウは、前半はもみ合いで推移していたものの、サブプライム問題で徐々に下落してゆき、9月15日のリーマン・ブラザーズの破綻(リーマン・ショック)の影響で暴落しました。今年は欧州債務危機を乗り越えて上昇できるかが注目されますが、波乱に満ちた1年となりそうです。



2012年1月10日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

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