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外為マーケットコラム

ユーロ・ドルは一段高の可能性、ドル・円はレンジ相場か

【ドル・円は貿易赤字で一時円安に】
 25日に発表された2011年の日本の貿易収支は2兆4927億円の赤字となり、通年では31年ぶりの赤字となりました。これを受けて円売りの動きとなり、ドル・円は一時1ドル=78円台前半まで円安に振れました。

 米国の25日(日本時間の26日未明)に発表された米連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明では、異例の低金利を従来の「2013年半ばまで」から「2014年終盤まで」延ばす方針を示しました。これを受けて、対主要通貨ではドル売りの動きとなりました。

 米国では経済指標はおおむね良好でしたが、2011年第4四半期の米国内総生産(GDP)が前期比年率2.8%増と事前予想(同3.0%増)を下回りました。これで欧米株の上昇が一服して、米10年債利回りは1.89%付近まで低下しました。ドル・円と連動性の高い米長期金利は10年債利回りが2%をやや下回る水準で推移しており、ドル・円を大きく円安方向に傾ける力には乏しそうです。

 今後の経済指標は、30日に米12月個人所得・個人支出、31日に米11月S&P/ケースシラー住宅価格指数、米1月消費者信頼感指数、2月1日に米1月ADP雇用統計、米1月ISM製造業景況指数、3日に米1月雇用統計、米1月ISM非製造業景況指数などの発表があります。良好な内容なら、米株高となり、リスク志向の高まりでドル売りに傾きそうです。ただ、同時に円も売られそうなことで、ドル・円はあまり動かないでしょう。

 ドル・円は、年明け以降、1ドル=76円台後半から77円台前半でのもみ合いが続いた後に、一時78円台まで円安に振れました。ただ、円安の流れは続きにくく、1ドル=76〜78円台でのレンジ相場で推移しそうです。

 なお、欧米市場の株高やユーロ圏での順調な国債入札などから、リスク志向が高まり、オセアニア通貨や資源国通貨などが上昇しています。豪ドル、NZドル、カナダドルなどは堅調な足取りを見せており、目先はこの流れが続きそうです。

【イタリア国債の利回りが低下】
 ギリシャの債務減免交渉が進展しつつあることや、各国の国債入札が順調なこと、米国や欧州の株価が堅調なことから、ユーロ・ドルは上昇傾向にあります。13日に格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)がフランスなどユーロ圏9カ国を格下げした後、ユーロ圏の国債入札は順調で、既発債の利回りもおおむね低下傾向にあり、落ち着きを見せつつあります。

 S&Pに2段階格下げされたイタリアも、26日の国債入札は順調でした。イタリアの10年債の利回り(既発債)は、以前は警戒水域の7%超まで上昇していたものの、6%割れまで低下しています。スペインの10年債利回りも5%割れまで低下しています。

 ギリシャと同国の国債を保有する民間債権者との債務減免交渉は、数日中にも合意する見通しと報じられており、ユーロには支援材料となっています。ギリシャは3月に145億ユーロもの国債償還を控えており、交渉の行方が注目されます。また、S&Pはポルトガルを「投機的」という水準まで格下げしており、ギリシャとの債務減免交渉の結果がポルトガルにも適用されるのではないかとの警戒感もあり、ポルトガルの国債利回りは上昇傾向にあります。

 また、欧州連合(EU)は欧州の銀行に対して、資本増強を求めていますが、普通株の発行による増資や公的資金による資本増強の動きはあまり見られません。公的資金による増資は、経営責任の追求につながる上、経営の自由度を制限される恐れもあり、見送られています。自己資本の増強のために、資産圧縮の動きが中心となりそうで、その場合は貸し渋りによる信用収縮につながり、景気への悪影響が懸念されています。

 ユーロ・ドルは、欧米市場の株価が堅調なことやユーロ圏の国債入札が順調なことから、上昇基調で推移してきました。ギリシャの債務減免交渉が合意に達するようなら、一段と上昇する可能性が高いとみられます。

 ただ、交渉が決裂して、ギリシャがデフォルト(債務不履行)する可能性が高まったり、格付け会社が欧州の銀行を格下げしたりするような事態となれば、上昇トレンドは終わりとなり、再び下げに転じることとなりそうです。なお、30日にEU首脳会議が開催されますが、ドイツのメルケル首相によれば、ここではギリシャ問題よりも欧州の成長・雇用促進策が議題の中心となるようです。

【世界的な株価の上昇は豪ドル・円の上昇要因】
 欧米市場を中心に株価は回復傾向にあり、日本株も円高の影響で出遅れていたものの、堅調な足取りで推移しています。グラフは先進国の株価を指数化したMSCIワールドインデックスと豪ドル・円を表示しています。

 MSCIワールドインデックスは上昇傾向にあり、それと歩調を合わせて豪ドル・円も戻り歩調で推移しています。グラフで表示されている期間の両者の相関係数は0.95となり、1.0に近く極めて高い相関を示しています。

 相関係数とは、2つのデータ間の関連性の度合いを示す指標です。-1.0から1.0の間の数値で示され、プラスの時は2つのデータ間には正の相関があるといい、マイナスなら負の相関があるといいます。すなわち、1.0に近いほど似たような動きをして、-1.0に近いほど逆の動きをします。ゼロに近いときは相関は低く、データ間の連動性はあまりないとみなされます。

 カナダドルなどと並んで豪ドルは資源国通貨という位置づけで、各国の経済成長と密接な関係があります。先進国を中心に株価の回復傾向が続くようなら、豪ドル・円の堅調な流れは続くこととなりそうです。



2012年1月30日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

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