FX・為替比較はALL外為比較

  • FX会社を探す
  • FXの基礎知識
  • Q&A
  • 外国為替マーケット予想

ALL外為比較 > 外為マーケットコラム > 米長期金利は低位安定で、ドル・円は円安に振れにくい展開か

外為マーケットコラム

米長期金利は低位安定で、ドル・円は円安に振れにくい展開か

【FOMC後の米長期金利は低位安定】
 25日に発表された米連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明で、異例の低金利を従来の「2013年半ばまで」から「2014年終盤まで」延ばす方針を示しました。米連邦準備理事会(FRB)による超低金利の長期化方針を背景に米長期金利は低水準にあり、10年債利回りはおおむね2%を下回る水準で、低位安定しています。3日の米雇用統計は予想を大きく上回ったものの、2%は回復していません。

 ドル・円は米長期金利との連動性が高く、米長期金利の低位安定は、ドル・円の上値を抑えやすくなります。また、ギリシャの債務減免協議が決着していないこともあり、リスク回避の円買いも入りやすくなっています。

 米国の経済指標は、まちまちな結果ながら全般的にまずまず良好です。ただ、FRBによる超低金利の長期化方針が根底にあることで、米長期金利が上昇しにくくなっており、ドル・円が大きく円安に振れにくい状況です。

 また、2月は過去10年間で7回が円高に振れており、季節的に円高に傾きやすくなります。2月が円高になりやすいのは、日本企業が決算を控えて、海外へ投資していた資金を自国へ戻すいわゆるレパトリエーションや米国債の利払いや償還の影響によるものとみられます。

 こうした状況を考慮すると、ドル・円は大きく円安方向に進みにくく、目先は1ドル=75〜77円台での推移となりそうです。ただ、円の戦後最高値となる1ドル=75.35円へ接近するようなら、日本の金融当局による円売り介入への警戒感から、円高進行には歯止めがかかりそうです。

【ユーロ圏の国債利回りは低下傾向】
 ギリシャ政府と民間債務者との債務減免交渉は決着していないものの、交渉は順調に進展していると報じられています。そうした中、ユーロ圏の国債の入札は順調で、既発債の利回りも低下傾向にあります。10年債の利回りはイタリアが一時7%を超えていたものの、6%を割り込んで推移しています。スペインでも5%割れまで低下しています。2日のスペインの国債入札では、利回りが前回入札時と比べて大きく低下するなど、投資家心理は大きく改善しています。

 ギリシャに次いで債務問題の火種になると懸念されたポルトガルは、10年債利回りが一時17%を超えたものの、その後、13%台まで低下しています。同国では2012年の国債償還資金をすでに手当てしていると報じられている上、コエリョ首相が追加資金や支援延長は必要ないと言明しており、同国への警戒感が後退しています。

 昨年12月の欧州中央銀行(ECB)による3年物オペによる潤沢な資金供給が国債の利回り低下や投資家心理の改善に貢献しています。ECBによる3年物オペは今月再び実施されます。これによりギリシャの債務問題を除くと、ユーロ圏の国の国債利回りは一段と低下に向かいそうです。

 今年のユーロ圏の経済成長は鈍化が懸念されるものの、このところの経済指標はそれほど極端に悪化しているわけではありません。このため、ギリシャの債務問題にメドが立てば、ユーロ・ドルは1ユーロ=1.33〜1.34ドル前後まで上昇する可能性が出てきます。

 ただ、ギリシャと民間債務者の債務減免交渉は進展しつつあると報じられているものの、ギリシャは欧州中央銀行(ECB)など公的部門の関与も求めています。これに対して、ドイツのショイブレ財務相は公的部門の債権者はすでに十分貢献したとの見解を示しており、両者の主張は対立しています。自国での努力が不十分な中、支援ばかりを一方的に求めるギリシャに対して、支援する側も苛立ちが募ることとなりそうです。

 もし、ギリシャの債務減免交渉が決裂して、デフォルト(債務不履行)のリスクが高まるようだと、ユーロ・ドルは再び下げに転じそうです。最近あまり話題に上らなくなりましたが、欧州の銀行の資本増強の問題が懸念される可能性も出てきます。格付け会社が欧州の銀行の格下げに動くような事態となれば、ユーロには圧迫要因となりそうです。また、銀行が自己資本比率向上のために貸し出しを圧縮すると、企業の経済活動に悪影響を与えかねず、景気の足を引っ張ることにつながりそうです。

【2月は豪ドルが上昇しやすい季節】
 マーケットには季節的に似たような動きをしやすい習性があり、時にそうした動きがかなり顕著になることがあります。グラフは2002〜2011年の過去10年間について、主要通貨や商品などで2月が陽線で引けた割合を示しているものです。陽線とは終値が始値よりも上昇したことを示しています。

 ドル・円、ユーロ・円、豪ドル・円などは陽線になりやすいということは円安に振れやすいという意味です。豪ドル・ドル、ユーロ・ドルの陽線確率が高いということは豪ドル高/ドル安、ユーロ高/ドル安に振れやすいことを示しています。

 これによると、ドル・円は30%と低く、円は対ドルでは円高に振れる傾向が強いということになります。ポンド・円、ポンド・ドル、ユーロ・円は40〜50%で、それほど目立ったバイアス(偏り)は見られません。ユーロ・ドルは70%とユーロ高に振れやすい傾向が見て取れます。

 なお、最も目を引くのが豪ドル・ドルと豪ドル・円です。それぞれ、90%と80%と極めて高い数値となっており、いずれも2月は上昇の可能性が高いと言えます。豪ドル・円はスワップ金利の高さもあり、個人投資家には人気の通貨ですが、2月は押し目があれば、買いのチャンスとなる可能性が高そうです。

 通貨以外では原油(WTI原油)が90%と、2月は極めて上昇しやすい上、ドル建て金も70%と上昇しやすくなっています。ただ、金の場合、円建てでは円高の影響に相殺されて上げ幅を抑えられやすくなりそうです。



2012年2月6日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

 オーバルネクストは、国内外の先物取引や為替情報に関する各種のニュースやデータを配信、またこれらの情報に伴うシステム開発を行っております。スピードと正確性に富むニュースやデータの配信に加え、オーバルネクスト独自の情報分析を含む各種コンテンツを一般投資家や各種ブローカーの皆様へ幅広く提供しています。
詳しくはこちらをご覧ください

コラム一覧へ戻る

当社は「ALL外為比較」に掲載される情報(以下「掲載情報」といいます。)の完全性および正確性を保証いたしません。

また掲載情報は、将来における結果を示唆するものではありません。

したがいまして、お客様において掲載情報に基づいて行動を起こされた場合でも、当社はその行動結果について何らの責任も負担いたしません。

掲載情報に基づく行動は、お客様の責任と判断によりお願いいたします。掲載情報は、金融商品の売買等の勧誘を意図したり、推奨するものではありません。

お客様において掲載情報に含まれる金融商品の売買等の申込等をご希望される場合には、その掲載情報に記載の金融機関までお客様ご自身でお問い合わせください。

当社はお問い合わせに関し対応いたしかねます。

掲載情報のうち「外為マーケットコラム」等に関しましては、著作権法等の法律により保護されており、

個人の方の私的使用目的以外での使用や権利者に無断での他人への譲渡、販売コピーは認められていません。