FX・為替比較はALL外為比較

  • FX会社を探す
  • FXの基礎知識
  • Q&A
  • 外国為替マーケット予想

ALL外為比較 > 外為マーケットコラム > ギリシャで波乱なければ、ユーロは堅調か

外為マーケットコラム

ギリシャで波乱なければ、ユーロは堅調か

【円は売られやすい地合い】
 円は売られやすい展開が続いています。日本の貿易赤字や日銀の追加緩和策などが背景にあります。ドル・円は、昨年10月31日の日本の金融当局による円売り介入時の1ドル=79.53円を上抜いて、22日に1ドル=80円台に乗せました。その後も円安基調で推移して、81円台後半まで上昇しました。

 ドル・円と連動しやすい日米の2年物の金利差は拡大傾向にあり、この傾向がどこまで続くのか注目されます。米国では米連邦準備理事会(FRB)が異例の低金利の長期化方針を打ち出しています。ただ、良好な経済指標を背景にリスク志向が高まって債券が売られたり、ツイストオペにより短期債が売却されて2年物金利が上昇に向かうような事態となれば、日米の金利差は拡大余地が広がりそうです。

 ギリシャへの第2次支援が承認されたことや世界的な堅調な株価を背景にリスク志向が高まり、市場のセンチメントは円売りに傾いています。このため、金利差拡大が一服しても、大幅な円高に転じるようなことはないでしょう。目先は1ドル=78〜82円前後での推移となり、円売りが加速すると、ドル・円1ドル=82円を突破して一段高となりそうです。

 今後の主な経済指標としては、28日の米1月耐久財受注、29日の独2月雇用統計、米第4四半期国内総生産(GDP)と個人消費・改定値、米地区連銀経済報告(ベージュブック)、1日の米1月個人所得・個人支出、米新規失業保険申請件数、米2月ISM製造業景況指数、ユーロ圏1月雇用統計などが注目されます。

【ギリシャへの懸念は一段落】
 20日のユーロ圏財務相会合で、徹夜での長時間に及ぶ話し合いの末にギリシャへの総額1,300億ユーロの第2次支援が決まりました。これについては大方の予想通りであり、支援決定後にはユーロ・ドルは利益確定の売りに押される場面もみられました。ただ、その後はリスク志向の高まりもあり、ユーロ・ドルは堅調に推移しています。

 今後はギリシャが緊縮財政を約束通りに実行できるかが注目されますが、市場には懐疑的な見方も根強く残ります。ただ、ギリシャ支援に一応の決着がついたことで、今後のユーロ・ドルは米国やユーロ圏の景気動向が注目要因となりそうです。

 29日には、欧州中央銀行(ECB)の3年物オペが実施されます。12月21日の3年物オペでは4,890億ユーロもの資金供給をしており、今回も前回と同程度の資金供給が見込まれています。このオペの影響で、金融市場での銀行間取引の利回りは低下して、銀行の信用不安は後退、ユーロ圏の国債利回りも低下するなど効果を上げており、今回のオペで金融市場は一段と落ち着きを見せるものと期待されています。

 ユーロ・ドルは米国やユーロ圏の景気動向を眺めつつ、最近の堅調な地合いを引き継いで1ドル=1.35ドルを試して、その後も一段高となりそうです。なお、ギリシャが民間債務者との債務交換の手続きを順調に進められれば問題はないものの、それがうまく進まないようだと、3月20日の145億ユーロの国債償還に暗雲が漂い、下げに転じる可能性も出てきます。

【ユーロ・ドルの高水準の売り越し続く CFTC建玉明細】
 米商品先物取引委員会(CFTC)は毎週金曜日にその週の火曜日時点での建玉明細を発表しています。この中で、大口投機家の売り越し幅、買い越し幅の変動は、相場の方向と連動性が高いケースが多く、特に注目されています。

 グラフはユーロ・ドルの大口投機玉の建玉明細のグラフで、水色はユーロ・ドルの終値(これのみ左軸)、緑の棒グラフは買い玉、ピンクは売り玉です。赤は買い玉から売り玉を差し引いたネットポジションで、最も注目される数値となっています。赤のグラフがゼロより下にあるときは大口投機玉は売り越し、赤がゼロより上なら買い越しとなります。

 グラフによると、水色の価格と赤のネットポジションは連動性が高いことがわかります。昨年9月以降の売り越しが急増した場面では、ユーロ・ドルも下落しています。欧州債務危機の影響で買い玉は増えにくい中、売り玉が大きく増えて、売り越しが膨らむ結果となりました。

 大口投機家の売り越し枚数は、1月24日時点で171,347枚となり、過去最高の売り越しとなりました。ギリシャへの第2次支援の先行き不透明感が根強い中、ユーロ・ドルの売りが積み上がりました。その後、ユーロ圏財務相会合でギリシャへの第2次支援は承認されたものの、売り越しはあまり大きく減っていません。

 これまで支援を受ける中で、ギリシャが財政再建に向けた努力が不十分で、今回も支援には合意したものの、ギリシャが緊縮財政への努力を実行に移すかどうかに懐疑的な見方が根強いためと思われます。ただ、大きく売り越しが膨らんでおり、買い戻しの動きが進めば、ユーロ・ドルの一段高の要因となりそうです。



2012年2月27日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

 オーバルネクストは、国内外の先物取引や為替情報に関する各種のニュースやデータを配信、またこれらの情報に伴うシステム開発を行っております。スピードと正確性に富むニュースやデータの配信に加え、オーバルネクスト独自の情報分析を含む各種コンテンツを一般投資家や各種ブローカーの皆様へ幅広く提供しています。
詳しくはこちらをご覧ください

コラム一覧へ戻る

当社は「ALL外為比較」に掲載される情報(以下「掲載情報」といいます。)の完全性および正確性を保証いたしません。

また掲載情報は、将来における結果を示唆するものではありません。

したがいまして、お客様において掲載情報に基づいて行動を起こされた場合でも、当社はその行動結果について何らの責任も負担いたしません。

掲載情報に基づく行動は、お客様の責任と判断によりお願いいたします。掲載情報は、金融商品の売買等の勧誘を意図したり、推奨するものではありません。

お客様において掲載情報に含まれる金融商品の売買等の申込等をご希望される場合には、その掲載情報に記載の金融機関までお客様ご自身でお問い合わせください。

当社はお問い合わせに関し対応いたしかねます。

掲載情報のうち「外為マーケットコラム」等に関しましては、著作権法等の法律により保護されており、

個人の方の私的使用目的以外での使用や権利者に無断での他人への譲渡、販売コピーは認められていません。