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外為マーケットコラム

ドル・円は調整局面、調整後は再び円安進行か

【円安進行が一服】
 日本や米国の株高、ドル・円やクロス円の上昇基調が一服しています。NYダウは4年2カ月ぶりの高値圏まで上昇したことで利益確定の売りに押されやすかったことや、日経平均も円安進行が一服したことで、上値を抑えられています。 。

 ドル・円は、2月の日本の経常収支が黒字に転じたことやユーロ圏や中国の購買担当者指数(PMI)が低下したことから、リスク回避の動きにつながり、一時1ドル=82円近辺まで下落しました。ドル・円は2月のはじめから上昇が続いてきたことで、高値警戒感から売りに押されやすくなっていたという側面もあります。

 米国では、経済指標は良好なものが多いことから、米長期金利はじり高傾向で推移しており、米10年債利回りは一時2.4%近くまで上昇しました。ただ、短期間で大きく上昇したことや米住宅関連指標などにさえないものも見られたことで、その後は上昇一服となっています。また、米2年債利回りは0.4%前後まで一時上昇しましたが、こちらも頭打ちになっています。日米の2年債利回りの差はドル・円と連動性が高く、金利差拡大も一服しています。このように米長期金利の上昇や日米の金利差拡大が一服したことも、ドル・円が高値から軟化する一因となっています。

 ドル・円は1月以降の上昇に対する高値警戒感もあり、目先は調整局面となり、1ドル=82〜83円での推移が見込まれます。なお、米国の経済指標は良好なものが多いと見込まれ、82〜83円台を固めた後は、85円へ向けて再び上昇することとなりそうです。

 今後の主な経済指標としては、26日に独3月ifo景況感指数、27日に米1月S&P/ケースシラー住宅価格指数、米3月消費者信頼感指数、28日に英第4四半期国内総生産(GDP)・確定値、米2月耐久財受注、29日に独3月雇用統計、米第4四半期国内総生産(GDP)・確報値、米第4四半期個人消費・確報値、米新規失業保険申請件数、30日に日本2月有効求人倍率、日本2月鉱工業生産指数、ユーロ圏3月消費者物価指数・速報値、米2月個人所得・個人支出などがあります。

【ユーロ・ドルは方向感なく推移か】
 ユーロ・ドルは1ユーロ=1.30ドル近くまで下落した後に下げ渋りから上昇に転じました。ギリシャ問題が落ち着きを見せつつあることから、ユーロの買い戻しの動きにつながったものの、積極的にユーロを買い進む理由もなく、1ユーロ=1.33ドル台手前で頭打ちとなっています。

 ギリシャ問題が一応解決へ向かった後、スペインやポルトガルの動向は懸念されるものの、ユーロを売り崩すような要因とはなっていません。このところの動きは米国、ユーロ圏、中国などの経済統計を眺めつつ、景気動向に左右される展開となっています。米国の経済指標も好調なものばかりではなかったことで、ドル買いへ大きく傾きにくくなっています。とはいえ、ユーロ圏はリセッション(景気後退)が懸念される状況にあり、ユーロ買いの動きも限られています。

 米商品先物取引委員会(CFTC)の大口投機玉のユーロ売りの規模は、10万枚を割り込んだ後も減少して、3月20日現在で82,954枚まで減少しましたが、まだ買い戻しの余地はありそうです。今後も買い戻しが進むようならユーロの下支え要因となります。また、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)、欧州金融安定メカニズム(ESM)の規模拡大の可能性も指摘されており、規模拡大に消極的なドイツを巻き込んで、セーフティネットが拡充されることになれば、ユーロには支援材料でしょう。ただ、これは実現するにしても紆余曲折がありそうです。

 ユーロ・ドルは米国やユーロ圏の経済指標に左右されやすい展開が見込まれます。目先は1ユーロ=1.29〜1.34ドル台で方向感のない推移となりそうです。欧米株の上昇が続き、リスク志向が高まると上昇する展開となりそうですが、1ユーロ=1.35ドルに接近すると上値を抑えられ、それ以上の上昇は難しそうです。1.30ドル近くまで下げると、底堅い動きを見せる傾向があり、1.30ドル割れがあっても、あまり長く続かないでしょう。

【スペインの利回りがイタリアを上回る】
 昨年12月と今年2月の欧州中央銀行(ECB)による3年物オペによる総額1兆ユーロを超す金融機関への資金供給で、スペインやイタリアの10年債利回りは低下傾向にありました。特にイタリアは、自力での資金調達が困難になる危険水域の7%超まで上昇したものの、その後の利回り低下で一時5%を下回る水準まで低下しました。

 一方、スペインは一時6%台後半まで上昇した後に5%付近まで低下しました。ただ、スペインは2012年の財政赤字の対GDP比率が目標である4.4%を達成できない可能性が高まり、5.8%に緩和すると発表したことで、利回り低下が止まり、再び上昇しています。財政目標の緩和に加えて、銀行セクターを巡る懸念から、スペインの10年債利回りは5.4〜5.5%前後まで上昇しています。

 この結果、スペインの利回りがイタリアの利回りを上回る事態となっています。グラフはユーロ圏の経済規模の大きい4カ国の10年債利回りの推移を示しており、ドイツとフランスが低位安定する中、スペインがイタリアを上回ったことを確認できます。

 ギリシャの債務問題が一段落した後、スペインの財政赤字削減問題が注目されそうです。スペインはギリシャのように欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)の支援が必要になることはないと思われますが、財政赤字への懸念が長引くようだと、イタリアの利回りを上回る期間が長引くこととなりそうです。また、スペインへの懸念が長引くとユーロ・ドルの上値を抑える要因となりそうです。



2012年3月26日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

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