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外為マーケットコラム

EU首脳会議に注目

【ドル・円は緩やかに上昇か】
 17日のギリシャの再選挙では、緊縮派が勝利してユーロ圏離脱は回避されました。連立政権が樹立されており、新政権が欧州連合(EU)などに債務の返済計画を延期するといった金融支援の条件の緩和を要請する見通しで、その動向が注目されます。

 19〜20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利は据え置きとなり、6月末までとなっていたツイストオペを今年末まで延長することを決めました。大方の市場の予想通りだったものの、量的緩和第3弾(QE3)について踏み込んだ発言はありませんでした。

 ドル・円は1ドル=80円台まで緩やかに上昇しています。FOMCでは米国で追加緩和への言及がなかったことで、追加緩和を期待してドル売りに動いていた向きの巻き戻しから、ドルが買い戻されました。ただ、米経済指標の悪化が続き、米10年債利回りが1.5〜1.6%台という低水準での推移が見込まれ、対円で急激なドル高が進むとは考えにくい状況です。28〜29日に欧州連合(EU)首脳会議が開催され、欧州債務危機への過度な懸念が後退することが見込まれることから、ドル・円は1ドル=81〜82円台へ向けて緩やかな円安となりそうです。

 今後の主な経済指標としては、25日に米5月新築住宅販売件数、26日に米4月S&Pケースシラー住宅価格指数、米6月消費者信頼感指数、27日に独6月消費者物価指数、米5月耐久財受注、28日に独6月雇用統計、英第1四半期国内総生産(GDP)・確報値、米第1四半期国内総生産(GDP)・確報値、米新規失業保険申請件数、29日に日本5月雇用統計・日本5月消費者物価指数・日本5月鉱工業生産指数、ユーロ圏6月消費者物価指数・速報値、米5月個人所得・個人支出、米6月シカゴ購買部協会景気指数などがあります。

【スペインへの支援策がまとまるかに注目】
 スペイン政府と中央銀行は、外部に委託していた銀行の監査結果を公表しました。それによると景気が大幅に悪化した状況でのストレスシナリオの下では、銀行の資本不足は510〜620億ユーロに達するとのことです。スペイン政府ではこの結果を踏まえて、EUに支援を要請する見通しです。

 また、ユーロ圏では欧州金融安定ファシリティー(EFSF)を使って、スペインなどの南欧国債を買い入れる検討を開始しました。救済基金を用いて域内の国債購入に当たれば、高止まりしているスペインやイタリアの利回りの低下を促すことができます。新たな負担を嫌って、支援策に前向きでなかったドイツのメルケル首相やショイブレ財務相も、EFSFによる国債買い入れには理解を示していると報じられています。EFSFによる国債購入という枠組みが決まれば、財政問題への懸念も一段落することが見込まれます。

 独仏伊スペインの4カ国の首脳は22日に会談を行い、EUの域内総生産(GDP)の1%に相当する1,200〜1,300億ユーロを欧州の成長戦略に充てる方針を打ち出しました。これまでの緊縮一辺倒でなく、経済成長にも配慮した内容となっており、28〜29日のEU首脳会議で合意を目指しています。また、EU首脳会議では、スペインを支援するための実効性のあるプランがまとまるかどうかも注目されます。

 EU首脳会議で成長戦略やスペイン支援の枠組みで合意できれば、欧州債務危機への過度な懸念は後退して、ユーロ・ドルは1ユーロ=1.25ドル前後で下げ止まり、1.27〜1.28ドル前後まで上昇しそうです。逆に成長戦略やスペインへの支援策がまとまらなければ、1.22〜1.23ドル付近まで下落することとなりそうです。

【スペインの利回りはピークからは低下】
 ギリシャの再選挙では緊縮派が勝利して、ギリシャのユーロ圏離脱懸念は後退したものの、ギリシャやスペインの財政問題が解決したわけではありません。スペインの国債利回りはピークから下げているとはいえ、高水準で推移しています。スペインの利回り上昇が波及してイタリアの利回りも高水準で推移しています。

 スペインの10年債利回りは、18日に一時7.3%まで上昇して、ユーロ導入後の最高水準に達しました。7%という水準は、自力での資金調達が困難となる「危険水域」と言われており、スペインの財政問題への懸念が広がりました。ただ、19日と21日の国債入札で目標上限を調達できたことで、10年債利回りはピークからは下げています。もっとも、最近の入札では調達利回りは以前と比べて大幅に上昇しており、予断を許さない状況が続いています。

 グラフは、スペイン、イタリア、フランスの10年債利回りと、ドイツの10年債利回りの差を表示したものです。ドイツとの金利差はリスク・プレミアムと判断できます。すなわちこの差が大きいほど金融市場で、その国に対する懸念が高いと見ることができます。フランスは低水準で推移していますが、スペインとイタリアは大きく上昇しました。ただ、グラフの右端ではピークからやや低下しています。

 スペインの財政支援がまとまれば、債務危機への懸念が一段落して、金利差もピークからは一段と下落することとなりそうです。ちなみに他国のドイツとの利回りの差は、ギリシャが25%前後、ポルトガルは8%前後と高水準となっています。いずれもかなりの高水準ですが、ピークからは低下しています。



2012年6月25日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

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