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外為マーケットコラム

日銀金融政策決定会合に注目

【スペインの地方政府の格下げ】
 格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスはスペインのカタルーニャ州など5州の格付けを引き下げました。スペインはユーロ圏への支援申請を先延ばししており、市場では警戒する向きもあります。ただ、「スペインの支援申請は時間の問題」との見方が根強く、ユーロを大きく崩す要因とはなっていません。スペインが支援申請に動けば、欧州中央銀行(ECB)や欧州安定メカニズム(ESM)が行動に移るものとみられます。

 それよりも懸念されるのはユーロ圏の景気動向です。ドイツの10月のifo独景況感指数は100.0となり、前月の101.4から低下しました。また、ドイツの10月の購買担当者景気指数(PMI)は製造業、サービス業ともに前月を下回り、好不況の分かれ目となる50も下回っています。また、10月のユーロ圏のPMIは総合指数、製造業、サービス業ともに前月を下回っており、景気の先行き懸念が一段と高まりつつあります。

 24日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明では、特に目立った材料は出ませんでした。金融政策は現状維持となり、月額400億ドルの住宅ローン担保証券(MBS)の買い入れ、2015年半ばまでゼロ近辺の金利を維持する方針も継続します。前月、量的緩和第3弾(QE3)を導入に動いたばかりであり、さらに11月6日に米大統領選挙を控えていることで、新たな金融政策を打ち出しにくいという状況もあったようです。

 欧州では債務危機への警戒感が払拭されていない上、景気減速が深刻となる可能性があります。ただ、景気減速は世界的に広がりつつあり、ユーロ圏だけでのことではないことから、ユーロだけが一方的に売られるということはなさそうです。このため、ユーロ・ドルは1ユーロ=1.28〜1.31ドル台のレンジでの推移が見込まれます。スペインが支援申請に動けば上昇しそうですが、支援申請があるにしても、11月中旬にユーロ圏財務相会合以降になりそうです。

【日銀が追加緩和に動く可能性高まる】
 30日の日銀金融政策決定会合では追加緩和に動く可能性が高まっています。日銀が目標としている消費者物価指数(CPI)の上昇率1%の達成が、2014年度中には困難との見方が広がっています。デフレ脱却への道筋が見えないことで、9月に実施したよりも大胆な緩和措置の動くとの期待感が出てきています。市場関係者の予測では、国債などの資産の買い入れ基金の規模を10兆円程度拡大して、現在の80兆円から90兆円規模にするとの見方が広がっています。さらに、買い入れ国債の年限の延長や上場投資信託(ETF)や不動産投資信託(REIT)の買い入れ増額を予想する声なども出ています。

 日銀が30日の日銀金融政策決定会合で追加緩和の動くとみられることから、ドル・円はじり高で推移してきました。1ドル=80円台に乗せた後は輸出筋によるドル売りや利益確定の売りから上値を抑えられています。ただ、この付近でのドル売りをこなせば、一段と上昇する可能性が高まりそうです。26日に発表された第3四半期の米国内総生産(GDP)は予想を上回りましたが、今後の米国の経済指標が良好なら、米長期金利の上昇につながり、ドル・円には支援材料となるでしょう。

 今回、日銀による追加緩和の規模が市場予想の範囲内だったとすると、発表後に利益確定の売りに押されて、ドル・円はいったん下げる可能性もあります。ただ、その場合でも日銀が今後も一段と緩和姿勢を強めていくような意思表示をすれば、緩やかな円安基調は継続しそうです。目先は1ドル=80円台を固めて、緩やかに上昇することとなるでしょう。

 今後の経済指標やイベントとしては、28日に欧州が標準時間に移行、29日に独10月消費者物価指数、米9月個人所得・個人支出、30日に日本9月鉱工業生産指数、日銀金融政策決定会合・政策金利、独10月雇用統計、米8月S&Pケースシラー住宅価格指数、31日にユーロ圏10月消費者物価指数、ユーロ圏9月雇用統計、米10月シカゴ購買部協会景気指数、1日に米10月ADP雇用統計、米新規失業保険申請件数、米10月ISM製造業景況指数、2日に米10月雇用統計などがあります。11月6日の米大統領選の直前に発表される2日の米雇用統計は特に注目されます。

【目立ったバイアス(偏り)のない11月の通貨の動き】
 グラフは2002〜2011年の10年間について、主要通貨や商品などが11月の月足が陽線になった比率を示しています。陽線とは終値が始値よりも上昇したことを意味しています。ここで、ドル・円やクロス円が陽線になりやすい(すなわち上昇しやすい)ということは、円安に振れやすいということを示しています。

 グラフの棒グラフは11月の陽線確率(左軸)、ピンクの折れ線は通貨の値幅(pips)を示しています(右軸)。これによると、11月の陽線確率はドル・円とユーロ・円が30.0%と陰線になりやすい(すなわち円高になりやすい)という傾向を示しています。

 それ以外の通貨は、いずれも40.0〜60.0%の範囲内にあり、月足ベースではそれほどの偏りがないことを示しています。豪ドル・ドル、ポンド・円、ユーロ・円は50.0%となり、陽線になるのか陰線になるのはか五分五分です。通貨以外では、NY原油(WTI原油)は50.0%とバイアスがなく、NYダウも60.0%とやや上げやすいものの、極端な偏りはありません。ただ、ドル建て金が90.0%と上昇する確率が極めて高くなっています。

 なお、過去10年間の各通貨の11月の平均値幅は次の通りです。通貨間で標準化するためpipsで表示しています(カッコ内は10月の値幅)。ドル・円は486(525)、豪ドル・円は615(784)、豪ドル・ドルは519(659)、ポンド・円は1034(1207)、ポンド・ドルは846(820)、ユーロ・円は690(855)、ユーロ・ドルは642(636)となっています。

 ポンド・ドル、ユーロ・ドルを除くと11月は10月に比べて値幅が小さくなります。豪ドル・円、豪ドル・ドル、ポンド・円、ユーロ・円の4通貨は、10月が年間で最も値幅の大きい月でしたが、11月はこの4通貨すべてが10月に比べて値幅が100pips以上小さくなります。11月は方向性が出にくいだけでなく、値幅も抑えられることとなりそうです。



2012年10月29日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

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