FX・為替比較はALL外為比較

  • FX会社を探す
  • FXの基礎知識
  • Q&A
  • 外国為替マーケット予想

ALL外為比較 > 外為マーケットコラム > ドル・円は緩やかな上昇が継続か、米大統領選にも注目

外為マーケットコラム

ドル・円は緩やかな上昇が継続か、米大統領選にも注目

【ギリシャは11月中旬にも資金ショート?】
 ユーロ圏財務相は10月31日に電話会議を開催してギリシャ問題に関して協議しました。この協議の後、ユーログループのユンケル議長は、ギリシャが国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行(ECB)、欧州委員会の3者合同調査団(通称トロイカ)が要求している改革で合意して、必要な行動を取れば11月12日の次回の会合で決着を目指す考えを示しています。

 ギリシャ国内で関連法案が可決するかは不透明ながら、従来に比べて前進が見られました。今までと大きく違うのはドイツの姿勢です。ショイブレ独財務相がこの協議では「大きな進展があった」と述べており、最終合意に近づいているとの認識を示しました。今まで、一段の支援に反対姿勢を崩さなかったドイツの姿勢が軟化したことが、前進と受け止められ、欧州債務危機への懸念後退に一役買いそうです。

 ただギリシャでは、このままでは11月中旬にも国庫がカラになる恐れがあると報じられており、今後のギリシャ支援の早期の決着が期待されます。また、ギリシャの裁判所が、欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)などから求められている年金改革に関する法案は違憲の可能性があるとの判断を下しており、ギリシャへの次回融資をめぐる交渉が難航するとの見方も出てきました。

 ユーロ・ドルは1ユーロ=1.28〜1.30ドル台でのレンジ相場で推移しています。スペインやイタリアの国債利回りは落ち着いており、ギリシャへの支援も進展が見込めそうなことで、大きく崩れることは無なさそうです。ただ、スペインは依然として支援申請に慎重な構えを見せており、ユーロ圏各国の景気減速とともにユーロ・ドルの上値を抑える要因となっています。こうした要因から、やや上値が重そうですが、1ユーロ=1.27〜1.30ドルのレンジでの取引が続くこととなりそうです。

 なお、8日の欧州中央銀行(ECB)理事会では、政策金利の引き下げはないとみられます。ただ、ドラギ総裁が記者会見で、景気減速に伴う将来的な利下げを示唆するような発言があれば、ユーロの上値を抑えそうです。

【日銀へ緩和継続への期待感】
 10月30日の日銀金融政策決定会合では、9月に引き続いて2カ月連続での異例の追加緩和を決めました。国債などの買い入れ基金を11兆円増額するとともに、上場投資信託(ETF)、社債、コマーシャルペーパー、不動産投資信託(REIT)の購入枠も増額します。また、今回は貸し出しを増やした金融機関への新たな資金供給策の導入も決めました。さらに政府と日銀がデフレ脱却へ向けて最大限の努力を行うという共同文書も作成され、今後、日銀金融政策決定会合の政策にどのような影響を及ぼすのか、議論を呼んでいます。

 日銀金融政策決定会合の直後は、ドル・円やクロス円は「今回の決定内容はおおむね予想の範囲内」との見方から、失望売りからドル・円やクロス円はいったん下落しました。ただ、その後は日銀に対する緩和継続への根強い期待感から、ドル・円、クロス円ともに底堅い動きから堅調に推移しています。

 米国では、11月1日の米ADP雇用統計、米ISM製造業景況指数、新規失業保険申請件数などが良好な結果となり、米国株が大きく上昇して、ドルも堅調な動きとなりました。2日の米雇用統計では、非農業部門雇用者数が予想を上回り、一段とドルが上昇しました。米経済指標に良好なものが続くようなら、米長期金利の上昇要因となり、ドル・円には支援材料となります。

 ドル・円は10月31日に1ドル=79.50円近辺でサポートされて、底堅さを見せたことから、緩やかながら上昇しています。また、日銀が緩和政策を継続するとの期待感もあり、今後は1ドル=80円台を固めて、徐々に上昇しそうです。ただ、米国の経済指標は必ずしも良好なものばかりではないとみられ、ドル・円と連動性の高い米長期金利が短期間で大きく上昇することが考えにくく、ドル・円の上昇は緩やかなものとなりそうです。1ドル=81〜82円台が目先の上値のターゲットとなります。

 米大統領選挙は6日に投票が行われます。オバマ大統領が再選された場合、金融政策に大きな変更はないとみられ、通貨市場にはそれほど大きなインパクトはなさそうす。ロムニー候補が勝利した場合、量的緩和政策に批判的なことから、ドル高に振れやすいとみられます。

 その他の経済指標やイベントとしては、5日に米10月ISM非製造業景況指数、6日にオーストラリア準備銀行(RBA)政策金利、日本9月景気動向指数、7日にユーロ圏9月小売売上高指数、独9月鉱工業生産指数、8日に日本9月機械受注高・日本9月経常収支、豪10月雇用統計、英中銀(BOE)政策金利、欧州中央銀行(ECB)政策金利、米新規失業保険申請件数、9日に中国10月消費者物価指数・生産者物価指数・鉱工業生産指数・小売売上高、米11月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値、10日に中国10月貿易収支などがあります。なお、8日には中国共産党大会が開幕する。

【ドル・円は年末にかけて円安パターン再現か】
 ドル・円は、2001〜2011年の11年間で、1年を通して円安で終わった年は、2001年、2005年、2006年、2009年の4回、円高で終わったのは2002〜2004年、2007〜2008年、2010〜2011年の7回あります。

 グラフはドル・円の過去の値動きを指数化したものです。2001〜2011年の平均が青、上記の円安の年だけを平均したものが赤、円高の年だけを平均したものが茶色です。いずれも0〜100の指数で表示しています。なお、2012年(緑)は実際の価格となり、これだけ右軸で表示しています。

 今年の値動き(緑)は、6月末くらいまで円安年の動きを示す赤のグラフと似たような動きを示していました。ただ、7月〜8月の値動きは円安年の動きとはやや異なる動きとなりました。9月に入ると方向感なく推移していましたが、10月以降は円安基調で推移しています。

 今年が円高で終わるのか、円安で終わるのかの重要な分岐点となる9月以降、円安で推移しており、赤のグラフの円安パターンに近いグラフとなっています。このパターンを踏襲するとなると、11月は1ドル=80円近辺でのもみ合いとなりそうですが、年末にかけて83〜84円前後まで円安に振れる展開となりそうです。



2012年11月05日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

 オーバルネクストは、国内外の先物取引や為替情報に関する各種のニュースやデータを配信、またこれらの情報に伴うシステム開発を行っております。スピードと正確性に富むニュースやデータの配信に加え、オーバルネクスト独自の情報分析を含む各種コンテンツを一般投資家や各種ブローカーの皆様へ幅広く提供しています。
詳しくはこちらをご覧ください

コラム一覧へ戻る

当社は「ALL外為比較」に掲載される情報(以下「掲載情報」といいます。)の完全性および正確性を保証いたしません。

また掲載情報は、将来における結果を示唆するものではありません。

したがいまして、お客様において掲載情報に基づいて行動を起こされた場合でも、当社はその行動結果について何らの責任も負担いたしません。

掲載情報に基づく行動は、お客様の責任と判断によりお願いいたします。掲載情報は、金融商品の売買等の勧誘を意図したり、推奨するものではありません。

お客様において掲載情報に含まれる金融商品の売買等の申込等をご希望される場合には、その掲載情報に記載の金融機関までお客様ご自身でお問い合わせください。

当社はお問い合わせに関し対応いたしかねます。

掲載情報のうち「外為マーケットコラム」等に関しましては、著作権法等の法律により保護されており、

個人の方の私的使用目的以外での使用や権利者に無断での他人への譲渡、販売コピーは認められていません。