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外為マーケットコラム

円売りへの期待感は根強く、ドル・円やクロス円は堅調に推移か

【円売りの勢いが一服したが、円安期待は根強い】
 12月16日の衆議院選挙を前に、日銀による積極的な金融緩和への期待感などを背景に円売りの動きが続いてきたものの、その流れも一服してきました。ドル・円、クロス円ともに伸び悩みを見せています。ドル・円は1ドル=82円〜82円台半ば近辺、ユーロ・円は1ユーロ=106〜107円台で一進一退の動きとなっています。大きく上昇してきた後であり、一時的に利益確定の売りに押される場面もみられたものの、市場の円安期待が後退したわけではありません。

 自民党の安倍総裁による円安を演出するような発言が繰り返されており、自民党が政権についた場合は、2%の物価上昇率を目標として無制限に緩和を続けるとの見方から、円安や株高が進行するとの期待感も根強いようです。

 ドル・円は11月中旬に大きく上昇したこともあり、上げ一服となっていますが、日本の景気にとっては円安の方が好ましいことは明らかです。総選挙を前に政治的な圧力により、日銀への追加緩和期待を煽るような状況が見込まれることから、ドル・円は1ドル=83〜84円台へ向けて一段と上昇することとなりそうです。クロス円も全般に堅調に推移しそうです。なお、今週は米雇用統計など注目度の高い米経済指標が数多く発表されます。米経済指標に良好なものが続くと、米長期金利の上昇につながり、ドル・円には支援材料となるため、その動向も注目されます。

 今後の経済指標やイベントとしては3日に米11月ISM製造業景況指数、4日に豪10月住宅建設許可件数、オーストラリア準備銀行(RBA)政策金利、ユーロ圏10月生産者物価指数、カナダ銀行(BOC)政策金利、5日に豪第3四半期国内総生産(GDP)、ユーロ圏10月小売売上高指数、米11月ADP雇用統計、米11月ISM非製造業景況指数、6日に豪11月雇用統計、ユーロ圏第3四半期域内総生産(GDP)改定値、独10月製造業受注指数、英中銀(BOE)政策金利、欧州中央銀行(ECB)政策金利、米新規失業保険申請件数、7日に日本10月景気動向指数、英10月鉱工業生産指数、独10月鉱工業生産指数、米11月雇用統計などがあります。

【財政の崖は克服できるのか】
 26日のユーロ圏財務相会合において、ギリシャの債務削減や次回融資に関して合意しました。ユーロ・ドルは一時1ユーロ=1.30ドルに乗せたものの、その後は伸び悩んでいます。ギリシャの債務削減については、計画の詳細が不透明で、市場では懐疑的な見方も根強くあります。ただ、マーケットはギリシャ問題をかなり織り込んだようで、この問題はとりあえず、目先の大きなヤマを越えたとみてよさそうです。

 米国では、「財政の崖」の回避に向けた協議が注目されます。27日には、リード米上院民主党院内総務が、財政問題をめぐる協議はほとんど進展していないと述べたことを受けて警戒感が広がりました。翌28日、ベイナー下院議長が問題解決を楽観していると述べたことで、警戒感が後退しました。この日はオバマ米大統領が、クリスマスまでに議会と合意できることを望んでいると表明しています。

 ところが、29日にはベイナー下院議長が「財政の崖」を巡る議論には進展がないとの認識を示すなど、混乱が広がっています。ただ、年末に向けて協議が進展するとの期待感も出ているようです。29日の米株式市場がベイナー発言で一時下げたものの、その後、値を戻して上昇して引けており、悲観論一色ではないことの表れとみられます。「財政の崖」の回避に向けて、具体的な進展があるかどうかが注目されており、株式や金融市場は関係者の発言に振り回される展開が続きそうです。

 ユーロ・ドルは、米国の「財政の崖」への問題が解決に向かえば、リスクオンに傾き堅調な動きを見せそうです。ただ、目先は「財政の崖」回避に向けた協議に振り回されそうです。ユーロ圏の景気動向は減速しており、1ユーロ=1.30ドルを超えて大きく上昇するのは難しいでしょう。このため、目先は1ユーロ=1.28〜1.31ドル前後でもみ合いを続けるものとみられます。

【通貨によってバラツキの大きい12月の月足の陽線確率】
 グラフは2002〜2011年の10年間について、主要通貨や商品などが12月の月足が陽線になった比率を示しています。陽線とは終値が始値よりも上昇したことを意味しています。ここで、ドル・円やクロス円が陽線になりやすい(すなわち上昇しやすい)ということは、円安に振れやすいということを示しており、陰線になりやすい(下落しやすい)ということは円高になりやすいということを示しています。

 グラフの棒グラフは12月の陽線確率(左軸)、ピンクの折れ線は通貨の値幅(pips)を示しています(右軸)。これによると、12月の陽線確率はドル・円が30.0%と陰線になりやすい(すなわち円高になりやすい)という傾向を示しています。

 それ以外の通貨は、豪ドル・円とユーロ・円が70.0%と陽線になりやすく、豪ドル・ドルとポンド・円は50.0%とバイアス(偏り)がありません。12月は通貨によって、バラツキの大きい月と言えそうです。通貨以外では、NY原油(WTI原油)、NYダウ、ドル建て金がいずれも60.0%とやや上げやすくなっています。

 なお、過去10年間の各通貨の12月の平均値幅は次の通りです。通貨間で標準化するためpipsで表示しています(カッコ内は11月の値幅)。ドル・円は512(486)、豪ドル・円は439(615)、豪ドル・ドルは434(519)、ポンド・円は888(1034)、ポンド・ドルは729(846)、ユーロ・円は634(690)、ユーロ・ドルは736(642)となっています。

 ドル・円、ユーロ・ドルを除くと12月は11月に比べて値幅が小さくなります。ドル・円は今年は円安方向に動き始めていますが、12月は円高に振れやすい月だけに、このまま円安傾向が続くかどうかが注目されます。



2012年12月03日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

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