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外為マーケットコラム

日本では新内閣の政策へ期待

【2012年を簡単に振り返って(ドル・円と日本)】
 今年も残すところ、あとわずかとなりました。ここでは、今年1年を簡単に振り返ってみます。ドル・円は3月ころまで上昇して、3月15日には1ドル=84.18円まで上昇しました。米国では、雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比20万人超の増加が続くなど、雇用情勢の改善など景気回復への期待感から米長期金利が上昇したことなどから、ドルが買われて円安に振れました。

 その後は欧州債務危機の影響、米国での景気減速懸念などから、ドル・円は1ドル=77円台まで円高が進んで、6〜10月は1ドル=77〜80円台でもみ合いが続きました。円高の影響で、株価は低迷、景気が悪化して閉塞感から抜け出せない状況となっていました。日銀は小出しに金融緩和措置を行うものの、米連邦準備理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)と比べると積極性に欠ける上、「動かない理由」を探しては傍観しようとする姿勢が目に付きました。

 野田総理が11月16日に衆議院解散を表明すると、自民党政権への期待感から円安が進み始めました。自民党の安倍総裁は「かつてない規模での大胆な金融緩和」を表明して、円高是正、デフレ克服を標榜して選挙戦に臨みました。その後、円売りの動きからドル・円やクロス円は大きく円安に振れ、株も大きく上昇しました。

 12月16日に衆議院選挙では、自民党が圧勝して、自民・公明で325議席を獲得しています。円高是正や景気回復が期待されますが、具体的な成果が出せないようでは、期待がすぐに失望に変わることになります。今後の新内閣の円高・デフレ対策、景気対策に期待が集まります。なお、ドル・円は米長期金利との連動性が高いため、現在の円安基調が持続するには、日銀による大胆な金融緩和に加えて、米国での景気回復による米長期金利の上昇が必要となりそうです。

 なお、19〜20日の日銀金融政策決定会合では、資産の買い入れ規模は10兆円増額されました。長期国債と国庫短期証券の買い入れ規模をそれぞれ5兆円増額して、買い入れ基金の規模は91兆円から101兆円に拡大されました。日銀は物価上昇率1%を目指す中長期的な物価安定の目途に関して、次回会合で点検を行う方針を表明しており、1月21〜22日の次回の会合で、物価上昇率目標2%の設定を迫られることとなりそうです。政治的圧力や世論を背景に日銀も動かざるを得なかったようです。

【2012年を簡単に振り返って(ユーロ・ドル、欧州・米国)】
 海外市場では、やはり欧州債務問題がかなり金融市場にインパクトを与える大きな問題でした。特にギリシャの債務問題は、半年、あるいは1年後とくらいに繰り返して問題となり、欧州連合(EU)やユーロ圏が集まって対応策を協議するということが繰り返されてきました。

 また、ギリシャだけでなく、スペインやイタリアについても、格付け会社が国債を格下げするなどしたことで、債務問題への警戒感が高まりました。7月には、10年物国債の利回りはスペインが7%台後半、イタリアが6%台後半まで上昇しました。この結果、ユーロ・ドルは4月下旬には1.32ドル台だったものが、7月23日に1ユーロ=1.20ドル台まで下落しました。

 そうした中、7月26日にECBのドラギ総裁が、「ユーロを守るためにあらゆる手段を講じる」と語り、債務危機への対応への期待感が高まり、ユーロ・ドルは上昇に転じました。その後、9月6日のECB理事会で、期間3年までの国債を無制限で買い入れるプログラムの導入を表明しており、債務問題への警戒感がかなり後退しました。

 ギリシャ支援の不透明感で、11月には1ユーロ=1.26ドル台まで下落する場面もありましたが、その後、オバマ米大統領の再選に伴い、米国株が上昇してリスク志向の高まりなどからユーロ・ドルも上昇しました。12月のユーロ圏財務相会合でギリシャ向けの次回融資が認められたことで、当面の懸念は払しょくされた模様です。

 さらに12月18日には格付け会社スタンダード&プアーズがギリシャを「選択的デフォルト」から「Bマイナス」に格上げ、さらに19日にはECBはギリシャ国債を流動性供給オペの適格担保として認めると発表したことで、ギリシャへの懸念は後退しています。この結果、ユーロ・ドルは1ユーロ=1.33ドル台まで上昇する場面もみられました。

 ただ、欧州債務問題への警戒感は後退しているものの、スペインの財政問題は解決したわけではなく、欧州連合(EU)へ支援要請をする可能性もあります。また、イタリアではモンティ首相が辞任を表明するなど、これまでの財政再建への取り組みが損なわれる可能性があり、そうなればユーロには圧迫要因となるかもしれません。

 米国に目を向けると、今年は11月に大統領選があり、オバマ大統領が再選されました。米連邦準備理事会(FRB)は、9月に量的緩和第3弾(QE3)と呼ばれる追加金融緩和策を導入、住宅ローン担保証券(MBS)を毎月400億ドル購入することを決めました。さらに12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、今年末で終了するツイストオペに代わり、月額450億ドルの国債を購入する新たなプログラムを決定しています。

 大きな注目を集めているのは、米国で大型減税の失効と歳出削減が同時に起きるいわゆる「財政の崖」です。この問題の回避に向けて、協議が重ねられています。オバマ大統領と共和党のベイナー下院議長はたびたび協議を重ねており、合意へ向けて期待が高まっています。合意に達すれば、リスクオンの動きとなり、各国の株価が上昇、ドルや円は売られやすい流れが続くことになるでしょう。そうなれば、ユーロ・ドルも一段高に向かう可能性が出てきます。

【目立ったバイアスのない1月の主要通貨の陽線確率】
 来年のマーケットが気になる時期です。ここでは、1月の主要通貨の過去の陽線確率について見てみましょう。グラフは2003〜2012年の10年間について、主要通貨や商品などが1月の月足が陽線になった比率を示しています。陽線とは終値が始値よりも上昇したことを意味しています。ここで、ドル・円やクロス円が陽線になりやすい(すなわち上昇しやすい)ということは、円安に振れやすいということを示しており、陰線になりやすい(下落しやすい)ということは円高になりやすいということを示しています。

 グラフの棒グラフは1月の陽線確率(左軸)、ピンクの折れ線は通貨の値幅(pips)を示しています(右軸)。これによると、通貨ではポンド・ドルが70.0%と陽線になりやすい点が目立ちます。それ以外の通貨は、ドル・円、豪ドル・円、ポンド・円、ユーロ・円、ユーロ・ドルのいずれもが40.0〜50.0%と目立ったバイアス(偏り)がありません。通貨については、一方向へのトレンドを描きにくい月と言えそうです。通貨以外では、NY原油(WTI原油)が50.0%、NYダウが60.0%、ドル建て金が40.0%と、こちらもあまり極端な偏りはありません。

 なお、過去10年間の各通貨の1月の平均値幅は次の通りです。通貨間で標準化するためpipsで表示しています(カッコ内は12月の値幅)。ドル・円は425(512)、豪ドル・円は542(439)、豪ドル・ドルは442(434)、ポンド・円は1072(888)、ポンド・ドルは786(729)、ユーロ・円は795(634)、ユーロ・ドルは681(736)となっています。

 通常は前月に比べて値幅が大きくなるとか、小さくなるとか、ある程度共通した傾向がありますが、1月については通貨によって、前月と比べて値幅の増減がまちまちとなります。それだけ、通貨独自のファンダメンタルズや材料に左右されやすいということのようです。ドル・円は陽線確率が50.0%、値幅は4.25円が過去の1月の動きですが、11月以降の円安トレンドが継続するかどうかが注目されます。



2012年12月25日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

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