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外為マーケットコラム

ドル・円とクロス円ともに上昇継続か、上昇ペースの速さに警戒

【FOMCで緩和継続、米国景気は堅調か】
 米国株は堅調で、NYダウは1万4,000ドル台に乗せ、5年4カ月ぶりの高値圏まで上昇しています。良好な企業決算に加えて、経済指標もまずまずでリスクオンの状態となっています。これを受けて米長期金利が上昇傾向にあり、米10年物国債の利回りは2%台まで上げています。米長期金利の上昇により、日米の金利が拡大傾向にあり、ドル・円の支援材料となっています。

 1月30〜31日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、金融政策に変更はありませんでした。政策金利を据え置くとともに、月額400億ドルの住宅ローン担保証券(MBS)と450億ドルの国債の買い入れを継続することを決定しました。

 1月30日に発表された米国の昨年第4四半期の国内総生産(GDP)速報値は、年率換算で前期比0.1%減となり、2009年第2四半期以来3年半ぶりのマイナス成長でした。政府支出の減少や在庫投資の鈍化などが響きました。もっとも、個人消費は2.2%増となって底堅さを見せており、米国経済を悲観的に見る向きは少ないです。1日の米雇用統計では、失業率は7.9%と事前予想(7.8%)よりも悪く、非農業部門雇用者数は前月比15.7万人増と事前予想(16.5万人増)を下回りました。ただ、11月と12月の非農業部門雇用者数が大幅に上方修正されており、雇用情勢が改善しているとの見方が広がりました。

 安倍総理は日銀法の改正について、「将来の選択肢として引き続き視野に入れる」との考えを示しました。これは「日銀がきちんと行動しなければ、こちらも行動を起こす」という政府から日銀への牽制ともみることができそうです。日銀総裁の後任選びが今後本格化しますが、後任の日銀総裁には金融緩和に積極的な人を選ぶ可能性が高いため、先行き一段の金融緩和への期待感は根強く、円売り圧力は続きそうです。

 中期的に見て、日銀の金融緩和への期待感から円は売られやすく、米国経済が堅調なことから米長期金利が上昇してドルは買われやすい流れが続いて、ドル・円は緩やかな上昇を続けそうです。目先は1ドル=94円台へ向けて緩やかに上昇しそうです。なお、ドル・円、クロス円ともに上昇基調が見込まれますが、これまでの上昇ペースが速かったこともあり、どこかで調整する可能性もあります。

【LTRO早期返済でユーロ圏の銀行への懸念が後退】
 過去に欧州中央銀行(ECB)が2度実施した期間3年の流動性供給オペ(LTRO)の返済を前倒しする動きとなっています。2011年12月と2012年2月の2回のオペで約1兆ユーロの貸し出しを行いました。3年の返済期限はまだ先ながら、今年1月30日より早期返済が可能になり、前倒しで返済する動きが出て、市場予測の800〜1,000億ユーロを上回る1,372億ユーロが返済されました。

 LTROの早期返済はユーロ圏の銀行への懸念が後退することにつながり、さらにECBの緩和姿勢の後退を意味することとなり、ユーロには支援材料となります。LTROの早期返済の影響などからドイツの2年物国債の利回りは上昇しています。このところ独2年債の利回りは、米2年債の利回りを上回っており、これもユーロの堅調の一因となっています。なお、銀行の健全性は国の健全性とは異なり、ギリシャやスペインなどの債務問題とは分けて考える必要があります。

 米国ではFOMCで金融緩和姿勢の継続が示された一方、ユーロ圏ではLTROの早期返済で金利上昇圧力がかかりやすいとみられ、相対的にユーロの方が買われやすい状況となっています。ユーロ圏の景気動向には先行き不透明感が残るものの、債務懸念の後退や米株高などからリスク選好の動きとなり、ユーロ・ドルの堅調な足取りは続きそうです。1ユーロ=1.38〜1.39ドルを視野に入れて上昇することが見込まれます。7日のECB理事会では金融政策の変更はないとみられます。ドラギ総裁が記者会見で、ユーロ圏の景気動向に懸念を表明するようだと、ユーロを圧迫する可能性もありますが、仮にそうした動きがあっても一時的なものでしょう。

 なお、日本は一段と金融緩和を進める可能性が高いため、ユーロは円に対しても相対的に強い状況が継続する可能性が高く、ユーロ・円も上昇基調で推移しそうです。ただ、ユーロ・円は上昇ペースが速く、1ユーロ=127円近辺まで上昇しており、21日線からのかい離率が一時6%超まで拡大するなど高値警戒感も台頭しつつあり、調整局面を迎える可能性もあります。

 今後の経済指標やイベントとしては、5日に豪12月貿易収支、オーストラリア準備銀行(RBA)政策金利、ユーロ圏12月小売売上高指数、米1月ISM非製造業景況指数、6日に豪12月小売売上高、7日に日本12月機械受注高、豪1月雇用統計、日本12月景気動向指数、英中銀(BOE)政策金利、欧州中央銀行(ECB)政策金利、米新規失業保険申請件数、8日に日本12月経常収支、中国1月貿易収支、中国1月消費者物価指数、中国1月生産者物価指数、独1月消費者物価指数、米12月貿易収支などがあります。

【為替の1月効果、1月の動きがその年の動きの予測に役立つか?】
 前週はNYダウやS&P500、日経、ドル・円について1月の月足が陽線だった場合、年足も陽線になりやすいか、1月の月足が陰線だった場合は、年足は陰線になりやすいかといったことを確認しました。米国株は1月が陽線だと、1年を通しても陽線で終わる傾向が強いものの、日経平均やドル・円はそうしたバイアスはありませんでした。今回はドル・円以外の通貨について確認していきます。

 グラフは1991〜2012年の22年間について、1月が陽線だった場合、年足でも陽線になる確率と、1月が陰線だった場合、年足でも陰線となる確率を示したものです。要するに1月の動きと年間を通しての動きがどれくらい同じ動きとなるかを示したものです。数値が高いほど、1月の動きと同じ動きを年間を通してしやすいということを示しています。なお、ユーロ・円とユーロ・ドルは1999〜2012年の14年間となります。

 1月が陽線で引けたのは、ドル・円、豪ドル・円、豪ドル・ドル、ポンド・円、ユーロ・円、ユーロ・ドル、NY原油です。1月が陽線の場合に年足が陽線となる確率は、ドル・円が45.5%と低いものの、豪ドル・円は53.8%、豪ドル・ドルは70.0%、ポンド・円が70.0%、ユーロ・円が85.7%、ユーロ・ドルが60.0%、NY原油は88.9%となります。通貨や銘柄でバラツキはあるものの、ドル・円以外は年足でも陽線になりやすいものが多いです。特にユーロ・円、豪ドル・ドル、ポンド・円は陽線になる確率が高いと言えます。

 一方、陰線で引けたのはポンド・ドル、ドル建て金で、年足が陰線となる確率はそれぞれ70.0%、27.3%です。ポンド・ドルは年足が陰線になりやすいものの、ドル建て金は陰線になりくいです。ドル建て金が陰線になりにくいとは裏を返すと、陽線になりやすい(上昇しやすい)ということを示しています。



2013年2月4日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

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