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外為マーケットコラム

ドル・円は緩やかな上昇が継続か

【任期満了前の白川総裁の辞任報道で円売りに】
 5日に日銀金融政策決定会合の白川総裁は、4月8日の任期満了を待たずに3月19日で辞任すると表明しました。二人の副総裁の任期が切れるのと同時に辞職することで、正副総裁3人が同時に就任できるように配慮したとのことです。

 白川総裁の辞任報道で、後任にはデフレ脱却へ向けて積極的な緩和政策を支持する人が選ばれるとの期待感から円売りの動きが進みました。日銀総裁が任期途中で辞任するのは異例ですが、日銀総裁の辞任報道が円売りにつながる事態も異例と言えそうです。

 2月13〜14日の日銀金融政策決定会合では金融政策に変更はない見通しです。前月の金融政策決定会合で、物価上昇率目標(インフレターゲット)2%の導入、2014年以降に無期限に国債などを購入する緩和措置などを決めており、次回はこれまでの金融政策の効果の検証が中心となるとみられます。

 その次の3月6〜7日の日銀金融政策決定会合は白川総裁の任期内なため、ここまでは新たな措置は打ち出されないでしょう。追加緩和策を打ち出すとすれば、新たな正副総裁のもとで開催される4月3〜4日以降となりそうです。白川総裁の在任中は追加緩和策を温存して、新総裁のもとで新たな政策を打ち出しやすくする可能性が高そうです。

 なお、2月15〜16日の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、通貨安競争への懸念が各国から出てくる可能性があります。各国からの牽制で円安の進行ペースが鈍化する可能性もありそうです。

 日銀の追加金融緩和への期待感から円は売られやすく、米国経済が堅調で米長期金利が上昇基調で推移して、ドルは買われやすい流れとなり、ドル・円は緩やかな上昇を続けそうです。11日には米財務省のブレイナード財務次官(国際問題担当)から安倍政権の経済政策を支持するとの発言も出ており、ドル・円は1ドル=95〜96円前後まで上昇しそうです。

【ドラギ総裁発言でユーロが下落】
 欧州中央銀行(ECB)による期間3年の流動性供給オペ(LTRO)の早期返済や米国株の上昇などによりリスク選好の高まりで、ユーロは上昇を続けたものの、4日には上げ一服となりました。スペインやイタリアの政局不安が圧迫要因となり、その後、戻す場面もあったものの、7日のドラギ総裁の記者会見でユーロ相場やユーロ圏の景気に懸念を示したことでユーロは売られました。

 7日の欧州中央銀行(ECB)理事会では金融政策に変更はありませんでした。理事会後の記者会見でドラギ総裁は、このところのユーロの上昇に関しては「ユーロへの信認回復の表れ」「ECBはユーロの上昇が続くかどうかを見極め、物価安定に対するリスク評価を見直していく」と述べています。景気については「ユーロ圏の景気低迷は2013年の早い時期も続く見通し」「ユーロ圏の景気見通しのリスクは下向き」との認識を示しており、これがユーロの圧迫要因となっています。

 ユーロ圏では、米国ほど景気が良好とはいえない上、スペインやイタリアの政局への不透明感が欧州債務問題の再燃につながりかねません。スペインではラホイ首相の不正資金疑惑、イタリアでは大手銀行の損失隠し問題、イタリアの今月下旬の総選挙後に財政再建路線が維持できなくなるとの懸念などが持ち上がりそうです。

 ユーロ・ドルは上値の重い展開となっていますが、11日にドイツ連銀のバイトマン総裁がユーロは過大評価されていないとの認識を示したことで、下げ渋っています。一方的に大きく崩れるような状況でもないとみられることから、ユーロ・ドルは1ユーロ=1.31〜1.36ドルのレンジでもみ合いとなりそうです。

 今後の経済指標やイベントとしては、12日に英1月消費者物価指数、13日にユーロ圏12月鉱工業生産指数、米1月小売売上高、14日に日本第4四半期国内総生産(GDP)1次速報、日銀金融政策決定会合(13〜14日)・政策金利、独第4四半期国内総生産(GDP)速報値、ユーロ圏第4四半期域内総生産(GDP)速報値、米新規失業保険申請件数、15日に日本12月鉱工業生産指数、米2月NY連銀製造業景気指数、米12月対米証券投資、米1月鉱工業生産・設備稼働率、米2月ミシガン大学消費者信頼感指数、G20財務相・中央銀行総裁会議(15〜16日)などがあります。

【米独英の長期金利上昇で日本との金利差拡大、円安の支援材料】
 昨年の11月以降、ドル・円、ユーロ・円やポンド・円などのクロス円は円安傾向が続いており、上昇トレンドを描いています。日銀の金融緩和政策への期待感などが上昇の原動力となっていました。ここへ来て、諸外国の長期金利が上昇傾向にあり、日本との金利差が拡大傾向にあります。

 グラフは日本と米国、ドイツ、英国の10年物国債の利回りとドル・円を表示したものです。金利の目盛りは左軸、ドル・円は右軸となっています。国債利回りは日本が紺、米国がピンク、ドイツが緑、英国は水色となっています。ドル・円はオレンジの太線です。

 ドル・円は昨年11月以降はかなり勢い良く上昇しています。利回りについては、日本が低水準で安定している中、ドイツはこのところ上昇一服となっていますが、米国、英国は今年に入っておおむね上昇傾向にあります。これらの国の国債はリスク回避の動きが高まると買われて利回りが低下する傾向にありました。今は資金が株式などへ徐々にシフトして、これらの国の国債が売られて利回りは緩やかに上昇しています。米国は株が高値圏まで上昇していることや堅調な経済指標が利回り上昇につながっています。

 日銀の追加緩和への期待感は依然として円安要因となっていますが、米独英など各国の長期金利の上昇はドル・円やクロス円にとって上昇要因となるため、こうした流れが継続するようであれば、ドル・円やクロス円はさらに円安が進むことが期待されます。



2013年2月12日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

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