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外為マーケットコラム

ドル・円、クロス円の上昇ペースは鈍化か

【G20で日本を名指しでの批判はなし】
 2月13〜14日の日銀金融政策決定会合では金融政策に変更はありませんでした。前月の金融政策決定会合で、物価上昇率目標(インフレターゲット)2%の導入、2014年以降に無期限に国債などを購入する緩和措置などを決めており、市場関係者の間でも金融政策に大きな変更はないとの見方が広がっていました。予想通りの結果となったことで、市場へのインパクトも乏しいものでした。

 なお、次回の3月6〜7日の日銀金融政策決定会合は白川総裁の任期内であり、新たな措置は打ち出されないでしょう。追加緩和策を打ち出すとすれば、新たな正副総裁のもとで開催される4月3〜4日以降が有力となります。白川総裁の在任中は追加緩和策を温存して、新総裁のもとで新たな政策を打ち出しやすくするとみられます。

 注目された20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議ですが、16日に競争的な通貨安を回避する方針などを盛り込んだ声明を採択して閉幕しました。声明では日本が名指しで批判される事態は回避されており、週明けの市場では、ドル・円やクロス円は円売りの動きから円安に振れています。ただ、「国内目的の政策が他国に与える負の波及効果を監視し、最小化する」との文言が組み込まれたことで、一段の円安を牽制するものと判断できます。

 こうした点から、今後、ドル・円やクロス円で円安が進むにしてもペースが鈍化することが見込まれます。また、日銀総裁の人事案などが報道されると、乱高下する可能性も出てきそうです。ドル・円は目先は1ドル=92〜95円前後での推移となりそうです。

【ドイツ以外はユーロ高を警戒か】
 フランスでは当局者がユーロ高への警戒感を示してますが、ドイツではドイツ連銀のバイトマン総裁が「ユーロは過大評価の兆候は示されていない」との見解を示しました。比較的景気が良好なドイツは多少のユーロの上昇を容認する余裕はあるようですが、フランスをはじめとする各国は輸出企業への打撃を警戒して、ユーロ上昇に対する不満が募り始めているようです。

 欧州中央銀行(ECB)が2012年2月に実施した2回目の期間3年の流動性供給オペ(LTRO)の早期返済が2月27日より始まります。市場予想では1,200〜1,300億ユーロ前後の返済見通しとなっています。この金額が予想を上回るようなら、銀行の資金繰りへの警戒感が後退して、ユーロには支援材料となりそうです。ただ、予想を下回って、ユーロ売りにつながるとの見方も出ています。なお、返済額は22日に公表される予定となっています。

 ユーロ圏では、スペインやイタリアの政局への不透明感が後退したわけではありません。スペインではラホイ首相の不正資金疑惑、イタリアの今月24〜25日の総選挙後に財政再建路線が維持できなくなるとの懸念などが持ち上がりそうです。また、ドイツを除くとユーロ高への懸念を表明する声も高まりつつあります。さらに昨年第4四半期のユーロ圏の域内総生産(GDP)は前期比0.6%減と、第3四半期の同0.1%減から悪化しています。ユーロ圏の中核国であるドイツ、フランスもマイナス成長であり、ユーロの圧迫要因となりそうです。ユーロ・ドルは上値の重い展開が見込まれ、1ユーロ=1.30〜1.31ドルまで下落の可能性があり、戻しても1.35ドル付近では上値を抑えられそうです。

 今後の経済指標やイベントとしては、18日にユーロ圏12月経常収支、19日に日本12月景気動向指数、独2月ZEW景況感指数、20日に日本1月貿易収支、独1月消費者物価指数、英金融政策委員会(MPC)議事録、英1月雇用統計、米1月住宅着工件数と建設許可件数、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録、21日に米1月消費者物価指数、米新規失業保険申請件数、米2月フィラデルフィア連銀景況指数、米1月中古住宅販売件数、米1月景気先行指数、22日に独第4四半期国内総生産(GDP)改定値、独2月ifo景況感指数などがあります。

【円安進行でも増えない大口投機玉の円の売り越し】
 米商品先物取引委員会(CFTC)は毎週金曜日にその週の火曜日時点での建玉明細を発表しています。この中で、大口投機家の売り越し幅、買い越し幅の変動は、相場の方向と連動性が高いケースが多く、特に注目されています。

 グラフは円(対ドル)の大口投機玉の建玉明細のグラフで、水色はドル・円の終値(これのみ左軸)、緑の棒グラフは買い玉、ピンクは売り玉です。赤は買い玉から売り玉を差し引いたネットポジションで、最も注目される数値となっています。赤のグラフがゼロより下にあるときは大口投機玉は売り越し、赤がゼロより上なら買い越しとなります。

 グラフによると、円の大口投機玉は売り越し(赤がゼロより下)が続いています。売り玉は10〜11万枚で推移する中、買い玉が徐々に増加したことで、昨年12月18日以降は売り越し枚数は徐々に減少傾向にあります。円安傾向は続いていたものの、一方的に円が売られることに対する警戒感から円の買い玉が増加したようです。

 通常、大きなトレンドが起きると、大口投機玉の動向とマーケットの流れが同一歩調を取るケースが多いのですが、昨年の12月中旬以降は円安には振れているものの、大口投機玉の売り越しは増加するどころか、減少するか横ばいとなっています。円安の進行にもかかわらず、円の売り越し枚数が増えておらず、一方的な円安進行への警戒感が広がっていると見ることができそうです。



2013年2月18日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

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