FX・為替比較はALL外為比較

  • FX会社を探す
  • FXの基礎知識
  • Q&A
  • 外国為替マーケット予想

ALL外為比較 > 外為マーケットコラム > イタリアの政局や米国の歳出強制削減の影響に注目

外為マーケットコラム

イタリアの政局や米国の歳出強制削減の影響に注目

【イタリアの総選挙を受けて円買いに】
 2月24〜25日に行われたイタリアの総選挙に金融市場は振り回される展開となりました。イタリアの下院では緊縮財政の継続を掲げる中道左派が過半数を確保したものの、上院では緊縮派、反緊縮派ともに過半数を獲得できず、安定政権ができるのは困難との見方が広がっています。反緊縮派が勢いを増すようだと、イタリアの財政問題に暗い影を投げかけ、欧州債務危機が再燃する可能性があります。

 イタリアの政局不透明感を嫌気して、25〜26日にかけてユーロが急落するとともに、円が買われる展開となりました。ドル・円は1ドル=94円台から一時91円割れまで急落、ユーロ・円も1ユーロ=125円台から119円割れまで急落しました。

 その後、米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長の議会証言で米国の量的緩和継続への期待感が高まったこと、米国の経済指標の改善などからリスクオンの動きとなり、米国株が大きく上昇しており、この結果、円買いの動きも一服しています。

 今後は、イタリアの政局の動向や米国を中心とする経済指標や株価の動向を眺めての推移が見込まれます。米国では米2月ISM非製造業景況指数、米2月ADP雇用統計、米2月雇用統計など注目度の高い指標の発表があり、良好な結果ならドル買いに動きから、ドル・円は堅調な動きとなりそうです。ただ、米国の歳出の強制削減の影響なども懸念され、一方的なドル買い/円売りの動きは期待しにくく、ドル・円は1ドル=91〜94円台でもみ合いが続きそうです。なお、日銀は新総裁や副総裁が国会で承認されたとしても、次回の3月6〜7日の日銀金融政策決定会合は白川総裁の任期内であり、新たな措置は打ち出されないとみられます。

【債務危機再燃の恐れ】
 イタリアでの総選挙後は、単独過半数を占める政党がなかったことから、連立政権の樹立に向けて各党の動きが注目されそうです。市場では同国の政局の混乱が長期化することへ警戒感を示す向きもあります。イタリアはギリシャほど財政状況がひどくないにしても、イタリアの政局混迷が欧州債務危機の再燃につながる可能性も否定できません。

 今のところ、2月26日と27日のFRBのバーナンキ議長の議会証言を受けて、米国で量的緩和を継続するとみられることや、米国の経済指標が良好なことから、リスクオンの動きとなり、各国の株価は堅調に推移しています。ただ、イタリア政局への不透明感やユーロ圏の経済指標の悪化などから、ユーロは上値重く推移しています。

 イタリアの政局次第では欧州債務危機の再燃につながる恐れがあり、ユーロ・ドルは欧米市場の経済指標や要人発言に左右されやすい流れが続きそうです。そうした中、ユーロ・ドルは、1ユーロ=1.28〜1.33ドルのレンジで上値の重い推移が見込まれます。7日の欧州中央銀行(ECB)理事会後のドラギ総裁の記者会見の内容や8日の米雇用統計の結果次第では、上下に大きく振れる可能性もありそうです。なお、3月1日からの米国の連邦債務の強制削減が発動されたものの、金融市場ではそれほど目立った影響は出ていませんが、今後の動きが注目されます。

 今後の経済指標やイベントとしては、5日にオーストラリア準備銀行(RBA)政策金利、ユーロ圏1月小売売上高指数、米2月ISM非製造業景況指数、6日に豪第4四半期国内総生産(GDP)、ユーロ圏第4四半期域内総生産(GDP)改定値、米2月ADP雇用統計、カナダ銀行(BOC)政策金利、7日に日銀金融政策決定会合(6〜7日)・政策金利、日本1月景気動向指数、英中銀(BOE)政策金利、欧州中央銀行(ECB)政策金利、米1月貿易収支、米新規失業保険申請件数、8日に日本第4四半期国内総生産(GDP)2次速報、日本1月経常収支、中国2月貿易収支、独1月鉱工業生産指数、米2月雇用統計などがあります。

【3月の月足の陽線確率:ユーロが上げやすい季節】
 グラフは2003〜2012年の10年間について、主要通貨や商品などが3月の月足が陽線になった比率を示しています。陽線とは終値が始値よりも上昇したことを意味しています。ここで、ドル・円やクロス円が陽線になりやすい(すなわち上昇しやすい)ということは、円安に振れやすいということを示しており、陰線になりやすい(下落しやすい)ということは円高になりやすいということを示しています。

 グラフの棒グラフは3月の陽線確率(左軸)、ピンクの折れ線は通貨の値幅(pips)を示しています(右軸)。これによると、12月の陽線確率はドル・円が60.0%とやや陽線になりやすい(すなわち円安になりやすい)という傾向を示しています。それ以外の通貨は、ユーロ・円が80.0%、ポンド・円とユーロ・ドルが70.0%と陽線になりやすく、ユーロが上げやすい月と言えそうです。

 一方、豪ドル・円と豪ドル・ドルとポンド・ドルは40.0%とやや陰線になりやすくなっています。3月は通貨によってバラツキの大きい月となりやすいと言えそうです。通貨以外では、NY原油(WTI原油)は60.0%、NYダウは70.0%と上昇しやすいものの、ドル建て金は30.0%と下げやすくなっています。

 なお、過去10年間の各通貨の3月の平均値幅は次の通りです。通貨間で標準化するためpipsで表示しています(カッコ内は2月の値幅)。ドル・円は566(485)、豪ドル・円は655(498)、豪ドル・ドルは487(380)、ポンド・円は1043(1038)、ポンド・ドルは642(658)、ユーロ・円は767(695)、ユーロ・ドルは586(496)となっています。各通貨ともにおおむね2月に比べて変動幅が大きくなる傾向があります。



2013年3月4日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

 オーバルネクストは、国内外の先物取引や為替情報に関する各種のニュースやデータを配信、またこれらの情報に伴うシステム開発を行っております。スピードと正確性に富むニュースやデータの配信に加え、オーバルネクスト独自の情報分析を含む各種コンテンツを一般投資家や各種ブローカーの皆様へ幅広く提供しています。
詳しくはこちらをご覧ください

コラム一覧へ戻る

当社は「ALL外為比較」に掲載される情報(以下「掲載情報」といいます。)の完全性および正確性を保証いたしません。

また掲載情報は、将来における結果を示唆するものではありません。

したがいまして、お客様において掲載情報に基づいて行動を起こされた場合でも、当社はその行動結果について何らの責任も負担いたしません。

掲載情報に基づく行動は、お客様の責任と判断によりお願いいたします。掲載情報は、金融商品の売買等の勧誘を意図したり、推奨するものではありません。

お客様において掲載情報に含まれる金融商品の売買等の申込等をご希望される場合には、その掲載情報に記載の金融機関までお客様ご自身でお問い合わせください。

当社はお問い合わせに関し対応いたしかねます。

掲載情報のうち「外為マーケットコラム」等に関しましては、著作権法等の法律により保護されており、

個人の方の私的使用目的以外での使用や権利者に無断での他人への譲渡、販売コピーは認められていません。