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外為マーケットコラム

米国のけん制で円安進行は足踏みか

【米国のけん制で円安一服】
 4月3〜4日の日銀金融政策決定会合で打ち出した、「量的・質的金融緩和」の影響が広がり、円売りの流れは続いてきました。ドル・円だけでなく、クロス円も全般に大きく上昇してきました。3〜4日付近の安値からその後の高値までは、ポンド・円は13円超、ユーロ・円も12円超、豪ドル・円は8円超、ドル・円は7円超上昇しています。日経平均も13,000円を超えてくるなど上昇基調で推移しています。

 それだけでなく、米国や欧州市場でも日本の金融緩和により、株式市場や債券市場への資金流入への期待感が広がっています。米国株ではNYダウやS&P500が史上最高値を更新しています。欧州市場ではイタリアやスペイン国債の利回りが低下するなど、日銀の緩和効果の広がりが期待されています。

 そうした中、米財務省は半期に一度の為替報告書を発表しました。そこでは、日本の金融政策が円相場の引き下げを目的としたものでないかを注視するとの見解を示しました。この報告書を受けて、ドル・円、クロス円ともに上昇が一服しています。18〜19日の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議を前に米国が過度な円安進行をけん制する動きに出てきたようです。

 米国のけん制で円安進行は一服しており、ドル・円は1ドル=100円乗せを前に上値の重い展開となりそうです。目先は1ドル=96〜99円台でもみ合いとなりそうです。ただ、日銀が緩和姿勢を強めているのに対して、米国では米連邦準備理事会(FRB)が出口戦略について米連邦公開市場委員会(FOMC)で議論を始めており、中長期的に円安へ向かう大きな流れは続きそうです。

【FOMCでは出口戦略の議論が活発に】
 10日に米連邦準備理事会(FRB)から公表された3月19〜20日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録では、一部の参加者が資産買い入れの年内終了を視野に入れていたことが判明しました。これで資産買い入れプログラムの終了時期が早まるとの観測が高まりました。緩和策を拡大している日本とは対照的なスタンスです。

 もっとも、FRBのバーナンキ議長やイエレン副議長、NY連銀のダドリー総裁は量的緩和継続派であり、FOMC議事録で早期の資産買い入れ終了の話題が持ち上がっても、その後のバーナンキ議長の講演などで「従来通り緩和継続」の姿勢が示されるケースが多くみられます。このため、実際に出口戦略が実行に移されるまでは、まだかなりの時間が必要になりそうです。

 12日にユーロ圏財務相会合が100億ユーロの金融支援を行うことを決めたことで、キプロスの問題は一応落ち着きを見せています。ただ、スロベニアに問題が波及する懸念は残ります。また、ユーロ圏財務相会合では、アイルランドやポルトガルに対しては、融資期間の延長で合意するなど、ユーロ圏の債務問題は表面上は落ち着きつつも、根本的な解決にはまだ相当な時間がかかりそうです。

 ユーロ、円、ポンド、スイスフランなど6通貨から構成されて、ドルの強さを示すドル・インデックスは、2月1日の79.125から3月27日には83.221(いずれも終値ベース)まで上昇しました。この間、5.2%の上昇となり、昨年8月以来の高水準となるまでドル高が進んでいました。その後は米国の経済指標がさえないことなどから、ドル高の動きは一服しており、ドル指数は軟調に推移しています。

 ユーロ圏は景気が鈍化傾向にあり、ユーロの買い材料には乏しいです。ただ、ドルが大きく上昇した反動から売られており、対ユーロでのドル売りがユーロ・ドルの上昇につながっています。ユーロ・ドルは4月以降、長らく下げてきた反動で戻り歩調を続けており、2月1日の高値1.3711ドルから4月4日の安値1.2746ドルまでの下げの半値戻しの1.3229ドル付近が戻りのめどとなりそうです。なお、ユーロ圏で売りにつながる材料が出れば、最近の戻り歩調も一服しそうです。

 今後の経済指標やイベントとしては、15日に米4月NY連銀製造業景気指数、16日にオーストラリア準備銀行(RBA)議事録、英3月消費者物価指数、ユーロ圏3月消費者物価指数、独4月ZEW景況感指数、米3月消費者物価指数、米3月住宅着工件数・建設許可件数、米3月鉱工業生産・設備稼働率、17日に英金融政策委員会(MPC)議事録、英3月雇用統計、米地区連銀経済報告(ベージュブック)、18日に日本3月貿易収支、米新規失業保険申請件数、米4月フィラデルフィア連銀景況指数、19日に日本2月景気動向指数、独3月生産者物価指数などがあります。

【日経平均はそろそろ調整か、GWまで上昇か?】
 日銀の大胆な金融緩和を背景にドル・円やクロス円で円安が進むとともに日本株も上昇しています。ここでは、いくつかの過去のパターンと今年の日経平均の値動きを比較してみます。ピンクのグラフは1993〜2012年の過去20年間の季節的な値動きを指数化したものです。赤はこのうち、上昇して終えた年のみのパターンで、青は米国の大統領選挙の翌年(1985〜2009年の過去7回)のパターンです

 いずれも0〜100の指数であり、左軸で表示しています。なお、2013年(緑)は実際の価格となり、これだけ右軸で表示しています。過去のパターンを見ると、ピンク(通常の季節性)、赤(上昇年のみ)、青(米大統領選挙の翌年)はいずれも年初から上昇傾向にあり、4〜5月のどこかでいったん上昇が止まります。その後は下げに転じるケース(ピンク)、調整後に再び上昇に転じるケース(赤)、もみ合いが続きやすいケース(青)といった値動きを見せる傾向があります。

 現在は過去のどのパターンとも似ていて上昇傾向にあります。上昇年のみ(赤)では、いったんここで調整に入る可能性が高いですが、調整しなければゴールデンウイーク(GW)ころまでは上昇しそうです。なお、日本株にはGWころに、それまでの上昇を終えて株価がピークアウトするという傾向があります。

 昨年の秋から日本株はかなりのハイペースで上昇してきており、どこかで調整が入ってもおかしくないと思われます。その調整の時期が4月中旬なのか、GWのころなのか、それとももっと後なのかが注目されます。これまでの勢いからすると、GWころまでは堅調な推移が続くこととなりそうです。



2013年4月15日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

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