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外為マーケットコラム

99〜105円で新レンジ相場を形成か

【米新規失業保険申請者数が事前予想下回り、3ケタ相場に】
 ドル・円は4月5日以降、1ドル=95円台後半〜99円台後半の取引が続いていたが、9日に100円の節目を試し、レンジを上放れると、一気にドル高・円安が進み、10日には101.98円まで上昇した。1カ月以上、レンジ相場を形成し、次の方向性をつかむきっかけ待ちだったが、今月3日に発表された4月の米雇用統計で失業率が事前予想の7.6%を下回る7.5%、非農業部門の就業者数が前月比16万5,000人増となり、事前予想の同14万人増を上回り、雇用情勢の改善が示され、ドル買い・円売りムードが強まり、97円台後半から99円台前半に急上昇した。8日に反落したが、25日移動平均線が通る98.50円を割り込む前に99円水準に戻した。9日に4日までの米週間新規失業保険申請件数が32万3,000件となり、事前予想の33万5,000件を下回ったことをドル買い材料に一気に3ケタ台に突入した。

 2009年4月につけた高値101.45円を上抜いており、チャートからは105円の節目まで抵抗線がない。欧州中央銀行(ECB)は2日に政策金利を0.75%から0.50%に引き下げているが、7日にECBドラギ総裁が追加利下げの可能性を示唆している。一方、米国は今後の経済指標次第では金融緩和策の出口戦略の検討に入るとみられ、ドル高になりやすい環境である。週末に開催された日米欧7カ国(G7)の財務相・中央銀行総裁会議で日銀の金融緩和政策や円安に関して批判はなかった。円安基調に大きな変化が起きることはなく、今後1、2カ月は1ドル=99〜105円のレンジ相場を形成か。

【1ドル=103円前後が抵抗線か】
 今週は13日に4月の米小売売上高の発表を皮切りに米経済統計の発表が続く。13日の午後には4月の中国の小売売上高、鉱工業生産高が発表され、欧米の株式市場、為替、商品市場に少なからず、影響を与えるであろう。米中の4月の小売売上高が消費の好調を裏付け、リスクオンの動きとなれば、ニューヨークダウが史上最高値を更新し、ドル高・円安の流れが続くとみる。今週中にも102円台後半〜103円のレンジに上昇の可能性があろう。103.80円が25日移動平均線の通る98.90円から5%乖離にあたり、103円前後が抵抗線として意識されそうだ。逆に支持線はこれまで抵抗線となっていた100円から99円台後半とみる。

 シカゴマーカンタイル取引所(CME)に上場しているシカゴ円の建玉明細によると、大口投機家のシカゴ円の売り越しは今月7日現在、78,560枚だが、9日と10日で円売りが増えたとみられる。4月16日には93,411枚まで売り越し幅が増えており、 まだ売り余地はある。

 円サイドからの注目要因としては外国債の買い越しによる旺盛なドル需要が挙げられよう。ドル券財務省の対外・対内証券投資によると国内の投資家による外国債(中長期債)は、4月21〜27日は2,044億円の買い越し、4月28〜5月4日は3,099億円の買い越しとなっており、2週連続で外債の取得が売却よりも大きくなった。日本の生命保険会社による外債購入への期待感が根強く、外債の買い越しが統計で示されたことは円売りの材料につながりそうだ。

今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。
13日 豪3月住宅ローン許可件数
   中国4月鉱工業生産指数、中国4月小売売上高
   米4月小売売上高
14日 独4月消費者物価指数
   ユーロ圏3月鉱工業生産指数
   独5月ZEW景況感指数
   米4月輸入価格指数
15日 独第1四半期国内総生産(GDP)速報値
   英4月雇用統計
   ユーロ圏第1四半期域内総生産(GDP)速報値
   米5月NY連銀製造業景気指数
   米4月生産者物価指数
   米3月対米証券投資
   米4月鉱工業生産・設備稼働率
16日 日本第1四半期国内総生産(GDP)1次速報
   日本3月鉱工業生産指数
   ユーロ圏4月消費者物価指数、ユーロ圏3月貿易収支
   米4月消費者物価指数
   米新規失業保険申請件数
   米4月住宅着工件数・建設許可件数
   米5月フィラデルフィア連銀景況指数
17日 日本3月機械受注高
   カナダ4月消費者物価指数
   米5月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値
   米4月景気先行指数



2013年5月13日

(オーバルネクスト/森 成俊)

株式会社オーバルネクスト 森 成俊

担当
為替、先物市場
信条
為替証拠金取引の拡大により、為替取引はより身近になりました。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けています。
経歴
91年ゼネックス(現オーバルネクスト)入社、97−99年までNY現地法人勤務。03年よりオーバルネクスト調査情報グループリーダー。ラジオNikkeiファイナンシャルBox火曜日の為替、商品市況のコメンテーターも務める。

株式会社オーバルネクスト

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