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外為マーケットコラム

第2四半期から7月前半に105円試す可能性あり

【ユーロ安につられ、1ドル=103円台前半まで円安が進行】
 今月10、11日に開催された日米欧7カ国(G7)の財務相・中央銀行総裁会議で日銀の金融緩和政策や円安に関して批判がなかったため、円安容認ムードが強まり、ドル・円は13日に1ドル=102円台に下落し、17日の海外市場では103.30円まで円安が進んだ。15日に発表されたユーロ圏の第1四半期の国内総生産(GDP)速報は前期比0.2%減少、前年比1.0%減少となり、事前予想の前期比0.1%減少、前年比0.9%減少より弱い数字となり、2011年第4四半期以来、6四半期連続でのマイナス成長となった。ユーロ経済の回復力の弱さが改めて示され、ユーロ・ドルは17日に4月4日以来の安値となる1ユーロ=1.2793ドルまで下落した。欧州中央銀行(ECB)は今月2日の理事会で政策金利を0.75%から0.50%に引き下げた。景気低迷を示す指標が続くようならば追加引き下げの可能性がある。一方、米国は景気回復の期待感が強く、量的緩和政策の早期解除の可能性もあり、ユーロ安・ドル高が進みやすい。

【FRB議長の議会証言に注目】
 今週は22日に4月30日、今月1日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録の発表がある。1日に債券購入継続が確認される一方、先行きの購入枠縮小の可能性が示唆されており、議事録の中身を確認したい。22日にはFRBバーナンキ議長からの議会証言も予定されており、量的緩和政策の出口戦略に関しての言及があるかが注目される。

 抵抗線になるとみられていた2009年4月の高値101.45円をあっさりと突破し、105円の節目まで抵抗線がない。25日移動平均線が通る99.70円からの乖離率は約3.2%で、まだ買い過剰感はない。ただし14日間の相対力指数(RSI)は71.5に上昇し、買われ過ぎを示唆している。修正安局面があってもおかしくはないが、10日以降、5日間移動平均線を割り込んだことはない。日本時間20日の午前10時現在、5日間移動平均線が102.50円に通っており、102円前後ではドルの押し目買いが入ることを予想。

 ドル・円相場は修正を交えながら、1ドル=105円を目指す展開か。第2四半期(4−6月期)中か7月前半までに105円を試すかもしれない。先週、1ドル=99〜105円のレンジ相場に移行との見解を示したが、ドルの下値を99円から100円台前半に引き上げたい。今月2日につけた1ドル=97.05円から17日の高値103.30円までの上げ幅6.25円に対する半値押しにあたるのが100.18円である。

 日経平均株価は輸出関連株中心に買われ、20日には1万5,300円台まで上昇した。急激な円安で輸入物価の上昇が懸念されるが、日本経済にとっては円安メリットの方が大きいとの判断が株高につながっている。日経平均株価は新年度入りしてから既に3,000円以上上げており、20日現在、25日移動平均線から約9%乖離し、買い過剰感はあるが、円安による企業業績の改善効果から、目先は大きな調整はなく、押し目は買われ、堅調に推移か。

【中国製造業PMIが弱気なら株高・円安が微調整】
 シカゴマーカンタイル取引所(CME)に上場しているシカゴ円の建玉明細によると、大口投機家のシカゴ円の売り越しは今月14日現在、88,407枚まで増加した。15日以降も円売りが増加しているとみられ、9万枚台前半まで増加か。4月16日には93,411枚まで売り越し幅が増えており、 まだ売り余地はあるが、徐々に売り過剰感は強まっている。リスク回避を促すような経済指標の発表があれば、円が買い戻され、円の自律修正高の可能性はあろう。

 23日にHSBCから5月の中国の中国製造業購買担当者景況指数(PMI)速報の発表がある。大方の事前予想は50.4だが、好況と不況の分岐点の50を割り込むと中国株の下落が欧米の株式市場に波及し、株高、円安の流れが微調整となる可能性はあろう。

今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。
20日 英5月ライトムーブ住宅価格
    日本3月景気動向指数
21日 独4月生産者物価指数
    英4月生産者物価指数、英4月消費者物価指数、英4月小売物価指数
22日 日本4月貿易収支
    日銀金融政策決定会合(21〜22日)・金融政策発表
    ユーロ圏3月経常収支
    英金融政策委員会(MPC)議事録
    カナダ3月小売売上高
    米4月中古住宅販売件数
    米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録
23日 中国HSBC製造業購買担当景気指数速報値
    英4月小売売上高指数
    英第1四半期国内総生産(GDP)改定値
    米新規失業保険申請件数
    米3月住宅価格指数
    米4月新築住宅販売件数
24日 NZ4月貿易収支
    独第1四半期国内総生産(GDP)改定値
    独5月ifo景況感指数
    米4月耐久財受注



2013年5月20日

(オーバルネクスト/森 成俊)

株式会社オーバルネクスト 森 成俊

担当
為替、先物市場
信条
為替証拠金取引の拡大により、為替取引はより身近になりました。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けています。
経歴
91年ゼネックス(現オーバルネクスト)入社、97−99年までNY現地法人勤務。03年よりオーバルネクスト調査情報グループリーダー。ラジオNikkeiファイナンシャルBox火曜日の為替、商品市況のコメンテーターも務める。

株式会社オーバルネクスト

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