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外為マーケットコラム

米量的緩和政策の出口戦略に左右される


 6月第2週目のドル・円相場は7日に発表された5月の米雇用統計で非農業部門の就業者数が事前予想を上回る前月比17万5,000人増となり、米労働市場の改善を好感し、10日は1ドル=99円台まで上昇し、しっかり。しかし翌11日に日銀金融政策決定会合で政策金利が据え置かれる一方で、市場の期待が膨らんでいた日本国債のボラティリティを抑える1年超の長期資金供給オペの期限延長が見送られたことに対する失望感が広がり、円高、株安が加速した。11、12日は1ドル=95円の節目がドルの支持線となったが、13日の東京時間の午前中に95円の節目を割り込むと、93.77円まで下落した。しかしニューヨーク市場では5月の米小売売上高が前月比+0.6%(自動車を含む総合)となり、事前予想の同+0.4%を上回ったこと、また米週間新規失業保険申請件数は334,000件と予想(346,000件)を下回り、18−19日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えるなか、米連邦準備制度理事会(FRB)による量的緩和の縮小観測が強まったため、95円台に反発した。ニューヨークダウが大幅高となったことも追い風となり、95.84円まで上昇した。ただ95円台では売り圧力が強く、14日の海外市場では94円水準まで下落した。

 一方、ユーロ・ドルは11日に6日の高値1ユーロ=1.3305ドルを突破すると上伸力が強まり、13日には2月20日以来の高値となる 1.3390ドルまで上昇した。12日に発表された4月のユーロ圏鉱工業生産指数は、事前予想の前月比変わらずを上回る前月比+0.4%となったユーロ買いの材料はあったが、好調な米経済指標が続いたことを考えるとテクニカル要因主導の上げ局面だ。

【FRBバーナンキ議長の発言に注目】
 今週は18−19日にFOMCが開催され、週初から量的緩和の出口戦略に対する思惑が交錯しそうだ。米労働市場の改善で早期の量的緩和第3弾(QE3)縮小、または早期打ち切りの可能性が強まるかがカギだ。FRBバーナンキ議長が会見でどのような見解を示すかが注目される。QE3縮小の可能性が強まれば、ドル買い意欲が強まろう。10日の高値1ドル=99.31円から13日の安値93.77円までの下げ幅5.54円に対し、半値戻しの96.54円が当面の高値目標だ。その次ぎが3分の2戻しの97.46円となる。

 米FOMCでの量的緩和政策の出口戦略以外には18日にカンファレンスボードが発表する5月の中国の景気先行指数、20日にHSBCが発表する製造業購買担当担当景気指数(PMI)が注目要因。弱気の数字となり、日経平均株価が12,500円を割り込み、直近の安値を模索、欧米の株安となれば、リスク回避の動きが強まり、円の買い戻し加速でドル・円は1ドル=93.77円を割れとなり、93円の節目、4月4日の安値92.68円を目指す下げになる可能性があろう。

【CMEで投機家は円買い方針に転じる投機家が増加】
 米商品先物取引委員会が今月14日に発表した建玉明細によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の今月11日現在でのシカゴ・円の大口投機家の売り越し幅は72,906枚となり、4日現在の82,744枚からさらに減少した。5月28日の円の売り越しピークとなった99,769枚から26,863枚の急減となった。買い玉は5月28日現在の18,406枚から21,722枚まで増加し、円買い方針に転じた投機家が増えた。

今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。
17日 ユーロ圏4月貿易収支
    米6月NY連銀製造業景気指数
18日 オーストラリア準備銀行(RBA)議事録
    日本4月鉱工業生産指数
    英5月生産者物価指数、英5月消費者物価指数、英5月小売物価指数
    独6月ZEW景況感指数
    米5月消費者物価指数
    米5月住宅着工件数・建設許可件数
19日  日本5月貿易収支
    中国5月景気先行指数(カンファレンスボード)
    英金融政策委員会(MPC)議事録
    カナダ4月卸売売上高
    米連邦公開市場委員会(FOMC)
20日 NZ第1四半期国内総生産(GDP)
    中国HSBC製造業購買担当景気指数(PMI)
    日本4月景気動向指数
    独5月生産者物価指数
    スイス銀行(SNB)政策金利
    英5月小売売上高指数
    米新規失業保険申請件数
    米6月フィラデルフィア連銀景況指数
    米5月中古住宅販売件数
    米5月景気先行指数
21日 ユーロ圏4月経常収支
    カナダ5月消費者物価指数、カナダ4月小売売上高



2013年6月17日

(オーバルネクスト/森 成俊)

株式会社オーバルネクスト 森 成俊

担当
為替、先物市場
信条
為替証拠金取引の拡大により、為替取引はより身近になりました。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けています。
経歴
91年ゼネックス(現オーバルネクスト)入社、97−99年までNY現地法人勤務。03年よりオーバルネクスト調査情報グループリーダー。ラジオNikkeiファイナンシャルBox火曜日の為替、商品市況のコメンテーターも務める。

株式会社オーバルネクスト

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