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外為マーケットコラム

ドルは押し目買いで下値堅い


 6月第3週目のドル・円相場は17日の安値1ドル=94.07 円の安値を出発点に上昇基調となり、20日の欧州時間の序盤には98.32円の高値をつけた。今週はドルの修正安局面は押し目買い意欲が強く、下値は堅い展開を予想する。強気の米経済統計が出れば、99円台を目指そう。97〜100円中心とした展開を予想。もう少し長い期間でみた場合、6月の米雇用統計に左右されるが、7月半ばに向けて100〜102円台のレンジに上昇する可能性はあるとみる。

【バーナンキ発言受け、ドル・円急伸】
 米連邦公開市場委員会(FOMC)は19日に政策金利の誘導目標をゼロ〜0.25%に据え置き、月額850億ドルの資産購入を維持するとの声明を発表した。その直後にFRBバーナンキ議長が「年末までに資産購入ペースを緩め、来年半ばには打ち切りの可能性がある」と会見し、量的緩和政策の縮小観測が強まった。その発言を受け、日本時間の20日未明からドル高となり、ドル・円は20日の日本時間の午後1時に1ドル=97円台に上昇し、その日の欧州での取引の序盤にあたる日本時間の午後5時台に98.32円まで急伸した。98円台では売り圧力が強いが、日足は17 日から21日まで5営業日連続で陽線引けとなり、上昇基調を形成し、24日は東京時間の午前中に98.70円台に上昇している。

【25日移動平均線を試し、1ドル=100円を目指す】
 ドル・円は5月22日に1ドル=103.73円まで上昇した後、約10円の下落となった。5月22日の高値103.73円から直近の安値となった93.77円までの下げ幅9.96円に対し、3分の1戻しに当たる97.10円前後が支持線とみる。98.70円水準に25日に移動平均線が通っている。今月に入り、25日移動平均線を下回る状態が続いていたが、25日移動平均線を24日の午前中に試したことで、テクニカル指標からは100円の節目を目指す展開か。

 19日にFRBバーナンキ議長から年内の量的緩和の縮小を示唆する発言があった後、ドルは対ユーロでも買われた。ユーロ・ドルは19日のバーナンキ発言の前は1ユーロ=1.34ドル台前半で推移していたが、バーナンキ発言直後から急落し、21日に1.3096ドルまで下落し、今月6日以来の安値をつけた。

 6月最終週は25日に発表の5月の米国の新築住宅販売や耐久財受注、26日発表の第1四半期の米国内総生産(GDP)3次推計値、28日発表のシカゴ景況指数などが注目される。強い数字になると量的緩和の早期縮小観測からドル高となろう。

【投資資金は新興国・商品投資からドル資産に向かう】
 20日の日本時間の午前中にHSBCから発表された6月の中国製造業購買担当者景況指数(PMI)が事前予想の49.1を下回り48.3で9カ月ぶりの低水準となった。資源国通貨であるオーストラリア・ドルは19日の東京時間の午前中に2010年9月10日以来の安値水準となる1豪ドル=0.9262ドル近辺まで一時下落した。2011年後半から中国を中心として新興消費大国の経済成長から新興国、商品相場への投資が積極的に行われてきたが、中国経済の先行き不透明感、一次産品需要の減少懸念から新興国、商品市場から投資資金が流出し、米量的緩和政策の出口戦略が強まったことで、ドル資産に資金が向かいやすくなっている。

【CMEで19日以降、投機家は円売りに再転換か】
 米商品先物取引委員会が今月21日に発表した建玉明細によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の今月18日現在でのシカゴ・円の大口投機家の売り越し幅は61,890枚となり、11日現在の72,906枚からさらに減少した。5月28日の円の売り越しピークとなった99,769枚から37,879枚の急減となっている。買い玉は5月28日現在の18,406枚から23,010枚まで増加し、円買い方針に転じた投機家が増えた。ただ19日のバーナンキ発言をきっかけに円を手じまい売り、円売りに傾ける投資家が増えたとみられ、5月終盤からの円買い戻し、円買い増加の流れは再度円売りの流れに転換したとみられる。

今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。
24日 独6月ifo景況感指数
25日 米5月耐久財受注
    米4月S&P/ケースシラー住宅価格指数、米4月住宅価格指数
    米6月消費者信頼感指数、米5月新築住宅販売件数
26日 米第1四半期国内総生産(GDP)確報値
    米第1四半期個人消費確報値
27日 NZ5月貿易収支
    独6月雇用統計
    英第1四半期国内総生産(GDP)確報値
    米新規失業保険申請件数
    米5月個人所得・個人支出
28日 日本5月勤労者世帯家計調査、日本5月消費者物価指数
    日本5月雇用統計、日本5月有効求人倍率
    日本5月鉱工業生産指数、日本5月小売業販売額
    スイス6月KOF先行指数
    独6月消費者物価指数
    カナダ5月鉱工業製品価格
    米6月シカゴ購買部協会景気指数
    米6月ミシガン大学消費者信頼感指数



2013年6月24日

(オーバルネクスト/森 成俊)

株式会社オーバルネクスト 森 成俊

担当
為替、先物市場
信条
為替証拠金取引の拡大により、為替取引はより身近になりました。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けています。
経歴
91年ゼネックス(現オーバルネクスト)入社、97−99年までNY現地法人勤務。03年よりオーバルネクスト調査情報グループリーダー。ラジオNikkeiファイナンシャルBox火曜日の為替、商品市況のコメンテーターも務める。

株式会社オーバルネクスト

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